- 狒狒(ひひ)
中国語:狒狒(フェイフェイ)
出典:『本草綱目』『和漢三才図会』ほか
南方に棲むとされた猿の怪物。人を襲う猛獣として恐れられ、日本では「ヒヒ」として山の妖怪の一種とされた。 - 狻猊(さんげい)
中国語:狻猊(スアンニー)
出典:『西遊記』ほか
獅子に似た霊獣。仏像の台座や香炉の脚に彫られることが多く、仏法と威厳の象徴として尊ばれる。 - 猫能言(ねこ・のうげん)
中国語:猫能言(マオネンイェン)
出典:『夜譚随録』『玉堂閑話』『北夢瑣言』『続墨客揮犀』ほか
人語を話す猫、あるいは猫に憑いた霊。家の内情を暴露したり、未来を予言したりする不思議な存在として怪談に登場する。 - 画壁(がへき)
中国語:画壁(フアビー)
出典:『聊斎志異』
壁に描かれた美人像が命を得て現れる怪異。画中の世界と現実世界を行き来し、若者を誘惑する幻想的な怪談として知られる。 - 畢方(ひっぽう)
中国語:毕方(ビーファン)
出典:『山海経・西次三経』『山海経・海外南経』ほか
鶴に似た一本足の怪鳥で、青い体に赤い斑点、白いくちばしを持つ。現れた土地では火災が起こるとされ、火の災いの前触れとして恐れられた。 - 画皮(がひ)
中国語:画皮(フアピー)
出典:『聊斎志異・画皮』
人の皮をまとって美しい人間に化ける妖怪。皮を脱げば醜悪な鬼女の姿であり、「外見に惑わされる危うさ」を象徴する物語として有名。 - 瘧鬼(ぎゃくき)
中国語:疟鬼(ニュエグイ)
出典:中国医書・怪談
マラリアなどの熱病をもたらす鬼。寒熱の発作を繰り返し起こし、祟りを鎮めるために祭祀や呪術が行われた。 - 疫鬼(えきき)
中国語:疫鬼(イーグイ)
出典:『論衡・訂鬼』『異聞総録』ほか
疫病を撒き散らす鬼。村落に疫病が流行するとき、その背後に疫鬼の影があると考えられ、道教や仏教の儀礼で祓われた。 - 疾行鬼(しっこうき)
中国語:疾行鬼(ジーシンググイ)
出典:『博異記』『夷堅志』『宣室志』『聊斎志異』
風のような速さで駆ける鬼。夜道を一瞬で駆け抜け、人の魂を攫うとも、急ぎの伝令として神仏に使われるともされる。 - 病鬼(びょうき)
中国語:病鬼(ビングイ)
出典:『諧鐸』ほか民間故事
各種の病気を司る鬼の総称。人の体に入り込んで病を起こすとされ、病鬼を追い払うための護符や儀礼が各地で行われた。 - 蛇精(じゃせい)
中国語:蛇精(シェジン)
出典:『聊齋志異』〈豢蛇〉〈青城婦〉〈蛇人〉〈斫蟒〉〈海公子〉、『白蛇伝』、『躋雲樓』
蛇が妖力を得て化した存在。女性に化けることも多く、人間と関わる怪異譚が多数残る。 - 蛟(こう)
中国語:蛟(ジャオ)
出典:『八仙得道伝』、周処「除三害」伝説
竜に近い水棲の妖獣。洪水を起こす害獣として語られる一方、修行して龍へ昇格するともされる。 - 蛤蟆精(がまじん)
中国語:蛤蟆精(ハーマジン)
出典:『史記』『淮南子』ほか
蛙・蟇が妖力を得て化した怪物。呪術・変化の術を使い、霊薬や仙術と関連づけられることもある。 - 蜃(しん)
中国語:蜃(シェン)
出典:『彙苑』『今昔百鬼拾遺』ほか
大きな貝や海の妖獣とされる。蜃気楼(蜃楼)を生み出す霊獣として知られる。 - 蜘蛛精(ちちゅうせい)
中国語:蜘蛛精(ジージュージン)
出典:『西遊記』『異苑・蜘蛛魅』ほか
蜘蛛が化けた妖怪。美女に化けて人を誘惑することが多く、『西遊記』では孫悟空と戦う強敵として登場。 - 蜚(ひ)
中国語:蜚(フェイ)
出典:『山海経』
