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《長編名作》超まとめ『少し昔話をしたくなった』【大学編】3/5

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《名作》超まとめ『少し昔話をしたくなった』【大学編】 まとめ
《名作》超まとめ『少し昔話をしたくなった』【大学編】
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少し昔話をしたくなった 【中学生編】
少し昔話をしたくなった 【高校編】
少し昔話をしたくなった 【大学編】
少し昔話をしたくなった 【社会人編】
少し昔話をしたくなった 【完結編】


 

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大学編

 

 

大学生になった俺は近場の大学ではあったが一人暮らしを始めた。

板倉と森君とは大学で離れ離れになったが、それでも頻繁に会う。
てか、毎日会っていた。
二人は俺の一人暮らしの家に入り浸りで、
何故か合鍵までも持っていたのであった。

俺ら三人はどうやら他に友達が出来ないらしい・・・

 

たまに、あの高二の夏を思い出す。

サトミを見送った後、俺は無人駅にずっと居続けた。
するとチリンチリン、自転車のベルの音が聞こえた。

俺が振り向くと板倉と森君がいた。
俺はなんか情けない顔で手を振ったと思う。

二人は俺の情けない顔を見ても何も言わなかった。

 

その後の俺はまたもや厨二病患者となりボーッと海を見て過ごしていた。

ミユキも何故かそれ以降は俺に絡んで来なかった。
俺はミユキに対してはコチラからは一切話し掛け無い様にしたんだ。
ミユキには悪いがなんかちょっとした抵抗だったのかもしれない。

女の子達も地元に帰り、俺ら三人だけは八月のギリギリまで海にいた。

海水浴客もいなくなり、浜はガランとしていた。
夏の終わりをスゲエ感じれたよ。

なんかあのサトミ達と過ごした二週間が夢の様な気がした。

 

九月になり新学期が始まってもサトミからの電話は無かった。

そして俺からサトミにも電話はしなかった。

俺は後悔した。

告白した事を凄く後悔した。
告白しなければ俺はまだサトミと接点を持てたかも知れない。

だがもう後の祭だった。

それから俺は余り妄想をしなくなった。

 

現実に目を向けて、来たるべく受験に備えた。

もちろん板倉や森君達とは馬鹿な事をして盛り上がる。

だが、もう妄想はしない・・・
すみません。
嘘です。

めちゃくちゃ妄想全開でした。

俺はサトミを思い続けた・・・

サトミが俺の元に現れる妄想しまくってました・・・

 

大学生になりサークルにも入り仲間は増えた。
女子共一緒に遊んだりしたりするからか、
俺は女の子にも少し慣れてきた。だが、女の子と雑魚寝したりする時はドキドキしたし、
普通に俺の家に遊びに来たりするだけなのに、
コイツ俺に気が有るんじゃ無いかと相変わらずの勘違いをする。まあ、この病気は不治の病なんだろう。

 

だが、なんだかんだ言っても気が合うのは板倉と森君だった。

三人でよく酒を飲みに行った。

三人で行くと、酒が弱い俺が吐いて
板倉が女の子を追い掛け、
森君が隣の席のサラリーマンにガンダムに付いて語るのがいつもの流れだった。

 

ある日いつもの様に酒を飲んだ後にカラオケに行こうとして街中を歩く。

俺はかなり酔っ払っていた。
板倉と森君は酒が強いんだよ・・・

気分が悪くなった俺は路地裏に入り吐く。
ゲロゲロした後に少しすっきりした俺に森君が自販機でお茶を買ってくれた。

森君「大丈夫か?」
俺「ダメだー死ぬー」

そんな事を言っていると板倉が戻ってきた。

 

板倉「誰か女呼べよ野郎ばっかじゃ楽しくねー」

それは板倉が常に言う言葉だった。
が・・・時刻は午前1時をまわっていた。
この時間に電話して来る女なんかいねー。

俺らは自販機の横にしゃがみ込んでタバコを吸っていた。
具体的に時期は言わんが俺らはタバコを覚えた。

きっかけは板倉の「タバコ吸わね?」の一言だった。
最初はちょっと吸ってみるかな?
の始まりがいつの間にか本格的なニコチン中毒の誕生となった。

あの時板倉を殴ってでも止めれば良かったよ・・・

 

俺ら三人はボーッと人の流れを見つめる。

大学時代、時間は腐る程あった。
だが、一個無い物があった・・・

板倉「ちょ、マジでどっか移動しようぜ何してんだ俺ら」
森君「所がですね、板倉さん・・・」
板倉「うん?」
森君「俺はあと800円しか無い。ちなみに板倉君は?」
板倉「・・・ろ、600円位・・・」
森君「残念です」

俺らは金が慢性的に無かった

 

板倉「福田は?」
俺「さっきタバコ買って後300円」
板倉「お前、一番ねーじゃねーか!!」
俺「うっせー!!!ここまで来たら300円も600円も変わんねーわ!!!」
板倉「いーや変わります!!!倍だもんね!倍違うもんね!!!」いつもの様に俺と板倉が小競り合いを始めた。
森君は慣れっこで無視。

 

その時突然、

「福田ー」

そう女の声で言われた。
振り返るとそこには、大学の同じサークルの女達四人が立っていた。

「何してんのwwこんなとこでwwチョー受けるんだけどww」

一人のビッチが言ってきた。
なんでウケるんだよ。
意味がわかんね。

 

板倉が俺の横腹を小突く。
分かってる待て。俺「よお」
ビッチ「キモいww」なんで?ねえなんでキモいの?板倉がまた俺の横腹を小突く。
さっきより痛い。
分かってる待てってば。

カズミと言う同じサークルの子が
「何してるの?お友達?」
そう聞いてきた。
このカズミは良い子です。
俺ともサークルでよく喋る。

 

板倉は我慢しきれず立ち上がり、
男前表情を作った。板倉「板倉です・・・今日と言う日は二度と来ない・・・そして、今と言う時間は僕らの為にある・・・さて、どこに行こうか・・・?」呪文を唱えだした。ビッチ「何言ってんのwwマジウケるんだけどww」

お前なんでもウケるんかよ。

 

板倉「さあ、あのカラオケに行こう・・・!」

カシャーッ。森君が携帯で女の子の写メを撮り始めた。

ビッチ「何?何撮ってんの???」
俺「あ、いや・・・」

カシャーッ。森君は撮り続ける。
もう、コイツは神の領域だよ。

板倉「良いからww良いからwwどこ行く?」
ビッチ「は?」

場はカオスだった。
だが、こうなったら板倉達の独壇場だった。
女の子らは強引に板倉に連れて行かれる。

 

 

カズミが俺に言って来た。
カズミ「なんかww凄いお友達だねww」素直に笑ってた。
うん、コイツも少し天然なんだ。
カラオケに入る。だが、俺らは金がない。俺は板倉に耳打ちした「いや、どうすんだよ金は?」板倉はニヤリと笑い財布の中身をチラリと見せた。

板倉「カードがあるww」
俺「え?お前そんなん持ってんの?」
板倉「親父のだ、緊急事態の時だけ使う」

緊急事態・・・親父カワイソス。

 

 

ビールが運ばれて来て乾杯する。

板倉「自己紹介一気のコーナーwwwwww」

テンションたけえ。
だが、ビッチ達は何故か
「イエーイww」と応えていた。

何このノリ。
なんか妙に盛り上がった。

板倉「ビッチ子ちゃんはあれ?男性経験何人?ウヒヒww」

エロ親父かよ。

 

 

ビッチ子「えーwwwwひ・み・つww」
ウゼエ。板倉「えー、じゃあ高校の時に付き合った人数は?」
ビッチ子「15人・・・ww」
全員「えー???!!!!」
ビッチ子「ビッチ子はモテモテww」俺「何それ・・・ラグビーチームでも作る気だったの・・・?」
ビッチ子「はあ?」なんかムカつかれた。
俺は板倉に膝をツネられた。痛いっす。

 

 

なんか盛り上がっていたが俺は既に酒で頭が痛かった。
少しチューハイを飲んだだけで更に吐き気がする。
俺はトイレに行き吐いた。吐いてからトイレを出た所でタバコを吸う。
もう帰りたい・・・そう思っていた。なんで板倉達はあんな元気なんだ・・・そう思っていると「フクちゃん」と声を掛けられた。

カズミであった・・・

 

 

カズミはいつも俺の名字をちゃん付けで呼ぶ。

俺「ああ」
カズミ「大丈夫?」
俺「無理」
カズミ「フクちゃんお酒弱いもんね」
俺「カズミらは何してたの?今日は」
カズミ「普通に飲み会ww」

ここでカズミの特徴。
顔は普通。髪は茶色でショート。
割と地味な格好を好んでいた。
身長が高かった。俺と数センチしか変わらない。

スタイルは良かったねー。

 

 

カズミ「どうする?ここにいとく?」
俺「外行くわ」俺はそう言ってフラフラしながら外に出る。
そして自販機でお茶を買い飲んで更に吐いた。吐いている時、誰かが背中を摩ってくれる。カズミだった。なんかねーほら、そんな事をされちゃうとね・・・
コイツ俺に惚れてんじゃねーの病が出て来た。
もはや重病だね。

それから自販機の横に座り二人で喋る。
なんか良いwwなんかあれだ、青春だよww

その日は始発で家に帰った。

 

 

翌日か翌々日に大学に行って授業を受けた。
俺結構真面目に授業受けてたんだよ。授業の後に喫煙所でボーッとタバコを吸っていた。
そしたら
「フクちゃん」
と言う声。カズミだった。俺「おう」
カズミ「この前はありがとうwwあ、これカラオケ代」そう言ってカズミが俺に金を渡して来た。
あの日は板倉が親父さんのカードで支払いをした。

 

 

が、翌日には板倉からの金払えの矢のような催促。
結局、男三人で割り勘だった。俺「いやいや、別にイイよ」
カズミ「良くないよ、はいww」カズミは無理矢理俺に渡して来る。
カズミは良い子だな、やっぱり。俺「カズミは昼飯食べた?」
カズミ「ううん今から」
俺「じゃあ昼飯奢ってよ、それでチャラって事で」
カズミ「え?それじゃ少なくない?」
俺「良いからww」

