悪魔の種類と階級・序列一覧|最強の悪魔ランキングTOP30

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悪魔の種類と階級・序列一覧|最強の悪魔ランキングTOP30 天使と悪魔
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ベヘモト Behemoth

陸の魔獣

ベヘモト、あるいはビヒモス(ベヒーモス)と呼ばれるこの存在は、しばしば
「陸を象徴する巨大な魔獣」として語られます。
レヴィアタンと同じく海から生まれましたが、あまりに巨大であったため、二匹が共に暮らすことはできず、
神はベヘモトを地上に引き上げ、デンデインという広大な砂漠に住まわせたと伝えられています。

この二匹は、終末の「最後の審判の日」に互いに戦い、殺し合う運命にあるとも言われます。
『ヨブ記』ではベヘモトの姿について、次のように描かれています。
「尾は杉の枝のようにたわみ、腿の筋は硬く絡み合っている。骨は青銅の管、骨組みは鋼鉄の棒を組み合わせたようだ。これこそ神の傑作、創り主をおいて剣をそれに突きつける者はない」。

その原型は、もともと河馬の姿をイメージしていたと考えられていますが、
イギリスの詩人ジェイムズ・トムスンが叙事詩『四季』(1726年頃)でベヘモトを犀と同一視し、
ウィリアム・ブレイクもその影響を受けてベヘモトを描いた、とフレッド・ゲティングスは述べています。

性質に関しては「山々は彼に食べ物を与え、野のすべての獣は彼と戯れる」とされ、
本来は穏やかな側面も持つようです。
しかしグリモアの伝統においては、ベヘモトは暴飲暴食をあおるデーモンとされ、
サタンの別名であるとも解釈されるなど、堕落を象徴する一面も与えられました。

起源については、インドの神ガネーシャの姿が変化して生まれた可能性があるとも言われ、
後世になると、ベヘモトの名はイスラム伝承に登場する巨大な存在「バハムト」と関連づけて語られるようになります。
ただしバハムトは巨大な魚の姿として描かれ、犀や河馬にイメージされるベヘモトとは姿が異なるため、
両者の共通点はほぼ「名前」に限られると考えられています。

『バルク黙示録』によれば、ベヘモトとレヴィアタンはともに天地創造の第5日目に創られ、
ベヘモトは「男性の魔獣」、レヴィアタンは「女性の魔獣」として対を成しているとされます。
陸と海、陰と陽を分かつような、象徴的な存在として描かれているのです。

 

アバドン Abaddon

底なしの穴の破壊者

アバドンという名は、ヘブライ語の abad(「彼は殺した」「滅ぼした」)に由来するとされ、
ギリシア語訳された名アポリオン(Apollyon)は、そのまま「破壊者」を意味します。

アバドンは『ヨハネの黙示録』に登場し、第五のラッパが鳴り響いたときに姿を現します。
その合図とともに「底なしの淵」の扉が開き、地獄の煙の中から、アバドンと呼ばれるおびただしい
イナゴの群れが吹き出してくるのです。

そのイナゴたちは「出陣の用意を整えた馬のよう」であり、「金の冠のようなものをかぶり、顔は人間のよう」、
髪は「女の髪」のようで、歯は「獅子の歯」のようだと描写されています。さらに胸当てを付け、
羽音は戦車が走る響きのように轟き、蠍のような尾と毒針を持ち、額に神の印がない人間だけを襲います。
彼らの攻撃は人々に五か月もの間、死よりも辛い苦痛を与えるとされています。

もともと「アバドン」という言葉は、この黙示録に登場するイナゴの軍勢全体の名でした。
しかし時代が下るにつれ、この名は「地獄の深淵を司る特定の悪魔」を指すようになっていったと考えられます。

地獄の君主たち Demon Lords

悪魔の階級の項でも触れたように、悪魔の分類にはこれが決定版と呼べる体系は存在しません
そのため、ここで紹介する「地獄の君主」たちも、諸説ある中で高位のデーモンとしてしばしば挙げられる顔ぶれ
ピックアップしたものです。

アスタロト(Astaroth) / カマエル(Camael) / サリエル(Sariel) / バアル(Baal) / モレク(Morech) / ラハブ(Rahab)

 