大きな悪兆をもたらす怪獣。蜚が通った場所は汚れ、災いが広がるとされる不祥の象徴。 - 蜮(いく)
中国語:蜮(ユィ)
出典:『博物志(异虫)』
水中から毒の気を吹きかけて人を害する怪異。遠くから「暗箭」を放つように害を与えることで有名。 - 蠍子精(さそりじん)
中国語:蝎子精(シェーズジン)
出典:『西遊記』ほか
巨大な蠍が化けた妖怪。猛毒を持ち、妖術に秀でる。作品によって女性形・男性形の両方で描かれる。 - 螺女(らじょ)
中国語:螺女(ルオニュー)
出典:『搜神記』
螺(巻貝)が化けた娘。水中に姿を隠し、人と関わる神秘的存在として語られる。 - 蠱雕(こちょう)
中国語:蛊雕(グーディアオ)
出典:『山海経』『骈雅』『事物绀珠』
彫に似た猛禽で額に角があり、声は赤子の泣き声のよう。人を食うと記される恐ろしい怪鳥。 - 讹兽(がじゅう)
中国語:讹兽(アーショウ)
出典:『神異経』
人を騙す・惑わす妖獣。姿を変える力を持ち、山林で旅人を迷わせるとされる。 - 諸犍(しょけん)
中国語:诸犍(ジュージエン)
出典:『山海経・北山経』
虎のような姿で尾が牛に似た猛獣。咆哮で万物を震わせるとされる強力な怪獣。 - 猫鬼(びょうき)
中国語:猫鬼(マオグイ)
出典:『隋書・外戚傳・獨孤陀』『朝野僉載』
猫が変じた妖怪。怨念深く、人に祟ったり怪異を起こすとされる。 - 獏(ばく)/貘(ばく)
中国語:貘(モー)
出典:中国古典・怪異説話
夢を食べる霊獣として知られる。日本の「獏」と同一視され、中国では体が熊に近い姿で描かれることが多い。 - 贔屭(ひき)
中国語:贔屭(ビーシー)
出典:『酉阳杂俎』『子不语』
亀が化した霊獣で、巨石や碑を背負う怪力の象徴。中国の石碑の台座「贔屭(ひき)」の由来となった存在。 - 赤龍(せきりゅう)
中国語:赤龙(チーロン)
出典:
赤い龍を指す名称。火や吉兆と結びつけられ、作品によって妖力や神性の強い龍として描かれる。 - 辮子姑娘(べんずごにゃん)
中国語:辫子姑娘(ビエンズグーニャン)
出典:香港都市伝説
三つ編みの少女の幽霊として語られる都市怪談。学校や団地で目撃されるという噂が多い。 - 通臂猿猴(つうびえんこう)
中国語:通臂猿猴(トンビー・ユエンホウ)
出典:『西遊記』
手が異様に長い猿の妖怪。一族が存在し、身軽さと怪力を併せ持つ。孫悟空とも関係する山中の妖族として登場。 - 邪魅(じゃみ)
中国語:邪魅(シェーメイ)
出典:『阅微草堂笔记』『抱朴子』
人を惑わす邪悪な妖怪の総称。幻を見せ、心を乱す存在として語られる。 - 重明鳥(ちょうめいちょう)
中国語:重明鸟(チョンミンニャオ)
出典:『拾遗记』
両目が二重に輝く聖鳥。太平の世に現れる瑞兆とされ、光を自在に操ると記述される。 - 金角大王・銀角大王(きんかく・ぎんかく)
中国語:金角大王與银角大王(ジンジャオ・インジャオ)
出典:『西遊記』
太上老君の持ち物を盗み出して妖怪化した兄弟。多くの法宝を操り、唐僧一行を苦しめる強敵。 - 青牛(せいぎゅう)
中国語:青牛(チンニュー)
出典:『嵩高记』『录异传』
老子(太上老君)の乗る青い牛。強大な神力を持つとされ、しばしば道教の象徴として描かれる。 - 青蛙神(せいあしん)
中国語:青蛙神(チンワーシェン)
出典:『聊斋志异』
蛙が神格化した存在。雨乞いや豊穣と結びつき、水や湿地の守護者として扱われる。 - 青衣女鬼(せいいおんなおばけ)
中国語:青衣女鬼(チンイーヌーグイ)