また俺の格好付け病が始まった。

 

 

昼飯をカズミと学食に食べに行く。
が、昼時で学食は人でごった返していた。カズミ「一杯・・・」
俺「ああ、もう昼飯パンで良いわ俺」俺がそう言うとカズミが
「ねえねえ、フクちゃん昼から授業は?」
俺「いや、まあ有るけど出なくても問題ない」
カズミ「ホント?じゃあお昼外で食べない?」マジ?マジ?え?マジ?
俺はドキドキし始めた。

 

 

俺らは学校から出て近くの繁華街に向かう。

カズミ「ねえねえフクちゃんは何が食べたい?」
俺「え?いや、なんでも良いよー」

俺は照れていた。
何度か学食では女の子と二人で食べた事が有るが、わざわざ街に出てご飯を食べるのは初めてだった。

カズミが俺の脇腹を指で突く。
カズミ「なんでも良いは困るのww決めてww」
俺「じゃあ・・・ラーメン」
カズミ「OKwwじゃあラーメン行こうww」

俺らはラーメンを食べた。

 

 

ラーメンを食べ終わった後にカズミが

「ねえフクちゃんボーリング行こうww」

ボーリング・・・
そうそれは俺は男としか行った事が無いもの・・・
まさか女の子と行く日が来るとは・・・

ボーリングをしましたよ。
ストライク取った時もハイタッチをしましたよ。
なんかもうね、最高に楽しかった。

 

 

家に帰った時にカズミからメールが来た。

「今日は楽しかったね、またナイショで二人でボーリング行こう」

みたいな感じのメール。
俺はそのメールを保護にしてずっと見続けた。
そしてその晩夢にカズミが出て来た。
カズミと二人で手を繋いでる夢だった。

俺は例によって妄想にカズミが出る様になった。
今まで俺の妄想出演回数No.1はサトミだ。
だが、その日からカズミの出演が多くなる。

現金な奴だな俺は。

 

 

それ以降、
大学でボーッとしているとカズミが後ろから俺の脇腹をチョンチョンと突いてきたり、
サークルの部会後に俺に話し掛けて来たり、
そしてよく目が合う様になる。目が合うとカズミは目を逸らさない。
ニコッと笑う。

 

 

ある時、サークルで旅行の計画があがった。
夜にカズミから電話があり、喋ってた。カズミ「フクちゃんどうする?旅行行く?」
俺「うん、多分行く」
カズミ「あ、そうなんだ、フクちゃん行くなら私も行こうかな・・・」そう言われた。
俺はカズミの気持ちを完全に分かっていた。
フフフ、モテる男は困るぜ・・・

 

 

サークルでも俺とカズミがジャレ合っていると他の男から言われる

「お前ら付き合ってんの?どうなんだよww」
とね。

俺「いやいや、まあ良いじゃんww」

スマン。一度言ってみたい台詞だったんだよ。
基本モテない子なんで許してやって下さい。

 

 

俺は板倉達に実質自慢の恋愛相談をする。

板倉「早くセックスしろ」
俺「いや、そーいうんじゃ無いからww」

何がそーいうんじゃ無いんだよ。

板倉「は?」
俺「いや、どーしよかww付き合ってやった方が良いかなーww」
森君「なにその上から目線」
板倉「良いからさっさっとセックスして来い、そんで森君に盗撮して貰うから」
森君「良いよ、綺麗に撮ってやる」

俺「いやーアイツと俺はな・・・そーいう感じじゃ無いんだなー」
板倉「なんなんだよお前は・・・」

俺ちょーウゼー。

 

 

実際にね。
俺はカズミと付き合いたかった。
「お前サトミはどうしたんだよ」
と言われそうだが、
モテない男はフラグが立てば付き合いたいと思うだろjk。でも俺は今一歩踏み出せなかったんだ。
もしカズミは単純に俺の事を友達として好意を抱いているだけなら・・・
そんな怖さがあった。モテない男は目の前のフラグに疑心暗鬼になる。
そしてそれを見逃すから更にモテない。
モテないスパイラルだねー。

 

 

サークルの旅行に行く事になった。
予定は二泊三日だった。
まあ、旅行は普通に楽しかった。だが、カズミが話し掛けて来ない。
俺がカズミの方を見ても女の子達と喋っている。
普段なら目が合う筈なのに・・・俺は・・・
俺は・・・
欝になった。

 

 

飲み会の際にワザと一気して注目を浴びる様にする。
周りは盛り上がるがカズミをチラリと見ると・・・
見てない。俺は厨二病患者らしく一人で旅館のベランダで夜空を見ながらタバコを吸ってみた・・・
見てない。俺はラブコメ漫画に有りがちな感じで
「なんなんだよ・・・そっちがその気なら・・・」
とか呟いたりもした・・・
キモッ。

 

 

だが、カズミは俺を無視。
もう俺は旅行中ずっと欝だった。
板倉の言う様に早く仕留めれば良かった・・・後悔が胸に押し寄せた。
あー俺の人生後悔ばっかで全然学習しねー・・・最終日に新幹線の時間までアスレチックが有る簡易的な遊園地で過ごす。皆で釣堀で釣りをする事になった。

 

 

最初のポイントで釣れなかったので、皆が移動する。
俺は動くのが面倒臭く釣りも好きじゃ無いのでそのまま、最初のポイントで釣る事にした。誰かが「福田動かねーの?」
と聞いて来た。
俺「あ、良いよ俺ここで釣るわ」そう言って一人で残った。
みんなは対岸に行き釣りをしてる。
「はあー」
俺が溜め息をついていると、隣に人の気配がした。カズミだった。

 

 

俺は思わず焦った。
何故か逃げようとした。だが逃げるのも変だし・・・
しばらく二人で黙って隣り合わせで釣りをする。俺の頭の中では目まぐるしくコンピューターが動いていた。
なんで?なんでカズミはここに残った?
何これ?え?ドッキリ?俺のコンピューターは役立たずなんの答えも出さない。

沈黙に耐えれなく成った俺は・・・
カズミに話し掛けた。

 

 

俺「てか、釣れんなー」
カズミ「・・・うん、そーだね」俺「カズミは・・・向こう行かないの・・・?」
カズミ「うん・・・ここで良い」
俺「あ、そう・・・」会話が続かんカズミ「・・・フクちゃんがいるから・・・」

え?

俺は心臓がバクバク。

なんだって・・・?

その時、俺の竿の先の浮きが動いた。
そして、凄いアタリが来た。

 

 

俺「ぐわあー!!来たー!!!」
カズミ「え!!!うわ、大丈夫?フクちゃん!!!」
俺「ひいいいい!!!」俺はなんとか竿を立てる。
俺は釣りは好きじゃ無いが、一ヶ月間釣り人を相手してたので要領は分かる。俺「カズミ、タモ取って!!」
カズミ「タモ?」
俺「あ、網ー!!!」カズミがタモを取ってなんとか引き上げる。

メッチャデカイ鯉が釣れた。

カズミ「すごーーーーい!!!!」

カズミが嬌声をあげた。

俺ら二人は大興奮していた。

 

 

鯉を釣り上げたので、釣堀のオッサンから釣堀回数券を二枚プレゼントされた。

てか、俺ら地元じゃ無いんですけど・・・

そこからは俺とカズミは普通に会話する様になった。
前みたいにじゃれ合う。
旅行は最後に来て楽しくなった。

 

 

帰りの新幹線は旅行会社のミスかなんかは知らんがダブルブッキングになり、
団体指定席が取られて無かったんだ。車掌さんが空きを探してバラバラに座らされた。俺は何故か一人ぼっちで隣に婆さんが座っていた。
婆さんは仕切りに俺に話し掛ける。
まあ、良いんだけどさ、他の奴らは比較的固まって座ってるから楽しそう。しかも俺だけ別車両で一人。
婆さんは次の駅で降りた。
俺はホッとして一人目をつぶってウォークマンで音楽を聴く。

突然、俺の耳からイヤホンを抜かれた。

「何聴いてんのww」

カズミだった。

 

 

俺「ドラゴンアッシュ」
カズミ「私も聴いて良い?」
俺「絶対ヤダww」
カズミ「えーーww」
俺「嘘だよww良いよww」カズミは俺の隣に座り一緒に音楽を聴く。
窓の外に景色が凄い速さで通りすぎていく。イヤホンを二人で付けると自然肩を寄せ合う形になった。カズミ「お腹減ったねww」
俺「だなぁ」
カズミ「帰りにご飯食べて帰らない?」

その言葉に俺はカズミを見た。

 

 

俺「なあ」
カズミ「うん?ww」俺「なんで・・・喋ってくれなかったの・・・?」俺は何を聞くんだ、そう思った。カズミは少し下を向いた後に背もたれに頭を乗せて、
顔だけを向けて俺を見つめた。

カズミ「・・・諦めようかな・・・って思って・・・でも・・・無理だった・・・」

そう少し悲しそうな顔で言う。

俺は心臓が爆発するかと思う位、鼓動が激しかった。

 

 

そしてゆっくりカズミがひじ掛けに置いてる手を握った。

カズミも俺の手を握り返す。
周りの乗客は眠っていた。
誰も俺らを見てない。

背もたれに乗せている頭を俺は少し動かしてカズミの方に顔を向ける。

カズミも背もたれに乗せながら伏し目がちにゆっくり顔を動かして・・・

俺らはキスをした。

生まれて初めてのキス。

それは軽い唇を合わせるだけのキスだった。

 

 

唇を離した後にカズミが俺に照れた様に笑いかける。

カズミ「・・・これってさあ・・・良い・・・の?」

俺「うん・・・付き合ってくれ・・・!」

俺がそう言うとカズミは笑う。

俺らは再びキスした。

 

 

旅行から帰って俺はすぐに板倉達に報告したww

板倉と森君はニヤける俺にコブラツイストと四の字固めをかける。
でも俺は全然平気だった。

ちなみに板倉は大学に入ってすぐに彼女が出来初体験を済ませました。
森君は高三の時に別の女子高の子と付き合っていた。

この時がちょうど大学一年の秋でした。
俺が一番遅かったねww

 

 

翌日の朝、カズミからメールが来る。

「おはようダイスキ」

みたいなメール。

俺に彼女が出来た・・・それを実感した。

毎日学校で会って一緒に帰る。
土日は必ずどこかへ出掛けた。
当初はそれで幸せだったが、俺の中で出て来た欲望がありました・・・

脱童貞だった。

 

 

俺はこのミッションをクリアすべく、俺の部屋にカズミを呼んだ。

部屋には板倉達が壁一面に長い紙に
『頑張れ福田穴を間違えるな!』
と言う言葉が書かれていた。

カズミが固まっていた。
俺は慌てて紙を破りごみ箱へポイッ!

