日本の蛇の怪異・蛇神 一覧 35選|怖い伝承から縁起の良い白蛇信仰まで

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日本の蛇の怪異・蛇神 一覧 35選|怖い伝承から縁起の良い白蛇信仰まで 妖怪
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日本の伝承には、恐ろしい大蛇の怪異から、人々に福をもたらす白蛇の神まで、さまざまな「蛇の物語」が受け継がれています。

どの蛇が妖怪として語られ、どの蛇が神として祀られてきたのか――その違いには、古来の信仰や民間伝承が深く関わっています。
ミズチ・夜刀神・蛇女房のような昔話に登場する怪異から、弁財天や宇賀神に象徴される金運・豊穣の象徴としての蛇信仰まで、多様な姿が存在します。

この記事では、「蛇の怪異一覧」と「縁起の良い蛇のリスト」を分かりやすくまとめました。

蛇は“怖い存在”としてだけでなく、“福を招く守護”としての顔も持つ特別な存在です。
その多面的な姿を知ることで、あなたの創作アイデアや神話理解に、きっと新しい視点が生まれるはずです。

 

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日本の蛇の怪異・蛇神一覧

本リストでは、古典文献・地方伝承・民話資料・近代以降の都市伝説の中から、“実際に記録として存在が確認できる蛇・大蛇・龍に関する怪異・神格” を厳選しています。
地域によって語り口や解釈が異なるものもあり、名称や由来には複数説が存在します。
より詳しく知りたい方は、各伝承地の民話集や原典資料もあわせて参照することをおすすめします。

 