出典:『夜谭随录』
青い衣をまとった女性の幽霊。静かに現れて人に取り憑くとされ、清代怪談でたびたび語られる存在。 - 一目五先生(いちもくごせんせい)
中国語:一目五先生(イーモウウーシェンシェン)
出典:中国民間伝承
五人一組の疫鬼で、四人は目がなく、一人だけが一つの目を持つ。善悪を問わず「ごく普通の人」を病死させるとされる不気味な鬼。 - 三首人(さんしゅじん)
中国語:三首人(サンショウレン)
出典:中国神話・伝説
三つの頭を持つとされる伝説上の人種。異形の姿を持つ異国人・異民族の象徴として物語に登場する。 - 不死人(ふしじん)
中国語:不死人(ブーシーレン)
出典:中国神話・地誌
死ぬことのない人々が住むとされた伝説上の一族。仙人や不老不死信仰と結びつけられ、桃源郷的な理想郷の住人として描かれる。 - 九頭駙馬(きゅうとうふば)
中国語:九头駙马(ジウトウフーマー)
出典:中国伝奇・演義
九つの頭を持ち、月牙形の武器を操る妖魔。別名「九頭虫」とも呼ばれ、強大な妖怪として物語に登場する。 - 人虎(じんこ)
中国語:人虎(レンフー)
出典:中国伝承
人と虎のあいだのような存在、あるいは虎の精が人の姿をとったものとされる怪異。獣性と人間性のあいだを揺れ動く存在として語られる。 - 伏羲(ふっき)
中国語:伏羲(フーシー)
出典:『山海経』ほか中国神話
古代中国神話における始祖神・文化英雄。人間世界に文字・狩猟・漁撈・易の道をもたらしたとされ、しばしば蛇身人首の姿で描かれる。 - 修蛇(しゅうだ)
中国語:修蛇(シウシェー)
出典:中国神話・『山海経』系伝承
大いなる蛇の怪物として語られる霊獣・妖獣。洪水や大河と結びつけられ、水害の象徴として登場することが多い。 - 兕(じ)
中国語:兕(スー)
出典:『山海経』ほか
水牛に似た姿で、きわめて硬い皮膚と一本角を持つ獣。その角は酒器にもされると伝えられ、一説にはサイを神話化した存在とされる。 - 共工(きょうこう)
中国語:共工(ゴンゴン)
出典:『山海経』『書経』ほか
人面蛇身の水神・反逆神。怒りに任せて天柱を折り、大洪水を起こしたとされる混沌と災厄の象徴的存在。 - 化蛇(かだ)
中国語:化蛇(ホアシェー)
出典:中国神話・地誌
翼を持つ蛇の怪物。その姿が現れた土地には洪水が起こるとされ、水害の前兆として恐れられた。 - 双睛(そうせい)
中国語:双睛(シュアンジン)
出典:中国伝承
伝説上の霊鳥。鋭い両眼で遠くの出来事を見通すとされ、天変地異や吉兆・凶兆を見分ける鳥として語られる。 - 嘲風(ちょうほう)
中国語:嘲風(チャオフォン)
出典:中国伝承・「龍生九子」説話
龍生九子の一柱とされる霊獣。風を好み、しばしば屋根の棟や隅の飾りにされる霊獣。勇猛さと威風を象徴する。 - 囚牛(しゅうぎゅう)
中国語:囚牛(チョウニウ)
出典:中国伝承・「龍生九子」説話
龍の子の一つとされる霊獣。音楽を好む性質があり、古代の鐘や楽器の装飾として刻まれたと伝えられる。 - 四凶(しきょう)
中国語:四凶(スーシォン)
出典:『尚書』『山海経』ほか
渾沌・窮奇・檮杌・饕餮の四柱からなる悪神グループ。古代中国の舜帝によって四方へ追放されたとされる、乱世と不徳の象徴。 - 四神(しじん)
中国語:四神(スーシェン)
出典:中国神話・陰陽五行思想
東の青龍・南の朱雀・西の白虎・北の玄武からなる方位の守護霊獣。方角・季節・色などと結びついた聖獣として信仰される。 - 四霊(しれい)