俺「ハハハ・・・ちょっと友達が・・・」
カズミ「う、うん・・・ww」

気を取り直して一緒にDVDを見た。
ベッドに腰掛けて二人並んで見る。

俺は凄く緊張していたのを覚えている。
ゴムを隠した位置やどうやってセクロスするかをシミュレーション・・・大丈夫イケる・・・!

 

 

見終わった後にカズミが料理を作ってくれた。
もうすっかり夫婦気分だったwwその後お酒を飲んだ。
何を喋っていたかは忘れた。ただ俺らはキスしまくった。
もちろんベロチュウ。そして俺は鼻息荒くカズミをベッドに押し倒した。
そしたらカズミが

「・・・フクちゃん」

そう言った。

カズミ「フクちゃんは・・・初めて・・・だよね?」

そう言われてドキッとした

 

 

が、隠しても仕方ないので頷く。

カズミ「ゴメン・・・私は初めてじゃ無くて・・・ゴメン」

そう謝って来た。
俺は首をふる。

俺「良いよww俺はそんなん気にしない」

ぶっちゃけ凄く気にしたよ。
でも仕方ないしね。

俺らは抱き合った。
初めて見る女の子の裸に興奮した。
オッパイ柔らかい。
首筋良い匂い。

ゴムが上手く付けれない。俺は焦った。
かなりの格闘の末に装着。

が、俺の息子がグレた。萎えている。
また更に焦るが立たない・・・orz

 

 

俺「ゴメン・・・」

そう言うとカズミが
「大丈夫だよ・・・気にしないでww」
そう言ってくれて嬉しかった。

しばらく二人でベッドの中で喋りながらカズミの体をまさぐっていると・・・

息子が更正した。
「父ちゃんゴメン、俺頑張るよ」
そう頼もしく語りかけているかの様だった。

俺は無事初体験終了した。

ちなみにその日は朝まで四回しました。

 

 

俺らはそれから会えばセックス。
猿みたいwwでも二人で色んな所に遊びに行った。
下らない嫉妬をしたり、されたりして喧嘩もした。でも幸せだったな・・・これが大学一年の時の話です。

これから本編の大学二年の時の話に入ります

 

 

カズミと付き合いだした俺は心に余裕が持てる様になった
彼女がいない時は
「モテない」
の一言に結構ムッとしてたのですが、そんな一言もヘッチャラに成った自分がいたもちろん板倉と森君とも相変わらずの付き合いがあった
だが、ひとつ違うところは、板倉や森君と彼女を交えた付き合いをする様になってきた事だった

 

 

中学や高校時代の俺たちには考えられない事態になっていた

そして、俺は妄想癖が段々少なくなってきた
リアルが充実してたら妄想をする意味が無いからだろうか

そして、それに伴いサトミへの想いが無くって来たのだろうか?

カズミに対して俺は誠心誠意付き合った
想いも本当だったと思う

だが、俺にはカズミに秘密にしている事があった
俺の部屋の奥底には、未だに有ったんだよ

渡せなかったラブレターが
色あせてしまったラブレターが

 

 

大学二年になり、あっと言う間に春が過ぎた

本当にあっと言う間だった。そして季節は梅雨を迎えた

俺はある日一人で街にいた
確かカズミがバイトを終わるのを待つ為に一人でブラブラしていたと思う

本屋に入った。
そこで適当に雑誌を見ていた

 

 

顔を上げて欠伸をした時に、俺の前を何かが過ぎった


なんだ?

何かが俺の脳に引っかかりを見せた
なんだろう?

俺は雑誌を見ていた顔を再び上げて本屋の窓から見える風景を見た

人混みが目の前にある

その人混みの向こうに・・・見覚えのある姿があった

サトミ・・・・・?

 

 

俺は慌てて雑誌を直して、本屋を出た
そして、さっきサトミを見た場所を探す自分でも意味が分からなかった
何故今更サトミを探すのかだけど体が反応したんだよ
俺は・・・未だに・・・サトミの影を追っていたのかもしれないなんか少し綺麗な表現が続くねww

 

 

でも、サトミの姿はいくら探しても無かった
見間違いかも知れない俺は、再び本屋に入り先ほどの位置で窓の外を見る
サトミの姿は見えないやはり見間違いだったのか?
だが、俺は何故かサトミがいた周辺を探すそして、近くの駅の方に歩く
いない。今度は駅とは逆の方向を探す。その時は最早走っていた

サトミの姿を探し回った

 

 

俺は汗をダラダラかいてサトミの姿を探し回った
だが、見つからない。その時携帯が鳴っているのに気が付いたカズミ「もしもし」
俺「おう・・・」相手はカズミだったカズミ「何回かけても繋がないけど、何してたの?」
俺「え?マジ?全然気が付かなかった」
カズミ「もお・・・バイト今終わりました」
俺「あ、お疲れええっと・・・」

俺は気が付くとカズミのバイト先から全然違う場所にいた

 

 

俺「ごめん、ちょっと買い物してたら・・・なんか全然違う場所にいるわww」
カズミ「何してんの?」
俺「すぐ行く」
カズミ「徘徊老人みたいだね」
俺「飯はまだかのお」
カズミ「ハイハイ、んじゃ待ってるから」俺はマジで何してたんだろ

 

 

その日はカズミと飯を食って、俺の家に行った
そしていつもの様にセクロスけどね、俺は本当にカズミに申し訳無いんだが・・・心ここに有らずだった
俺は、カズミと普通に喋ったり、セクロスしたりしながら・・・サトミの事を考えていた
ずっと頭から離れなかった

 

 

確かその翌日だったか、夜中に森君が一人で俺の家に来た

森君は家にケーブルテレビを引いたらアニメを見すぎて大学に行けないとぼやいていた
知らんがな

俺「森君さあ」
森君「うん?」
俺「あの・・・高2の時に出会ったさ、女の子達覚えてる・・・?」
森君「高2・・・あの海の時の?」
俺「そうそう」
森君「あの俺がモテモテだった時の・・・?」

何故か森君の眼鏡がキラリと光った

 

 

俺「それは・・・どうか覚えてないけど・・」
森君「いや、俺はモテモテだったよ」なんでそこを強調する俺「なんでも良いけどさ、あの子らの連絡先覚えてる?」
森君「うん?どうしたの?なんで?」
俺「あ、いやさ・・・」俺は森君にサトミらしき姿を見た事を伝えた

俺「だからさ、石原がどこの大学に行ったかをね、聞きたいんだよ・・・ひょっとしてさ、この近辺の大学かも知れないじゃん」

 

 

俺がそう言うと森君は頷いた。だが・・・

森君「で?」
俺「え?」
森君「それ知ってどうすんの?」
俺「あ、いや・・・」
森君「カズミちゃんは?」
俺「・・・うん?」
森君「福田君の彼女は・・・カズミちゃんだよね?」

あんた正論だよ

 

 

森君「もうさ、忘れちゃいな。カズミちゃん良い子じゃん」
俺「うん・・・」俺も胸がズキンと痛んだだがね、俺は最低な奴かも知れないが
サトミの居場所を知りたかったひょっとして近場の大学にいるかも知れない
その思いが強くなっていた

この時は森君は固いなー
そんな馬鹿な事しか思わなかった

 

それからの俺は再び妄想にサトミの姿を出す様に成ってしまった。

カズミとデートをしていても、これがサトミなら・・・
と考える様に成ってしまった。
本当に俺は最低だ。
ある日カズミに言われた。

カズミ「最近さあ、なんか・・・隠して無い・・・?」
そう言われた。
俺は焦った、分かりやすい奴だったと自分でも思う。

俺「ええ?ああ・・・そうか・・・?」
もう何言ってんのよ俺・・・

 

 

俺はなんで自分がこんなにサトミにこだわっているかが分からなかった。
所詮初恋の相手じゃないか・・・そう頭では分かっていた。この時の俺はマジで病気だよ。
街に行くと辺りをキョロキョロする。
なんかテレビで街の風景を映す時もサトミの姿を探し出す。キモい、て言うか怖いです。

 

 

ある日の事だった
いつもの三人で居酒屋に行って酒を飲んだ。店を出て家に帰る途中だった。
俺は酔ってサトミの話をした。板倉「お前マジストーカーだわww」
俺「ストーカーじゃねー!純愛だ馬鹿」
板倉「イタいww」そんな話をしている時にずっと黙っていた森君が口を開いた。
森君「良い加減にしろよ」
そう呟いた。

俺「な、なんだよ・・・」
森君「石原さんは昔の話だろ???いつまで引っ張ってんだよ???」

 

 

俺「いや・・・いつまで、つーか・・・」
森君「良いか?石原さんは福田君の告白になんの返答もしなかった人だぞ???そんな奴の事なんかどうでも良いだろうが!!!!」森君は正論を吐いた。板倉「うん、そうだね」板倉が曖昧な表現をした。少し焦った顔をしていた。

 

 

俺「いや・・・でも、それはなんか理由があんじゃねーの?」

俺はイライラして来た。

板倉「あ、それも有るかもね」
森君「理由てなんだよww石原さんはそんな人なんだよww」
板倉「かもな・・・」

俺はイライラがマックスに来た。

俺「お前が石原の何を知ってんだよ!!!」
森君「お前こそ表面だけだろうが!!!」
板倉「まあまあ・・・アイスでも食わね?」

俺「あん???!!!」
森君「所詮は石原さんに騙されてたんだろ!!!」

俺はキレた。
森君の顔を殴った。眼鏡が吹っ飛ぶ。

 