  1. 安珍・清姫伝説の蛇(清姫)
    紀州道成寺の縁起として知られる説話で、恋心を裏切られた清姫が大蛇に変じ、安珍を追って道成寺の鐘に巻きつき、炎を吐いて焼き殺したとされる蛇霊。
  2. イクチ
    海上に現れる日本の妖怪で、船よりも長い細長い蛇のような姿をしており、船の上をまたぐように通過しながら油のような粘液を滴らせていくとされる。江戸期の絵巻『画図百鬼夜行』や『絵本百物語』に記録が見られる。
  3. 宇賀神(うがじん)
    人頭蛇身の姿で表される日本の蛇神・福徳神。老翁や女性の頭部に、とぐろを巻いた蛇の身体を持つ像が多く、蛇神・龍神の化身ともされる。中世以降は弁才天と習合し「宇賀弁才天」として各地で信仰された。
  4. 大物主(おおものぬし)
    三輪山(奈良県)の神として知られ、日本神話では大国主神の和魂とされる大いなる蛇神。夜ごと美女のもとに通う際に小蛇の姿で現れたとする説話があり、蛇・龍の姿で表現される水神・地主神としても信仰される。
  5. 鍛冶ヶ野の蛇(かじがやのへび)
    高知県幡多郡西土佐村に伝わる地名由来譚に登場する水神の大蛇。猟師が仕留めた大猪を蛇淵のほとりに置いたところ、大蛇がそれを呑み込もうとし、怒った猟師が鉄屑を撒いたため、大蛇が暴れて洪水を起こし、村が荒野になったと伝えられる。
  6. 姦姦蛇螺(かんかんだら)
    2000年代以降の日本の都市伝説として広まった、上半身が女性で下半身が大蛇の妖怪。六本の腕と蛇身を持つ姿で語られ、人を食らう大蛇と巫女の怨念が一体化した存在と説明されることが多い。
  7. 倉光・喰介(くらみつ・くいすけ)
    日本の伝説に登場する二体の大蛇の名で、地名由来や人と蛇との関わりを語る説話の中で、大蛇そのものを指す固有名として伝えられている(「神話・伝説の蛇」を扱う資料で、大蛇として並記される)。
  8. 黒姫伝説の大蛇(くろひめでんせつ)
    長野県黒姫山の縁起などに見られる説話群で、黒姫(姫)と湖・山に棲む大蛇(あるいは龍)との関わりが語られる。求婚する大蛇や龍が登場し、恵みの雨・水や災厄と結びついた蛇神信仰と結びつけて説明されることが多い。
  9. 玄武(げんぶ)
    本来は中国起源の北方を守護する四神のひとつで、亀と蛇が絡み合った姿の神獣。日本でも陰陽道・風水・城郭などに取り入れられ、北方守護・水災防除の象徴として神格化され、社寺や祭礼で亀と蛇を組み合わせた意匠として崇められてきた。
  10. 小泉小太郎伝説の蛇(こいずみこたろう)
    長野県などに伝わる民話で、少年・小泉小太郎の母が湖に棲む大蛇(龍)であったとされる説話。母が湖底の大蛇であることが明かされる場面などを通じて、蛇・龍が水の神として畏敬されてきた信仰を反映している。
  11. 脚折雨乞(すねおりあまごい)の大蛇・龍蛇
    埼玉県鶴ヶ島市脚折地区に伝わる雨乞い行事で、かつて雷電池には大蛇が棲み、旱魃の際に祈ると雨を降らせたと語られる。この伝承にもとづき、現在は全長約36mの龍蛇をかつぎ、池へ入れて雨を祈る祭礼が行われている。
  12. タツクチナワ
    日本の一部地域に伝わる伝承で、池や淵に棲む龍蛇(大蛇)を指す名として記録される存在。水を司る蛇・龍神への畏敬を背景に、洪水や干ばつと結びついた水神信仰の一形態として語られている。
  13. トウビョウ(トウビョウ/土瓶神)
    中国・四国地方に伝わる憑き物。土瓶に多数の小さなヘビを飼い、家の者の命令で他人の財物を盗ませたり災いをもたらすとされる。四国では蛇を使う「へびもち」の憑き物としても語られる。
  14. 沼御前(ぬまごぜん)
    福島県金山町・沼沢湖の主とされる大蛇。普段は長い髪の若い美女に化け、人や家畜を襲うと伝えられる。鎌倉時代に佐原十郎義連によって退治され、その霊は湖畔の沼御前神社に祀られている。
  15. 濡女(ぬれおんな/ヌレオンナ)
    海や川辺に現れる水の妖怪。全身が濡れた長髪の女の姿で、人に赤子を抱かせて溺れさせたり、牛鬼と一体の存在ともされる。九州の磯女に近い性質を持ち、ウミヘビの化身とする説もある。
  16. ネブッチョウ
    埼玉県秩父地方などに伝わる、小さなヘビの憑き物。家に代々付き従い、主人が抱く怨みを察して相手を病気にしたり、時に押し潰して殺すと恐れられた。「秩父三害」の一つとされ、憑き物筋として婚姻差別の原因にもなった。
  17. 野槌(のづち)
    日本各地に伝わる野の妖怪・精霊。外見はヘビに似るが、胴が均等に太く目鼻がなく、口だけがある柄のない槌のような姿とされる。山中で転がり落ちてきて人や獣を呑み込み、古書では「野槌蛇」とも書かれた。後世のツチノコ像とも結び付けられている。
  18. 野守虫(のもりむし)
    信州松代に伝わる怪異。桶ほどに太い胴体を持つ全長一丈(約3メートル)のヘビのような存在で、六本の足と各足に六本の指があると記される。江戸時代の随筆『折々草』『漫遊記』に、大蛇として若者を襲った話が残されている。
  19. 八の太郎大蛇伝説(はちのたろうだいじゃでんせつ)
    北東北一帯に伝わる大蛇・八郎太郎の伝説。十和田湖の主であった八郎太郎が大蛇(あるいは龍神)として各地を移り住み、最終的に秋田県の八郎潟の主となったと語られる。十和田湖・田沢湖と結ぶ「三湖伝説」の一部。
  20. 蛇の精(へびのせい/蛇精)
    中国起源の蛇霊で、長命の蛇が天地の気を吸収して妖力を得た存在。中国では多くが女性の姿をとり、日本では美男美女に化けて人間の精気を吸う怪異としても紹介される。日本の怪談・妖怪解説書でも「蛇の精」として取り上げられる。

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