アスタロト Astaroth

女神アスタルテの影

アスタロトのルーツは、古代フェニキアの都市ビブロスで信仰された女神アスタルテにあると言われています。
アスタルテは“真の統治者”の称号を与えられた女神で、古い世界を壊して新しい世界を創造し、死と再生を司る存在とされました。

王として国を治める者は、彼女に仕えることを宣言することで、統治の正当性と秩序を得ると信じられていました。
アスタルテは死者の魂の管理も行い、星々は天に昇った魂、夜空に浮かぶ月は女神アスタルテそのものだとみなされたのです。

バビロニアではイシュタル、ギリシアではアフロディーテと同一視され、エジプトでは戦いの女神としてアストレトの名も持ちました。
画家ウィリアム・ブレイクは、このアストレトをアシュタロスと呼び、バアルの妻として描いています。

悪魔アスタロト

キリスト教によって異教の女神が悪魔へと転じたとき、アスタルテは中世ヨーロッパにおいてアスタロトと呼ばれる存在になりました。

悪魔としてのアスタロトは、ドラゴンにまたがり、鎖で繋がれた蛇を手にしているとされますが、
地上に姿を現すときは黒衣をまとった美しい天使の姿を取ると言われます。
この時点でアスタロトは男性として扱われ、地獄の公爵として君臨し、過去・現在・未来に関する深い知識を持つとされています。

ミカエリスの階級では、アスタロトは堕天した座天使の君主の一人であり、「怠惰な生活」を望む悪魔とされています。
人間にも怠惰と無気力を植えつけ、魂を静かに腐らせていく存在として描かれることが多いのです。

 

カマエル Camael

能天使の司令官

カマエルの名は「神を見る者」を意味し、セフィロトの木ではゲブラーを司る存在として位置づけられます。
神の御前に立つ七大天使の一人に数えられることもあり、本来は高位の天使でした。

能天使の司令官でもあるカマエルですが、能天使の階級からは多くの堕天使が出たとされることから、
カマエル自身も善と悪、天使と悪魔の境界に立つ存在として描かれることがあります。

地獄の公爵として現れるカマエルは、隠秘学において「邪悪な星」とされる火星を支配し、
ケムエルの名で一万二千の破壊の天使を従えるとも言われます。
また、懲罰・復讐・死を司る天使たちの指揮官でもあり、その役目が「神から与えられた使命」なのか、
それとも「悪魔としての性質」によるものなのかは、今もなお解釈が分かれるところです。

 

サリエル Sariel

月を司る堕天使

本来のサリエルは、七大天使にも数えられる高位の天使でした(→大天使サリエル)。
彼は魂を導き、見守る役割を担い、その働きは月と深く結びついていると考えられていました。

古代には「人間の魂は月に保管されている」と信じられており、人が生まれるときには月から魂が送り込まれ、
死ぬときには魂が月へと帰るとされていました。
しかし、やがて月は魔力や秘術と強く結びつけて語られるようになり、サリエルもまた
「月の秘められた魔力を人間に教えた」という理由で、堕天使と見なされるようになります。

彼はカナンの女司祭たちに月の満ち欠けや潮の干満を教え、魔術を行使するための知識を授けたとも伝えられています。

邪視の力

サリエルが堕天使として恐れられるもう一つの理由が、彼の持つ邪視(Evil-eye)の能力です。
その眼差しは、ただ見つめるだけで相手の動きを封じ、ときには死に至らしめることすらあると言われました。

ヨーロッパやオリエント世界では、邪視は古くから大いなる恐怖の対象であり、
その魔除けとしてサリエルの名が刻まれた護符が使われたこともあります。
しかし、同時にそれは「危険な力を振るう存在」として彼を堕天使の側へ追いやる一因ともなりました。

 

バアル Baal

悪魔の将

バアルは、もとはセム系民族における豊穣の神の一柱でした。
古代オリエントの多神教においては、万神殿の中でも高い実力と権威を持つ神として位置づけられていたとも言われます。

カナン神話では、バアルは「混沌」と戦う勇猛な神として描かれ、その名は「王」を意味します。
ハンニバル(Hannibal:「バアルの恵み」)や、ベルゼブルの語源ともなるバアル・ゼブブ(Baalzebub:「館の王」)など、
多くの歴史的人物や称号にその名が用いられてきました。