 

板倉「ちょ、ちょお前は・・・いきなり殴んな!」

板倉がなんか慌ててた。
よろけた森君が体勢を整え直して俺を殴り返して来た。

口の中に血の味が広がった。
俺らは取っ組み合い、道端で転がり出した。

板倉「よし!!!よし、もう良いぞ!!!ほら!アイスいる奴!奢ってやる!」

板倉が声を上げるが俺らは止まらない。

 

 

俺がマウントポジションを取った時に森君が叫んだ。

森君「石原、石原って・・・お前の彼女は・・・カズミちゃんだろうが!!!!!」

その言葉に俺の目の前にカズミの姿が浮かんだ。
そして一瞬動きが止まる。
その瞬間に森君が俺の体をどかせた。
俺はそのままその場に座り込んだ。

森君「自分の彼女がどんな気持ちか考えずに・・・勝手な事言うな!!!!」

俺はその場で何も反応出来ずにただ座り込んでいた。

 

 

森君はそのまま舌打ちだけしてその場を離れる。

板倉は慌てて森君の名前を呼ぶが森君は反応しない。

板倉「うわ・・・なんか青春ドラマみてぇ」

下らん感想を言い出した。

俺「・・・お前も行けよ・・・」
板倉「うわ、その台詞も青春ドラマみてぇ」
俺「うるせーな!早くどっか行け!!!」
板倉「ハイハイ・・・次会ったら、こんなもんじゃ済ませないからな!」

なんでお前がその台詞を言うんだ・・・

 

 

俺は通行人の目を気にしながら立ち上がった。

痛い・・・口を切ってた。
でももっと痛いのは・・・

俺の・・・胸だった・・・
詩人でスマン

俺はすぐに家に帰る気に成れずに一人で牛丼を食べて帰った。
家に帰ると鍵が開いていた。
部屋ではカズミがテレビを見ている。
この頃には俺はカズミに鍵を渡していた。
板倉と森君は勝手に合い鍵を作ったけどね。

 

 

カズミは俺の顔を見るなり少し笑った。

カズミ「男前に成ったねww」
俺「生れつきだっつーの」

カズミはバンドエイドを手に取り俺に貼る。

俺「用意が良いな」
カズミ「でしょう?私予知能力があるからww」
俺「宝くじ当ててくれい」
カズミ「さっき板倉君が家に来てバンドエイド置いて行ってくれたよww」

板倉・・・少し泣きそうになった。

 

 

カズミ「森君と喧嘩したんだって?」
俺「まあ・・・」俺は少しドキドキした。
まさか、サトミの事とは言えない。カズミ「原因はラーメンの豚骨か醤油で揉めたんだってね」
板倉さんアンタ何言ってんの・・・俺「うん、まあ・・・」
カズミ「馬鹿じゃないの?」

まあね。俺は黙り込んでいた。

カズミ「で、フクちゃんは本当はどっちが好きなの・・・?」

はい???俺の額から冷や汗。

 

 

俺「え・・・?」

カズミはキョトンとしてる。

カズミ「ラーメン。豚骨と醤油」

ああ・・・ビックリしましたよ。

俺「そりゃ豚骨細麺っしょww」

カズミは鼻で笑うと
「馬鹿じゃないの?」
と言っていた。確かにね

俺は申し訳無い気分で一杯であった。
その晩俺はイロイロ冷静に考えた。

結局は・・・俺が全面的に悪かったんだ。

 

 

翌日、俺は学校をサボり森君の学校まで行く。

そして森君に電話した。
森君はすぐに出た。

森君「・・・もしもし」
俺「口痛くね?」

俺は突然そう言った。
森君はちょっと間を開けた後に
「板倉君よりは福田君の方がパンチ力あるわww」

俺「てか、板倉は弱すぎだしねww」
森君「すぐ泣くしww」
俺「あるあるww」

俺らは笑った。

 

 

俺「なあ、今森君の大学の前なんだけど」
森君「え?何?今度は俺をストーキング?」
俺「うっせーww昼飯食いに行こうぜww」
森君「OK、今行くよww」俺「あ、それからさ・・・」
森君「うん?」
俺「俺の・・・勝ちで良いよな?」
森君「・・・いや、俺の勝ちww」
俺「お前は強情だww」俺らは飯を食いに行った。
本当は「ゴメン」と言いたかったが、なんか気恥ずかしかったんだ。

 

 

次に俺はカズミにメールした

「仲直りした。豚骨醤油が最高と言う事になった」

カズミからの返信
「良かったね。これからも喧嘩したらちゃんと仲直りするんだよ」

俺はもう一個メールした。
「夏休みに二人で旅行行かね?」
カズミ「行きたーい、絶対行く!」
俺「じゃあ、俺の婆ちゃんの家に行かね?んで釣りしよ!海水浴場も側だし」
カズミ「私行っても大丈夫?」
俺「大丈夫。船にも乗せて貰える。イルカを見せてやる」

 

 

俺はカズミ一筋で行く事に決めた。

サトミの影を振りほどく為にカズミをあの思い出の地に連れていく事に決めたんだ。

だけどね

この約束は守られる事は無かったよ。

 

 

6月の中旬だった。
その日は朝から雨が降っていて俺は学校に行くのが面倒臭かった。
出席も取らない授業だし、テストも簡単だったから行かないでおこうそう一旦は決めた。だが、何故かその日に限ってカズミからメールが来て
「お昼ご飯を○○のタラコスパゲティーが食べたい」
と言われた。○○とは大学の近くにあるパスタ屋だった。俺はならば昼前に行こうと思い一旦二度寝してから学校に向かった。

 

 

シトシト雨が降っており、カバンが濡れてウザかったのを覚えている。

いつもの時間と違うので、電車は空いている。

まだ時間があったので、普段乗る事が無い、普通電車に乗った・・・

車内はガラガラであった。

座席の端っこに座りたかったので連結部分に一番近い座席が丸々空いているのを見つけると、
座席に深々と座る。

 

 

目の前の座席には女の子が一人いただけだった

。眠い・・・結構眠ったのに、まだ眠い・・・
俺は寝ようと思い一旦前を向いて欠伸した後に目を閉じて頭を下げた。

目の前の女の子が何故か俺を凝視しているのが、目を閉じる一瞬前に気が付いた。

何だよ・・・

・・・

・・・

 

 

俺は目を開いて顔を上げた

目の前の女の子が俺をジッと見ている・・・
俺も見つめていた・・・

なんかその辺りの記憶が曖昧に成ってる。

俺が声をかけたのか、それとも向こうからなのか・・・

ただ、一つ覚えているのは・・・

目を見開いて凝視していた顔が俺と目が合った瞬間に変わった・・・

サトミの笑顔だけだった・・・

 

 

サトミはまた綺麗に成っていた。

だが、不思議な事にドキドキはしなかった。

それ以上に長い長い旅をした後に、家に帰って来た・・・

そんな安らぎを覚えた。凄く、凄く癒された。

 

 

サトミ「久しぶり・・・」
俺「久しぶり・・・」俺らは隣同士に座り直していた。サトミ「大学・・・?今から?」
俺「うん・・・石原は?」
サトミ「私は、出掛けてた帰り・・・ww」
俺「そう・・・」俺らは顔を見合わせて笑った。

俺「なんで笑うww」
サトミ「そっちこそww」
俺「え?今も実家?」
サトミ「うんww福田君は?」
俺「俺一人暮らしww」

俺らは近況を話した。サトミの大学は某有名大学だった。
昔から天然だけど勉強は出来たんだよな。

 

 

サトミも本当に偶然にこの電車に乗ったそうだ。
いつの間にか俺の大学がある駅に着くアナウンスを車掌が流した。俺「ヤベッ、降りなきゃ」
サトミ「あ、そう・・・」俺は考えるより先に自然に言葉が出た。俺「あ、石原携帯教えてよ」
サトミ「うんww良い?えっと・・・」
俺「OK、一回鳴らすよ」

俺はサトミの携帯を鳴らす。
サトミは何故か電話に出た。

サトミ「はい・・・」
俺「嫌々wwwwww俺、俺ww」
サトミ「あ、そういう事かww」

相変わらず天然だった。

 

 

俺は駅に着き降りる間際でサトミに言った
「電話するよ!じゃあまた!」俺が駅に降りるとサトミは車内から手を振ってくれていた・・・こうして俺達は二回目の再会をした・・・本当に偶然に出会えたんだ・・

 

 

その日俺はカズミとご飯を食べていてもボーッとするかと思いきや、普通に過ごせた。
普通に会話して冗談を言って・・・普通にキスした。だが、完全に頭の中はサトミで一杯だった。その日の晩に家に帰ると俺は早速サトミに電話をしたかった。
久しぶりに電話を前に緊張していた。

そういえば俺は振られたんだった・・・

だが、それ以上にサトミと会いたい・・・
その気持ちが強かった。

俺は携帯を手に取り・・・サトミにかけた。

5コール位後にサトミが出た。

 

 

サトミ「もしもーしww」
声が明るい。俺「あ、石原?福田です」
サトミ「今日はどうもですww」サトミの声だった。三年振りに電話で話す。ドキドキしていた。
緊張じゃ無くてワクワク感の方が強かった。俺らはまたもや近況を話し合った。
そして高二の夏の話題が上がる。

俺は一番聞きたかった事を聞いてみた・・・

 

 

俺「てかさ、なんで電話くれなかったんだよww」

笑いながら、あくまで昔の笑い話ですよ的な感じで明るく聞いた。
俺も少し大人になった。

サトミ「え~???私あの時五回位福田君に電話したよ~」
はい?