中国語:四霊(スーリン)
出典:『礼記・礼運篇』ほか
麟・鳳・亀・竜の四種からなる瑞獣の総称。王道と徳治が行われる時代に現れる吉兆の象徴とされる。
- 壁神(かべがみ)
中国語:壁神(ビィシェン)
出典:中国の志怪書・妖怪譚
古い壁に宿るとされる妖怪。人に取り憑いて病や不調をもたらすとされ、老朽化した家屋の不気味さを象徴する存在。 - 夔龍(きりゅう)
中国語:夔龙(クイルン)
出典:中国神話・古代図像
夔と龍が習合したような龍神の一種。一足の獣形や龍形で描かれ、雷・音楽・王権と結びつけられる霊的な存在。 - 大風(たいふう)
中国語:大風(ダーフォン)
出典:中国神話
巨大な怪鳥として描かれる邪神。羽ばたくだけで暴風を起こし、軍勢や国をも吹き飛ばす力を持つとされる。 - 太歳星君(たいさいせいくん)
中国語:太岁星君(タイスイシンジュン)
出典:道教・民間信仰
歳星(木星)の精として祀られる神格。方位神・厄災神としても重要で、その年の「太歳」の方角を犯すと災いが起こるとされた。 - 夸父(こほ)
中国語:夸父(クアフー)
出典:『山海経』ほか
太陽を追いかけて走り続けた巨人族。ついに渇きで倒れたとされ、その杖から桃林が生えたという教訓的神話で知られる。 - 如意真仙(にょいしんせん)
中国語:如意真仙(ルーイージェンシェン)
出典:『西遊記』
牛魔王の弟として登場する妖仙。如意金箍棒と対になる鉤状の宝具『如意鉤』を扱う強敵の一人で、孫悟空と激しく戦う。 - 孟極(もうきょく)
中国語:孟極(モンジー)
出典:『山海経』ほか
額に斑点のある白い豹に似た妖獣。伏せて獲物を待ち伏せるのが得意とされる一方、人に懐くという説もある。 - 封豨(ほうき)
中国語:封豨(フォンシー)
出典:中国神話・『山海経』系伝承
伝説上の怪物。猪に似た姿で、荒れ地や山野に棲み、突進するとあらゆるものをなぎ倒す怪力を持つとされた。 - 山(さんそう)
中国語:山(シャンソウ)
出典:『神異経』
西方の深い山中に棲むとされた妖獣。身長は一丈あまりで、エビやカニを捕らえて焼いて食べ、大きな爆裂音を嫌うという。害した者は病にかかるとされる。 - 巴蛇(はだ)
中国語:巴蛇(バァシェー)
出典:『山海経』ほか
人や象さえ丸呑みにすると言われる巨大な蛇。飲み込んだ獲物の骨を三年たってから吐き出すという怪異譚で知られる。 - 并封(へいほう)
中国語:并封(ビンフォン)
出典:中国伝承
前と後ろに頭を持つ豚の怪物。強い毒気を持ち、その近くにいるだけで体調を崩すとされる凶獣。 - 後眼人(こうがんじん)
中国語:后眼人(ホウイエンレン)
出典:中国の伝説上の人種
後頭部にも目を持つとされる人々。背後からの危険を見通す存在として語られ、異形の人種伝説の一つとなっている。 - 応龍(おうりゅう)
中国語:応龙(インロン)
出典:中国神話・『山海経』
四霊の一つに数えられる有翼の神龍。洪水を治め、大地に河川の筋を刻んだとされる治水と正義の象徴。 - 息壌(そくじょう)
中国語:息壤(シーラン)
出典:中国神話
自ら増殖する力を持つとされる霊妙な土、あるいは土の怪物。鯀や禹が大洪水を鎮めるために用いたとされる神話で知られる。 - 夜叉(やしゃ)
中国語:夜叉(イエチャー)
出典:『宜室志』『留青日札』
怒りの形相と怪力を持つ魔神。害をなす存在として恐れられる一方、仏教では守護神として働くなど、二面性のある霊的存在。 - 大鵬(たいほう)
中国語:大鹏(ターポン)