ソロモンの72柱の悪魔の一体としてのバアルは、人の頭・猫の頭・ヒキガエルの頭のいずれか、
あるいはこれら三つの頭を持つ姿で現れるとされています。
豊富な知識を持ち、とくに法律や秩序に関する知恵に優れると言われます。

中世以降の悪魔学では、バアルは地獄最大級の王として格上げされ、
六万もの軍団を率いる大いなる武将として描かれることもあります。
ミルトンやブレイクは、バアルをアストレト(アシュタロト)の夫とみなし、
二柱を対になる存在として表現しました。

 

モレク Morech

生け贄を求める神

モレク(メレク、モロクとも)は、その名がヘブライ語の「王」を意味し、
もとはカナン人が崇拝した神であり、初期のセム系民族にも信仰されていました。

モレクは、人々に国の繁栄や豊かな収穫を約束する一方で、その代償として王の初子を焼き尽くす生け贄を求めたと伝えられています。

モレクを祀った神殿はエルサレム郊外のゲヘナ(Gehenna)にあったとされます。
モレク崇拝が廃れた後、その場所には罪人の死体やゴミが集められ、絶えず燃やされるようになりました。
その悪臭と光景が「地獄」を連想させたため、やがてゲヘナという言葉自体が「地獄」を意味するようになっていきます。

中世においてモレクは悪魔として描かれ、内部に業火をたぎらせた牛の頭を持つ巨大な像の姿を取るとされました。
その腹の中で罪人たちが焼かれ苦しむ様を、モレク自身が喜んで見ている──そんな残酷なイメージが重ねられています。

 

ラハブ Rahab

混沌と海を支配する者

ラハブは「混沌」を意味する怪物であり、神が天地創造を行う前からすでに存在していたと伝えられます。
神はこのラハブを引き裂き、その肉体から天の水と地の水を分けたとも言われ、
ラハブはやがて海を支配する存在となったとされます。

キリスト教的な解釈では、ラハブは天使の一人として登場します。
天地創造の際、神はラハブに命じて世界中の水を飲み込ませ、地球を置くための乾いた場所をつくらせようとしましたが、
ラハブはそれを拒み、神の怒りに触れて殺されてしまったとされています。

しかし、ラハブはその後も伝承に姿を現します。
海の支配者となったラハブは、海に投げ込まれた「ラジエルの秘密の書」を回収するよう神に命じられ、
素直にそれに従ったとも言われます。

さらに、ラハブは“原初の海の支配者”としてエジプトの守護者の役割を担い、
エジプトを脱出して紅海を渡ろうとするモーセとヘブライ人の一行を阻もうとします。
しかし、その試みもまた神によって打ち砕かれ、再び滅ぼされることになるのです。

ラハブは、こうした多くの物語の中で、混沌・海・神への反逆を象徴する存在として描かれ続けています。
世界が形を持つ前の「原初の混沌」を映し出す影のような、神秘的なデーモンと言えるでしょう。

 

最強の悪魔は誰か?

悪魔たちは、単なる「恐ろしい存在」ではなく、古代の人々が世界をどう理解し、 どんな恐怖や願いを抱えて生きていたかを映し出す象徴でもあります。

今回のランキングでは、神話や宗教書に記された力、人間への影響力、象徴性を総合して「強さ」を評価しました。 興味を惹かれた悪魔はいましたか?

もし特定の悪魔の歴史や神話背景をもっと深く知りたい場合は、記事後半に掲載した詳細解説もぜひ読んでみてください。 そこには“名前だけでは分からない物語”が数多く隠れています。

悪魔を知ることは、世界の文化や宗教を知ることにつながり、教養としての価値も高い分野です。 この機会に、さらに深い神話の世界へ足を踏み入れてみてください。

 

FAQ よくある質問

最強の悪魔にはどんな種類がありますか?

最強の悪魔には、ルシファーやベルゼバブ、レヴィアタンのように神話や宗教文献で強大な力を持つ存在が多く含まれます。 堕天使、魔獣、古代の神格が悪魔化した存在など、ルーツはさまざまです。

悪魔の強さはどのように決まるのですか?

悪魔の強さは「神話での位置づけ」「持つ権能」「象徴性」「人間社会への影響力」などを総合して評価されます。 戦闘力だけでなく、支配力や魔術能力も強さの基準になります。

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