俺「マジ???」
サトミ「うん、いつもお祖父ちゃんが出て、『今はいません』て言われたし・・・一応、電話が有った事をお伝えください、って言ったんだけど・・・」

 

 

そうなのか・・・けどね・・・

俺「あのさあ」
サトミ「うん?」

俺「俺んち・・・祖父ちゃんいないんだ・・・」

サトミ「ええ????!!!!」

サトミは多分俺の番号を間違えていたみたいだった・・・
が、

サトミ「じゃ、じゃあ・・・」
俺「うんwwそうだな・・・」

サトミ「・・・幽霊・・・??」

俺はタバコを吹き飛ばした。
相変わらずの天然ぶりで何よりだ。

 

 

なんか、サトミの天然ぶりを感じたら、昔の返事はどうでも良かった。
と言うか聞きたく無かった。
返事を聞くよりサトミに会いたいし、サトミの声を聞きたかった。
ただ側にいたかった・・・俺「石原、今週いつ暇?」
俺は自然に尋ねた。サトミ「バイト辞めたばっかりだから、いつでも暇ww」
俺「じゃあ飯食いに行こうぜww」少しドキドキした。が、

サトミ「うんww良いよwwいつ行く?」
あっさりだった。

 

 

多分翌々日だったと思う。俺はサトミの家との中間地点で待ち合わせをした。
その日はカズミには板倉と飯を食いに行くと嘘をついた。カズミが「楽しんで来てねww」と笑顔で言った事に物凄く罪悪感を感じた。
正直、待ち合わせの場所に行くまで、何度かサトミに中止しようと告げようかと思った。
駅に到着してサトミを待っている間も、後悔が押し寄せ出す。俺は本当に最低な事をしていたんだ・・・
だけど、サトミの姿を見た瞬間にその罪悪感は全て吹き飛んだ・・・

 

 

俺は厨房の頃の俺に戻れた気がした。

サトミ「ゴメン、ひょっとして遅れた?」
俺「いや、俺が早過ぎたwwワクワクしてたんだww」

俺の言葉にサトミが俺を見上げた。

俺「なに?」
サトミ「ううん・・・福田君なんか大人に成ったね・・・」
俺「だろwwピーマンも食べれる様に成ったよ」
サトミ「バカww」

なんか凄い自然だった。二人でダイニングバーに入る。お酒を飲んで飯を食べる。
昔話に花咲いた。

 

 

サトミ「中学の時、お酒飲んだねww」
俺「あ、石原が酔っ払って酔拳を使って板倉を倒した時だな」
サトミ「してないしww」俺「でも、あん時、石原酔っ払ってたな」
サトミ「福田君も潰れてたじゃん」
俺「あん時さ、帰りに俺、石原と手を繋いだよね?」
石原「・・・覚えてない・・・///」なんかサトミが照れた。

 

 

時間が忘れる位俺達は喋った。
帰りにサトミの家まで送る。
俺はサトミに言った。俺「なあ」
サトミ「はい?」
俺「今度の土曜日、映画行かね?」サトミは少し人差し指をアゴに当てて考えていた。俺は一瞬弱気に成ったが押す。俺「いやいや、重く考えるなよwwただ、男女二人きりで映画館と言う暗闇に行くだけだよ・・・ドキドキしながらww」
サトミ「重っww」

二人で笑った。

 

 

サトミ「違うの、土曜日はバイトの面接があるから、出来れば・・・日曜日にして欲しいの・・・」
俺「分かった、じゃあ日曜日でww」
サトミ「大丈夫・・・?」俺は一瞬カズミとの約束を思い出した。だが、それは土曜日に変えてもらおう俺「全然大丈夫!」俺らはその約束を交わすと家に帰った

 

 

この頃の福田はサイテーだな
やったもの勝ちを肯定しない森君は特別立派なわけじゃない、ごく普通だよね

 

 

サトミに会う前日の土曜日にはカズミと会った。

カズミに対して会うまでは罪悪感で胸が押し潰されそうだったが、会うと普通に過ごせた。
なんならいつもよりもテンションが高かった。

時折、サトミの顔がチラつくがそれは夢の中の出来事みたいであった。

カズミ「明日はどこ行くー?」
そう聞かれて俺は「ゴメン、明日は急遽バイト入った」そう口から出まかせを言う。

カズミ「じゃあ待っとく?」
俺「いや、その後バイトの奴らと飲みに行く」
カズミ「そっかあ、じゃあ私は家でゲームしとくかww」

その答えに俺は正直ホッとしていた。

 

 

翌日、俺はサトミと映画に行った。
その日は最初から罪悪感を感じなかった。それよりサトミと映画に行ける事が嬉しかった。
まあ、最低ですね。映画館に入ると一個のポップコーンを二人で食べた。サトミの隣に座った時、サトミから良い匂いがした。
俺はめちゃくちゃトキめいた。

 

 

正直映画の内容は覚えてない。
俺はずっとサトミの姿を隣で感じている事で満足だった・・・映画の後に遅めの昼飯を食べた。
昔はサトミとこうしてデートをする事を夢見た事が実現されていた。大人に成るとご飯を二人で食べる事が簡単に成るんだな・・・
俺はそう痛感した。昼飯を食べた後に、ショッピングモールに行きブラブラする。

 

 

ふと、目の前にかき氷の幟が見えた。

俺「なあ」
サトミ「うん?」
俺「かき氷食わね?」

俺がそう言って笑う。

サトミ「うん・・・ww二度目だねww」

そう言って二人で笑った。俺はブルーハワイをサトミはイチゴ。

サトミ「見せてww」
俺「あ、やっぱり見られます?」

そう言って舌を見せる。

サトミ「アハハハwwwwwwあおーいwwwwww」

サトミはツボにはまり笑う。何が面白いか六年経っても分かんね。

 

 

その後近くのアミューズメントパークに行った。
二人でゲームして遊んだ。て言うか、これって完全にデートだ。サトミはどんな気持ちで今、俺と居るんだろう?
好意を持ってくれてるんだろうか?
サトミは彼氏、または好きな人が居るんだろうか?まあ、居たら俺と二人で出掛けんか・・・そう思った時、俺は自分を省みた。

 

 

あれ、俺は彼女いる。

俺の中で一瞬モヤモヤした。カズミの顔が浮かぶ。

が、サトミの笑顔を見てそれを打ち消した。
なんだろうね、あの時の罪悪感と高翌揚感。

もの凄く悪いと思っている自分がいて、スリル感とサトミを好きだ・・・
と言うドキドキ感。自分でもよく分からなかった。

サトミが笑顔に成れば成る程嬉しいんだけど、罪悪感が出て来る。

まあ、今思うとさあ、お前モテない癖に何調子に乗ってんの?て感じだね。

 

 

正直その訳の分からない気持ちに苛まれてからは、楽しめ無かった。

サトミを家に送っていく最中にサトミから言われた。

サトミ「なんか・・・」
俺「うん?」
サトミ「・・・何でもない・・・」

サトミも薄々気が付いてたんじゃないだろうか・・・

サトミと次の約束も交わさずに俺は家に帰った。

 

 

家に帰るとカズミが家にいた。

俺は一瞬焦ったよ。

カズミは俺の部屋で片付けをしていた。
カズミ「お帰りぃ」カズミがそう笑顔で言う。

俺「何してんの・・・?」
カズミ「うん?片付けだよ、フクちゃん片付けないから・・・」
俺「いや・・・いいよ」

俺は少し耐えれくなって来た。
辞めてくれ・・・

カズミ「え?なんで?ちゃんと片付けしとかないと、またアレがないーとかフクちゃん言うじゃんww」

そう言っていつもの笑顔で俺を見る。

 

 

辞めろ・・・
マジで辞めてくれ・・・吐き気がして来た。俺「ちょっと、タバコ買い忘れた・・・」俺はそう言って外に出た。出る時にカズミに「気をつけてねーww」と言われ余計に吐き気がした。

俺はコンビニでタバコと飲み物を買った後に近くの公園でタバコを吸った。

 

 

俺は最低な事をした・・・本気でそう思った。

カズミに対しても、サトミに対しても最低な事をしていた。
なんか調子に乗ってた。

俺は夜空を見上げる。

カズミは冴えない俺を好きで居てくれた・・・

そして何故か会った事がないカズミの親を何故か思った。

カズミの親はカズミを一生懸命育てた。

なのに、その恋人はカズミに対して不誠実な事をしている。

 

 

そう思うと、俺は猛烈な吐き気に襲われてベンチの裏に吐いた。

相変わらず胃腸が弱い。

俺は誰かに殴って欲しかった。罵倒されたかった。

だが、カズミに事実を言う度胸も無かったんだ・・・

それからの俺はサトミに会わずに居よう・・・そう思った。

 

 

だが、サトミの事が頭から離れない。
カズミと電話しても会ってもサトミの事を考える。サトミに会いたい・・・
会って話がしたい・・・
なんで出来ないんだ・・・そう思い一瞬カズミに腹を立てる。お門違いも良いところだ。だが、そのムカつきも一瞬だけで、そんな事を思った俺を自己嫌悪する。

と、同時にカズミに対して申し訳なく思い泣きそうになる。

 

 

俺はセクロスもしなかった。
一回カズミから求められて、セクロスしようとしたが立たなかった。だが、それでも毎晩携帯を握りしめてサトミに電話しようか迷う。
二時間位そのままで迷う。なんか俺は精神的に少しヤバかったと思います。ある日、俺は我慢できずに・・・サトミに電話をした。

一回だけ・・・ただの女友達に掛けるのと一緒だ・・・

そう自分で言い訳しながら電話した。

 

 

呼び出し音が永遠に思えた。
このまま出ないで欲しいとめ思った。出た。電話が繋がった。その瞬間涙が出そうになった。サトミと話している・・・

その思いが俺を満たしてくれた。

何を喋ったか覚えていない。ただ俺の気持ちは安らいだ。

 

カズミと別れれば良いじゃん。
その通りだった。
俺も毎日それを考えた。カズミからの「いつ旅行に行く?」と言う言葉がすごく辛かった。
俺は本当にカズミと旅行に行くのか?そう思いだしてきた。別れようそう思うが言えない。
俺はカズミも好きだった。

生まれて初めて付き合った人、生まれ初めてキスした人、生まれて初めて・・・

まあ、全部言い訳なんだけどね。

俺は別れたく無かった。

 

 

だが、そんな身勝手も続かない。

俺はサトミが好きだ。

このままじゃダメだ。
そう思いながらも

カズミと会って、サトミと電話する日々が続いた。

そんな日々が続き、季節は七月になる。

 

 

俺とサトミのキーワードは今考えると夏なのかも知れない

ある日板倉と森君の三人で俺の部屋にいた。

板倉は俺の押し入れに入り
「ドラ焼きを持って来ない限り出ない」
と言って閉じこもり漫画を読む。

森君は酒を飲んで漫画のヒロインについて延々と壁に向かって語っている。

俺の中で、一番下らなくて、安らげる時間がこの三人で会う事だった。

俺は板倉と森君にこの自分の思いを聞いて欲しかった。
だが、俺は二人にサトミと再会した事も言ってなかった。

 

 

俺は怖かった。

この事実を言って、二人が俺から去ってしまうんじゃないだろうか?