出典:中国伝説(『荘子』ほか)
巨大な神鳥で、海の大魚「鯤」が化したものとされる。翼を広げれば天を覆うほどの巨大さを持ち、壮大なスケールの象徴とされる。 - 羅刹女(らせつにょ)
中国語:罗刹女(ルオチャニュイ)
出典:『阅微草堂笔记』『西遊記』
人を捕食するとされる羅刹族の女性。妖力・怪力を備え、怪異として語られるが、『西遊記』では孫悟空らと戦う妖怪として登場する。 - 鬼王(きおう)
中国語:鬼王(グイワン)
出典:『搜神后记』『聊斋志异』『地藏菩萨本愿经』
冥界や地獄の鬼を統率する王。強大な霊力を持つ鬼神として描かれ、多くの怪談・仏教説話に登場する。 - 鬼車(きしゃ)
中国語:鬼车(グイチャー)
出典:『岭表录异』
九つの頭を持つ異形の鳥。夜に出没し、魂を奪うとされる。怪しい声で鳴き、凶兆を示す妖鳥として恐れられた。 - 鯤(こん)
中国語:鲲(クン)
出典:『国語・魯語上』『荘子・逍遙遊』
海に住む巨大な魚。のちに大鵬へと変化する。大きさは数千里に達するとされ、道家思想における“無限の可能性”を象徴する存在。 - 白龍(はくりゅう)
中国語:白龙(バイロン)
出典:中国伝説
白い龍で、吉兆・清浄・神聖の象徴とされる。『西遊記』では唐僧の乗る白龍馬となり、旅を支える守護的存在。 - 僵尸(きょうし)
中国語:僵尸(ジアンシー)
出典:『子不語』『阅微草堂笔记』
死体が蘇り、跳ねて移動する中国特有のゾンビ。生者の気(生命力)を吸うとされ、道士の符咒で制御・退治される妖異。 - 南海鮫人(なんかいこうじん)
中国語:南海鲛人(ナンハイジャオレン)
出典:『搜神記』
南海に住むとされる人魚族。容姿端麗で、涙が真珠になるという伝説が古くから語られた水の精霊的存在。 - 女夜叉(おんなやしゃ)
中国語:女夜叉(ニュイイエチャー)
出典:『聊斋志异』
夜叉の女性形。荒々しい性質だが、人間と交流する逸話もあり、怪異として多面的に描かれる。 - 孫悟空(そんごくう)
中国語:孙悟空(スンウーコン)
出典:『西遊記』
斉天大聖と称される英雄的妖怪。七十二変化や觔斗雲を使い自在に戦い、後に仏の守護者として役割を果たす。 - 雷鬼(らいき)
中国語:雷鬼(レイグイ)
出典:中国民間伝承・文学
雷に関わる鬼。雷鳴を司る妖怪として描かれ、雷を落としたり天候に影響を与える存在として知られる。 - 九頭雉鶏精(きゅうとうちけいせい)
中国語:九头雉鸡精(ジウトウ・ジージージン)
出典:『封神演義』
九つの頭を持つ雉の妖精。強力な妖術を操り、妲己と共に紂王に仕えた妖怪として描かれる。 - 九霊元聖(きゅうれいげんせい)
中国語:九灵元圣(ジウリン・ユェンション)
出典:『西遊記』
九つの頭を持つ獣形の妖怪。強大な法力を持ち、三界を騒がせる存在として描かれる。 - 雲程万里鵬(うんていばんりほう)
中国語:云程万里鹏(ユンチョンワンリーポン)
出典:
“万里の旅路を飛ぶ鵬”を表す瑞鳥的存在。長大な距離を自由に翔ける象徴的な神鳥として語られる。 - 山魈(さんしょう)
中国語:山魈(シャンシャオ)
出典:『聊斋志异』
山林に棲む怪物。猿に似た異形の姿を持ち、人を惑わせたり襲ったりする妖怪として描かれる。 - 替死鬼(ていしき)
中国語:替死鬼(ティースーグイ)
出典:中国民間信仰・怪談
他者の代わりに死を背負う鬼。悪運を肩代わりする存在として語られることもあり、中国怪談では非常に有名な概念。 - 青鴍(せいもう)
中国語:青鴍(チンモン)