最低な俺を見捨てるんじゃないか?

凄く不安だった。

だから聞いて貰いたくても言えない。

そんな思いで押し潰されそうだった。本当に俺は自分勝手な奴だよ

 

 

板倉が押し入れが突然開ける。

板倉「のび太君暑いよ!!押し入れ暑いよ!!」
森君「フラウボウは軽い女だよな」

いつもの様な会話をしていた。

その時、突然携帯が鳴った。

全員がテーブルの上に置いてある俺の携帯電話を見た。
着メロがイエローモンキーの楽園・・・

サトミだった。

 

 

一瞬出ようか出まいか迷った。
だが、出たらまずい、そう思い放って置いた。板倉「おい、電話だぞ」
俺「ああ、だな・・・まあ良いや」これでスルーされる・・・そう思ったのだが、
板倉の野生の勘なのだろうか、しつこい。板倉「出ろよ」
俺「良いって」

そうこうしている内に電話が鳴り止んだ。

板倉「誰なんだ?」
俺「さあ?」
森君「イエモン懐かしいねー」

 

 

板倉「なんで出ない?」
俺「え?何が?」板倉「森君!!!」
森君「おう!!」森君が立ち上がり携帯を取ろうとする。
俺は素早い動きで森君の手に側にあったボールペンを投げつけた。それは森君の手にヒット!

森君「いたっ!!」
俺「あ、ごめん、手が滑った」

 

 

板倉が動いた。
俺はその動きを見逃さない、板倉の前に足を出す、
板倉がコケた。俺はその隙に携帯を取った。板倉「おいおい・・・兄さん・・・怪しさ満点だな・・・」板倉はそう言ってゆっくり立ち上がる。
森君も手をさすりながら俺を見据える。

俺は携帯をズボンのポケットに入れて

逃げた・・・

 

 

まずは森君が俺に突進して来た
俺はそれを避けながらベッドの上に逃げた。が、そこには既に板倉が待ち構える
「あめえ・・・!」
板倉がそう言って不敵に笑った。が、俺は板倉の脇腹をくすぐった。板倉「いやwwいやwwだめえええええ」

板倉が倒れた。
が、森君がベッドの下で首をゴキッと鳴らしながら俺を待ち構えていた。

森君「本気・・・の様だな・・・!」
俺「・・・」
森君「見せてやろう・・・我が奥義を・・・」

森君が鶴の舞をしだした

 

 

それに目を取られている隙に後ろからあっさり板倉に捕まった。

そして携帯を没収。

俺「辞めろって!!!!マジで!!!」
板倉「さてと」

そう言って携帯を開ける。

俺は観念した・・・潮時かも知れない・・・俺は思った。

だが、同時に二人からこれで見放される・・・そう思った。
泣きそうになっていた。

 

 

板倉「さてと、誰?これ?」
俺「・・・・石原」
板倉「え?」板倉と森君は顔を見合わせた。板倉「え?マジ?」
俺「・・・マジだよ」
森君「え???本当に???」俺「俺はこの前石原と再会した・・・で、俺は・・・」

そう言い掛けて途中で止めた。
二人がジッと俺を見ている。

言いたくない・・・でも・・・言おう・・・

これで・・・恋人も・・・親友も無くす・・・

 

 

俺「俺は・・・カズミを裏切って二回、サトミと会った・・・そして今も電話をしている・・・」

俺はそう言った瞬間に・・・涙が出た。

板倉と森君は黙って俺を見ていた。

俺「俺はカズミを裏切ったから!!!だから反省して・・・サトミとの連絡を辞めようと思った!!!でも辞めれなかった!!!」

俺は叫んでいた。

自分勝手に・・・カズミが一番傷ついてるのに・・・俺は泣き言を言っていた。

そして、俺は震え出したんだ。二人に見捨てられる怖さを思い。

本当に情けない、そして最低だ

 

 

板倉「お前さあ・・・」

板倉は俺の前で座る。

板倉「なんで俺らに言わないの?」

俺「・・・・怖かった」

板倉「は?」

俺「お前らに・・・見捨てられるのが・・・怖かった・・・」俺はそう言って泣いていた

その時森君が俺の肩に軽くパンチした。

森君「言わない方がムカつくっつーの」

板倉「今度一人で抱え込んだら甲子園球場のライトスタンドに巨人帽被せて放り込むぞ」

そう言って板倉が俺の頭を叩いた。

 

 

俺は泣いた。

思いっきり泣いた。

森君「お前の好きにやれよ」

板倉「馬鹿じゃねーの泣くなよ、俺らから、それ位の事で逃げれると思うなよww」

二人はそう言ってくれた。

その日に俺は決めた。
ケジメを付ける事を・・・

カズミと別れる事を決めたんだ

 

昔、ドラマや漫画とかで男女の別れのシーンを見る度に俺は不思議だった。

男が別の女を好きになり、まだ好きな恋人と涙の別れをする・・・
そんなに好きなら別れなきゃ良いのに・・・
わざわざ安寧な場所を捨てて新しい恋?
意味分からんわ!

そんな事を考えていた。
まだ子供で人を好きに成ると言うのが、どういう事かを分かってなかったんだ。

 

 


三人で有った日の翌日、
朝起きた時、俺は憂鬱だった。
正直、逃げ出したかった。「好き」と言う言葉と「別れよう」と言う言葉をどちらを伝える方が良いかと言うと・・・正直「好き」と言う言葉の方が気が楽だ。
相手は傷つかないしね。だが、逃げる訳には行かないし、ケジメを付けない訳には行かなかった。

 

 

その日俺は遅めに学校に向かう。
俺は電車に乗る前に逡巡した。
会わずに電話で済ます事が出来ないだろうか・・・?そんな甘えた考えが浮かぶ。
出来ない。
出来る訳がない。どんだけカズミを馬鹿にしてんだお前は・・・電車に乗りながら、別れの言葉をイメトレする。

カズミは別れてくれるだろうか・・・?
罵声を浴びせられるのは構わない。
別れてくれなかったらどうしよう・・・
刺されたりするのかな・・・?

自分勝手な事を考えながら電車に揺られ学校に到着した。

 

 

その日はカズミの授業は昼までだった。
俺は喫煙所に座りカズミを待つ。
アッと言う間に昼休みのチャイムが鳴り響いた。ドキン・・・胸が鳴り、携帯を握りしめる。
案の定カズミからメールが来た。
見ると「どこで食べる?喫煙所?」
いつもの様にメールが来た。俺は立ち上がりカズミを待った。
顔が強張っていたと思う。

 

 

カズミはサークルの奴らと一緒に歩いて来る。
そして俺を交えてサークルの奴らみんなと飯を食いに行く事になった。正直サークルの奴らが邪魔だった。
俺はカズミと別れると同時にサークルも辞めるつもりだった。
別れても同じサークルには居続けられない。やっと昼飯を食べ終わり、みんなバラバラに別れた。俺とカズミ二人だけになった途端に・・・

カズミは押し黙った・・・

まるで俺が何をするか分かっているかの様に・・・

 

 

俺らは黙って歩く。
大学を出て駅まで歩く。
カズミも俺も何も喋らない。ただ黙っていた。駅前の公園に来た時、俺はカズミに言う。俺「ちょっと・・・話をしない・・・?」俺がそう言って公園を指差す。

が・・・

カズミ「ヤダ・・・」

そう答えた。
俺は一瞬へこたれそうになった。
だがここで引いたらダメだ。

俺「・・・頼む・・・少し話を聞いてくr」「知ってる・・・」

カズミが突然そう言った。

 

 

カズミは俺の方を見ずに顔を横に向けて遠くを見ていた。

カズミ「・・・フクちゃんが女の人と会ったり電話したりしてるの・・・知ってる・・・」

俺は殴られた様な衝撃を受けた。

え・・・???

カズミ「もう、それは・・・良い・・・許すから・・・」

カズミはこの日初めて俺を見て、そして笑った。

俺は何も言えなかった。ただ、カズミを見つめていた。

 

 

カズミ「だから・・・ね?もう良いから・・・今まで通り・・・ね?」

カズミはそう言うと携帯を取り出して時計を確認する。

カズミ「あ、バイトの時間・・・また夜に行く・・・その時、夏休みの旅行の話しよ!じゃね!」

カズミはそれだけ言うと走り出した。
俺は何も言う事が出来ずに、一人そこに取り残された・・・

誰かが言った様に・・・女は気付くんだね。

気が付いてないと思ってた俺は馬鹿だった。

 

 

カズミは一人でずっと堪えていた。

俺が自分勝手な悩みでウジウジ悩んでいる間に彼女は一人で堪えていた。

サトミに勝手に安らぎとか格好付けている間、彼女は一人で堪えていた。

親友達に嫌われたく無いと思って一人で悲劇のヒーローを気取っている間も彼女は一人で堪えていた。

そしていつもと変わらぬ姿で俺に接していたんだ

 

 

どこをどうやって家に帰ったか覚えてない。
ただ、いつの間にか俺は家で寝ていた。目を覚ますと辺りは暗かった。
暗い中でテレビの明かりだけ付いている。その前にカズミがテレビを見つめていた。俺「・・・電気付けろよ・・・」

俺が言うとカズミは気が付いて電気をつけながら俺に言った。

カズミ「フクちゃんが寝てたから・・・」
俺「・・・ごめん」
カズミ「謝んないで良いよww」

カズミがそう言って俺の隣に来た。

 

 

カズミ「チュウ・・・」

カズミはそう言ってキスを求める。
俺はそれに応えず、一言呟いた。

俺「・・・ゴメン・・・」

その言葉を聞いたカズミは下を向く。
俺のシャツの裾を握っていた手に力がこもる。
俺らは黙っていた。

テレビのバラエティ番組の中でみんなが笑ってる。
笑うな。
身勝手にそう思った。

カズミ「・・・なんで・・・?」

カズミが呟く。カズミ「私・・・なんかした?ダメだった・・・?」

俺は黙って首を振る。

 

 

そこから二人とも再び黙る。
テレビの笑い声がうぜえ。
みんな市ね。カズミの鼻を啜る音が聞こえて来た。
そして声をあげて泣き出した。
俺はどうする事も出来ずにただ黙っていた。
俺も泣きそうになった。
が、俺は泣いちゃいけない・・・
俺は泣いたらダメだ。
勝手過ぎる。カズミの手が俺のシャツ裾から離れていく・・・俺は言わなければ成らない・・・

ちゃんと言わなければダメだ・・・
言葉に出さないとダメだ・・・

 

 

俺「・・・別れよう・・・」

そう言った。

その瞬間にカズミの涙は止まり・・・
再び泣き出した。

俺「・・・ゴメン・・・ゴメン・・・ゴメン・・・」

俺は狂った様に謝っていた。
カズミはただ泣いていた。何

時間がどれくらい経過したかは覚えてない。
カズミが立ち上がりカバンを手に持った。
時刻は夜の10時を回っていた。

 

 

カズミ「後悔・・・」
俺「・・・」
カズミ「後悔させるから・・・」その言葉に俺は胸が痛んだ。俺「・・・駅まで送る」
カズミ「いらない・・・来ないで・・・」カズミがそう答える。

俺「でも・・・」
カズミ「フクちゃんの・・・そう言う所・・・嫌い」
俺「ゴメン・・・」

カズミはそれだけ言うと家の中にあるカズミの物をカバンに入れる。
俺は借りていたCDをカズミに渡す。
カズミはそれを黙って受けとった。

そしてカズミは部屋から何も言わずに出て行ってしまった・・・

 

 

俺は少し時間をおいて、カズミの後に付いていく。
一応時間も時間なので何か有ったらマズイと思い駅まで後ろを付いていく。カズミは泣いていた。
泣きながら歩いていた。
遠目で暗くて分からないがそれだけは分かった。俺も泣いた。
泣きながら後を付けた。駅の前でしばらくカズミは佇み・・・

涙を拭いて駅に消えて行った・・・

 

 

帰り道、近くの公園で一人ボンヤリする。
家に帰る気になれなかった。
昔と違い自分に酔う気も成れなかった。後悔が胸に込み上げる。とんでもない事をした、という気持ちが沸き上がる。もう一度カズミの元に行ってやり直そうと言う気持ちが出てきた・・・

けどもう遅い。
自分で決めた事だ。今更何を言っている・・・
そう自分に言い聞かせた。

 

 

カズミとこの公園で花火をした事を思い出した。

冬にも関わらず二人で花火をして盛り上がった。

それから色んな思い出が蘇ってきた。

二人で何本も映画を見た。
二人でお酒を飲んだ。
二人でカラオケに行った。
二人でお花見をした。
二人で初詣もした。

全ての時にこんな日が来る事は思っていなかった。

 

 

押し寄せる後悔の波に俺は公園の中を一人ウロウロと歩き回った。

不審者以外何者でも無い。

俺が変わったのはサトミを見てからだ・・・
サトミの姿を追い出してからだ・・・

後悔が続く・・・

でも俺は

それでもサトミが好きだった。

サトミに会いたくて堪らなくなった。

別れたその日・・・にも関わらず・・・

 

カズミと別れた翌日から俺は二日間位家に戻らなかった。

バイトに行って、そのまま満喫に行き漫画を読んでいた。

ふとした時にカズミと別れた事実を思い出して欝になる。

板倉と森君から何回か連絡があったが無視した。

ただ一言、「別れる事が出来たぜい!」と強がりのメールだけを送った。

 

 

テストが終わり俺の家に板倉と森君が酒を持ってやって来た。
俺は二人の気持ちが嬉しかった。
飲みながら他愛もない話しで盛り上がる。二人はカズミの話しを敢えてネタとして振ってきた。板倉「女泣かせww」
森君「女を振るなんて百万年早いww」そうやって弄ってくれる方が気持ちが楽だったんだ。

森君「大丈夫、男女の関係ではよくある事だ」

そう言ってくれた。

 

 

森君「でもさ、石原さんと福田君はさ、もう奇跡だよなww」
俺「・・・そうかな?」板倉「違うな」突然板倉が言った。
板倉はゆっくりタバコに火を付けると呟いた。板倉「まだ二回目の再会だ、二回と言う数字はまだ偶然なんだ、三回続いて、初めて奇跡なんだ。」

板倉は俺を見据える。

 

 

板倉「だが、三回続けば人はそれを最早奇跡とは呼ばない・・・!」

板倉はゆっくり煙りを吐き出すと呟いた。

板倉「それを・・・人は・・・運命と呼ぶ・・・!」

板倉は遠くを見ていた。

コイツは何を言ってんだ?
なんかムカついたので蹴ってみた。

森君もムカついたのか、板倉の肩に何回もパンチを入れる。

板倉「痛い、痛い・・え?なんで??なんで??」

 

 

森君「まあ、飲み給え福田君、そして勢い出せよ!今のお前は自由だ」

俺「うん・・・分かった」

俺はグイグイ飲む。
もう引きずるのは辞めよう。
とにかく前を向こう・・・

板倉はブツブツと「今の良かったんじゃねーの・・・?」と呟いていた

 

 

翌日、俺はサトミにメールを送った。

俺「テスト終わった?俺はいつも通り散々な結果なので10月が来るのが憂鬱です」

サトミから少し間があり返信が来た。
サトミ「難しかったよー。私も10月が憂鬱です」
みたいな返信が来る。

少し緊張していた。
久しぶりにサトミを誘う。
断られたらどうしよう?その思いが強まる。

だが、俺は前を向くと決めたんだ。

俺はサトミに電話をした・・・緊張して来た。

 

 

が、もうコールが鳴っている今切ったら余計おかしい。
サトミは電話に出ると明るい声で「もしもーしww」そう言った。
俺は久しぶりのサトミの声に安らぐ俺「まあ、多分俺の方が石原より不安だなww」

のっけからそう言った。

サトミ「え?なんか有ったの・・・?」

俺はコケそうになった。

俺「嫌々wwさっきのメールの話だよww」
サトミ「あ、あーwwwwwwなんかあったのかと思ったよー」

天然カワユス。

 

 

サトミと話し始めると止まらない。
ドンドン会話が弾む。楽しい。俺は頃合いを見計らって、
俺「なあなあ、テストお疲れ様会やんね?」
サトミ「うん、しよっかww」俺は小さくガッツポーズ。俺「今週の石原の予定は?」
サトミ「んーと・・・あwwいつでも暇だww」

それはそれで二十歳の女の子として、どうなんだろう?
が、俺にしたら超OK。

俺「じゃあ、今日の晩に飲みに行くか?」
サトミ「うんww良いよww」

 

 

電話を切った後、俺は鏡を見る。そして・・・

「好きだ・・・サトミ、付き合ってくれ」

そう呟いてみる。
一人で鏡の前で告白のイメトレを繰り返した。馬鹿だな俺。

夕方になり、俺が考え得る最高のお洒落をした。
そして家を出ようとした時に、ふと何かを思い出して慌てて部屋に戻り押し入れを漁ってみた。

ない・・・ない・・・どこだ・・・

探し物は汚い金属のお菓子を入れる箱に、年賀状に混じって入っていた。

かなり色褪せてしまった・・・

ラブレターだった・・・

 

 

俺はラブレターをポケットに入れて家を出る。

俺の中で厨房の頃の自分が戻った様な気がした。
待ち合わせの30分前に到着する。

厨房の頃の俺より少しゆっくり目に来る事が出来たよ。
それでも早い。サトミは待ち合わせの5分前に到着した。

サトミ「早いねww」
俺「どちらかと言うと、早漏気味なんです」
サトミ「なにそれ?」

下ネタ通じない子なんですよ。

 

 

ダイニングバーに入りお酒を頼む。

急にサトミが頬杖をついて笑った。

サトミ「福田君て、結構お店知ってるねww」
俺「まあ、俺も大人に成った、て事でww」
サトミ「ねえねえ、結構女の子とこう言う所来るの?」
俺「いや、あんまりだよ」
サトミ「ホントー?結構女の子泣かしてるんじゃ無いのー?」

俺はその言葉に一瞬チクリと胸が痛んだ。

 

 

サトミ「福田君モテるもんなーww」

どこの福田の話しだ。

俺「嫌々、もてねーし」
サトミ「嘘だwwどんだけ女の子を泣かせたの?お姉さんに教えなさいww」

そう言ってサトミが俺の手を指先でツンツンして来た。
ちょっとドキドキする。
俺はこの勢いに乗じた。

俺「石原はどうなんだよwwお前モテるだろww」
サトミ「うーん、私?・・・私は・・・」

そう言って俺の顔を見る。

サトミ「ナイショww」
俺「殴んぞww」

なんかそれ以上聞けなかった。全然成長して無い俺。

 

 

サトミと過ごす間は時間の流れを忘れさせる。
気が付くと既に10時近くの時間になっていた。この後はどうしよう・・・?俺はサトミと朝まで一緒にいたかった。
別に体を求めてるとか、そんなんじゃない。ただ、カラオケでもなんでも良い。

ただ二人で笑って過ごしたかったんだ。

 

 