出典:『山海経・大荒西経』
青い羽を持つとされる怪鳥。姿の詳細は諸説あるが、瑞兆または異変の前兆として記録される。 - 顒(ぎょう)
中国語:顒(ヨン)
出典:『山海経』
山海経に記される神格的存在。具体的な外見描写は少なく、霊的・超自然的な性質の強い異形の存在として語られる。 - 風狸(ふうり)
中国語:风狸(フォンリー)
出典:『今昔百鬼拾遺』ほか
獣の姿をした妖異で、風を起こしたり疫病をもたらすとされる。狸に似た姿で描かれることが多い。 - 飛兔(ひと)
中国語:飞兔(フェイトゥ)
出典:『括地図』(『漢唐地理書鈔』)
空を飛ぶ兎とされる霊獣。吉兆の象徴とされることもある。 - 飛天夜叉(ひてんやしゃ)
中国語:飞天夜叉(フェイティエン・イェチャー)
出典:『野獲編』『続新斉諧』ほか
空を飛び人を襲う夜叉のような怪物。死体が変じた妖異(飛僵)として扱われる場合もある。 - 飛頭獠子(ひとうりょうし)
中国語:飞头獠子(フェイトウ・リャオズ)
出典:『酉陽雑俎』
首だけが飛行する妖異。人を驚かし、血を吸うとされる怪異の一種。 - 飛鼠(ひそ)
中国語:飞鼠(フェイシュー)
出典:中国伝承・一般呼称
「飛ぶ鼠」を意味する語で、ムササビやコウモリに似た妖獣として語られることがある。明確な固定像は文献により異なる。 - 食血鬼(しょっけつき)
中国語:食血鬼(シーシュエグイ)
出典:各地伝承
血を吸って生きる鬼・悪霊の総称。人や家畜を襲う吸血鬼的存在として扱われる。 - 馬絆蛇(ばはんだ)
中国語:马绊蛇(マーバンシェー)
出典:『山海経』『北夢瑣言』
馬の脚に絡みつき転倒させるとされる蛇の妖怪。旅人にとって災厄の象徴とされる。 - 駮(はく)
中国語:駮(ボー)
出典:『山海経』
諸悪や妖魔を食うとされる義獣。正義の象徴として後世にもよく取り上げられる瑞獣。 - 騶虞(そうぐ)
中国語:驺虞(ゾウユー)
出典:『周礼』『山海経』
虎に似た姿を持ちながら殺生をしない聖獣。徳のある王の治世に現れる瑞兆とされる。 - 驢鼠(ろじょ)
中国語:驴鼠(リューシュー)
出典:『搜神記』
ロバと鼠が混ざったような異形の獣として記される。 - 馬生人(ばしょうじん)
中国語:马生人(マーシェンレン)
出典:『搜神記』
馬の腹から人が生まれるという怪異。凶兆や不吉な前兆譚として語られる。 - 鬼(き)
中国語:鬼(グイ)
出典:中国古代思想全般
死霊・悪霊・怪異の総称。日本語の「おに」「おばけ」に相当する広い概念を含む。 - 鬼婦(きふ)
中国語:鬼妇(グイフー)
出典:『諧鐸』『太平広記』
女性の鬼。恨みを抱いた女子の幽霊として怪談に登場する典型的存在。 - 鬼婿(きせい)
中国語:鬼婿(グイシュウ)
出典:『諧鐸』『聊斎志異』
人間の女性と鬼との婚姻譚の一種。婿が実は鬼だったという怪異物語。 - 鬼母(きぼ)
中国語:鬼母(グイムー)
出典:任昉『述異記』
鬼の子を産む母の怪物。虎頭・龍足などの異形で描かれる。 - 魍魎(もうりょう)
中国語:魍魎(ワンリャン)
出典:『淮南子』『搜神記』
山野に棲む妖怪の総称。魑魅魍魎の一つで、姿の定まらない霊的存在として語られる。 - 魚姑娘(ぎょこじょう)
中国語:鱼姑娘(ユーグーニャン)
出典:傈僳族神話
魚の娘として語られる水の精霊的存在。人と魚のあいだの姿を持つ。

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