俺はサトミに「カラオケでも行かね?」
そう誘った。サトミ「え?今何時?」
俺「10時」
サトミ「うーん・・・カラオケ行っちゃう時間としては微妙・・・」
俺「そう?」サトミ「その日の内に帰らないとお父さんに怒られちゃう」
俺「厳しいなwwシンデレラ?」
サトミ「そうそうww」俺は残念だけど仕方が無い・・・そう思い店を出た。

 

 

そしてとりあえずサトミの家の方向に向かう為に電車に乗った。
少し込み合った電車だったので、思いの外サトミと密着する。
20cm位の距離にサトミの顔が見える。
俺は自分の口が臭く無い事を祈りながら話しをした。駅に到着して俺はサトミと二人でゆっくりサトミの家に向かう。
俺の家からサトミの家まで時間にして一時間半位。厨房の頃の俺はその距離が果てしない道のりに見えた。
今は屁とも思わない距離だ。

 

 

サトミが話す横顔を見つめる。
空を見上げると夏の夜空が見える。高二の時にサトミと二人で見た夜空と変わらなかった。
俺は再度ポケットのラブレターを握りしめる。
二人で公園に入り話を続ける。二人の会話は尽きない。
このまま永遠に話せるんじゃ無いかと思う程話が続いた

 

 

ふとサトミが気が付いて時計を見た。

サトミ「あ、て言うか福田君時間大丈夫?電車はあるの?」
俺「あ、大丈夫ww最悪石原の家に泊まるからww」
サトミ「お父さんの隣で寝るww?」

二人で笑う。そしてサトミがうーんと伸びをした。
伸びた時にサトミのオッパイの膨らみをガン見していた俺がいた。

サトミ「あー、なんか福田君て落ち着くー」

そう言って俺を見つめる。

 

 

俺をドキドキする。

サトミ「なんか・・・ホッとするんだよね」

何それ・・・え?それ告白・・・?
俺はふと今の状況を見る。これ最高シチュエーションじゃね?

夏の星空の下で・・・男女二人で公園・・・俺の胸のドキドキがヤバい。

虫の泣き声が聞こえて来る。
微かに潮の香りもした。
気持ちがあの夏に戻った気がする・・・

そして、俺が口を開こうとした時に、サトミが先に呟いた。

 

 

サトミ「実は・・・ね」

サトミは真っ直ぐ前を見ながら続ける。

ん・・・?なんだ???

サトミ「福田君と会った日さ・・・」

俺の中でなんか危険な信号が頭に響き出した。サトミは照れた様に俺を見る。

サトミ「彼氏と・・・別れたばっかりだった・・・の」

俺は凹んだ。

サトミ「だからね、あの日福田君と会えて・・・二人で喋って、すごく楽になったww」
俺「そっか・・・うん、それは良かったなー」

これ棒読み文章でした。

 

 

サトミ「ありがとう・・・福田君のお陰で、なんかすっきりしたよww」

サトミはそう言って笑う・・・
俺も微笑み返した・・・・

俺はそのまま夜空を見上げる・・・
てか、これどうしたら良いんだ?

チャンス・・・なのか?それとも・・・?

もう訳が分からなくなって来た・・・
どうしたら良いのか?
俺はテンパって来た。

 

 

そして・・・

俺はタイミングも糞もなく言った・・・

俺「好きだ石原・・・俺はお前が好きだ・・・!」

うわああああああこのタイミングで言うかああああああ??????
なんだそれ?????

俺がそう言った後に、サトミは目をパチクリとさせた。

 

 

俺はもう後にも引けずに再び言う。

俺「俺は実は彼女がいた、けど別れた。石原と再会したから・・・俺はお前が好きなんだ・・・好きなんだよ、ずっと好きだった。もう最初にお前が消しゴムを半分くれた時から!!」

一気にまくし立てる。

てか、俺キモい。なんだそれは。

 

 

サトミ「・・・消しゴム・・・?」
俺「うん、半分くれた・・・」俺がそう言うとサトミは思い出した様に笑った。サトミ「ああwwあったww最初の時ww凄いよく覚えてるねーww」そう言ってサトミは笑う。
俺は訳の分からない告白になり自己嫌悪に陥る。

もう最悪だ・・・その思いが頭から離れない。

 

 

俺ら2人は沈黙していた。
何も言わずに黙っている。
俺は何を言えば良いか分からなかった。サトミが急に口を開いた。サトミ「ありがとう・・・」そう言って俺を少し見て笑う。

俺は思わず「どういたしまして・・・」と言ってしまった。
どう言う会話だよ。

サトミは俺の一言に少しウケる。

 

 

サトミ「ねえ・・・」
俺「うん」
サトミ「どこが良いの・・・?こんな変な女・・・」
俺「・・・全部」サトミは俺の答えに何も言わなかった。再び沈黙が訪れる。沈黙を破ったのは再びサトミであった。サトミ「・・・三年前の返事もして無いままなんだね・・・私」
俺「うん・・・」
サトミ「ごめんね・・・ずっと返事しないままで」
俺「いや、幽霊が電話に出たら・・・仕方ないよ」

その言葉にサトミは笑った。

 

 

そしてサトミはゆっくり俺を見る・・・

サトミ「ごめんなさい・・・」

俺はその言葉が下っ腹にズシーンと来た。

ごめんなさい・・・か・・・
まあね、薄々分かってたよ。

もし前回もOKならば何とか連絡しようとするはずだしね。

そうか・・・そうななのか・・・

俺は何故か納得した。

 

 

サトミ「今は・・・考えられない・・・前の彼氏と別れたばっかりだし」
俺「うん・・・」
サトミ「それに・・・福田君は友達としてずっと見てたから・・・」俺全然駄目じゃん。サトミ「でも・・・」
俺「うん?」
サトミ「今は少し・・・違うかも・・・なんか・・・」俺「・・・脈・・・あり・・・?」

俺の言葉にサトミは「う~ん・・・」と唸った。
ねーのかよ。

 

 

俺「分かった・・・」

俺らは立ち上がり二人で歩き出した。
公園から出てサトミの家に向かう。
俺らはずっと黙っていた。

俺の中では全て出しきった・・・
思いを告げれて、返事もちゃんと貰えて良かった・・・
と言う爽快感が・・・

ねーよ。
全く無い。
なんか全然だめ。
無理。
もう最悪。

 

 

俺は突然立ち止まった。
サトミが俺を怪訝な顔で見てきた。俺は携帯電話を取り出してサトミを見た。俺「知ってた・・・?」
サトミ「うん?」俺「俺らってさ・・・二回も偶然の再会をしてるよな・・・?」
サトミ「・・・そうだね」

俺「これが・・・もし三回の偶然が・・・重なったら・・・奇跡だよな・・・?」

 

 

サトミ「・・・・」
俺「それって何て言うか知ってる・・・?」サトミ「・・・何?」俺「運命って言うんだよ・・・!」俺はそう言うと携帯電話のサトミのアドレスを出した。

それをサトミに見せる・・・

そして・・・消去した・・・

 

 

俺「俺はもう一度お前に再会する、それが何年、何十年かかるかは知らん・・けど、絶対にもう一度・・・再会する!」

サトミは俺を見つめた。

俺「このまま行けば、友達として俺は石原と過ごせるんだろう・・・それはそれで幸せかもしれない・・・けど、俺は石原の恋人に成りたいんだよ勝手だけど俺は・・・お前の恋人に成りたいんだよ・・・!」

俺はなんか知らんが凄い興奮して来た。

 

 

俺「だから・・・俺は絶対にもう一度お前を探し出す!!!」

それだけ言うと俺は少し気分が楽になった。

そうか・・・俺は馬鹿なんだな。
自分自身で凄い理解した。

そしたら凄い清清しい気持ちになれたんだよ

 

 

俺がそう言い終わった瞬間にサトミがクスッと笑い出した。

俺「笑うなよ」
サトミ「ごめん、違うの・・・ww」

そう言ってサトミが俺を見る。

サトミ「ちょっと・・・グッ・・・と来たからww」

俺「マジ???マジ???」
サトミ「今ので帳消しww」

俺らは笑った。

 

 

サトミ「ホントに・・・そうするの・・・?」

そんな風に聞かれたら自信が無くなるじゃないの・・・
が、

俺「うん」
サトミ「そっか・・・分かった」

少しサトミが寂しそうなのが俺の中で救いだった。

サトミも携帯を取り出して・・・そして、目の前で俺のメモリーを・・・消した。

 

 

サトミ「これで・・・良い?」
俺「お前は消さなくても・・・」
サトミ「え?」
俺「あ、いや、それで良い」サトミ「なんか・・・凄いねww」
俺「そうだなww」俺らは見つめあった。そして、サトミからゆっくり手を差し出してきた。
俺もそれに応えて手を差し出す・・・俺らは握手をした。

本当はキスでもしたい気分だがそうは行かないみたいだね

 

 

俺「じゃあ・・・」
サトミ「うん・・・」俺「また・・・いつか」
サトミ「うん・・・いつか・・・」俺はそう言って・・・背中を向けて歩き出した・・・が、すぐに引き返す。

俺「ごめん・・・あのさ、○○線から電車に乗るんだけどね・・・どっちかな?」

もう俺最悪・・・サトミも笑ってた。

 

 

こうして俺らは再び離れ離れになった。
今思えば俺のただの意地だったかも知れない。今回の出会いで俺は初めての彼女を失った。だけど、俺はほんの少しだけど大人になったかもしれない。そして俺は”誇り”と言う物が少し持てたのかも知れない

 

 

これで俺の昔話第三部を終わります。

そしていよいよ次が最後の昔話になります。
何回も言いますがこれは実話なので、そんなにドラマチックじゃないかも知れません。

それより最後も長い話になるので・・・まあ、とにかく上司の目潰しをしてでも書き上げます。

じゃあ、またww

 

 

584 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/09/17(木) 14:35:12.22 ID:pOoqfggo
お疲れー

wktkが止まらんぜ
585 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[] 投稿日:2009/09/17(木) 14:35:19.53 ID:7FfzPG.0
乙ー
期待して待っとるわ!
587 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/09/17(木) 14:36:00.04 ID:ZxwZcwgo
おつおつ

しかし厨二病だなwwww

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coredake!ミステリー

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