『噛み付く犬』|【狂気】人間の本当にあった怖い話

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『噛み付く犬』|【狂気】人間の本当にあった怖い話 人間の怖い話
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噛み付く犬

 

ある日友人から
「一ヶ月ほどでいいんだけど、この子達預かってくれない?前の飼い主が急死してこのままだと保健所行きになっちゃうのよ」と頼まれた。
「この子達」というのは3匹の犬。
もう大人になっており、犬種は雑種だと言う。
動物はなんでも好きなので「里親が見つかるまで」と言う条件でOkした。
友人に連れられて我が家にやってきた3匹の犬はぽっちゃりした体型とつぶらな丸い目が愛らしく、見たとたん、私は彼らを気に入ってしまった
実際に一緒に暮らしてみても人なつこく可愛らしいので、里親がみつからなければこのまま一緒に暮らしてもいいな、と思えた。
ただ彼らには奇妙な癖があった。
それはドッグフードがあまり好きでないらしく与えてもあまり食べないこと。
以前は何を食べていたのだろう?
もうひとつは、一緒に遊んでいる時本気で噛み付いてくること。
甘噛みというレベルではなくかなり痛い。
他のことはききわけがいいのだが、これだけはいくらしかっても直らなかった。
ある日父親が焼き鳥を買ってきた。
「あの子達にもあげよう。喜ぶかもしれない」
といって、父は鳥を串から外して犬の口元に持っていった。
そのとたん、犬は目の前に差し出された鳥ではなく父の手に噛み付いた。
「やめなさい!」
とアタマを叩いても犬は手から離れない。
それは今までの愛らしいわんこの顔ではなく一匹の獣の顔だった。
父の傷は5針を要するものだった。
病院で父は私に言った。
「あの犬たちおかしいぞ。私が鳥をあげようとした時、鳥肉ではなく、まっすぐに私の手に噛み付いてきた。」
父はあの件ですっかり彼等3匹がイヤになったらしい。
当たり前かもしれないが。
私は友人に
「もうこれ以上は預かれない。早く迎えに来て」
と言った。
彼女は
「わかってる。貰い手、今、さがしてるのよ。悪いけどもう少し待って。」
と答えた。
ある晩、両親とも旅行に出かけてその夜は私一人となった。
リビングで深夜映画を見ているうち寝入ってしまい、ふと気がついて薄く目を開くと3匹の犬達がじっとこちらを見つめていた。
(あぁ窓開けっ放しだったんだ…閉めなきゃ…)とは思ったが、眠くて体が動かない。
そうしているうちに睡魔に負けた私はまた眠ってしまった。
耳元で聞こえる荒い息と何者かの気配で、私は再び目を覚ました。
繋いでおいたはずなのになぜか犬達が私の周りに集まっていた。
一匹が私の上にのり私の顔をじーーーーっと見ていた。
それはついこの間父親の手に噛み付いたときと同じ表情だった。
「!」
本能的に身の危険を感じた私は飛び起きようとした。
が、彼らのほうがすばやかった。
私の上に乗っていた一匹が私の顔と首にソファの下にいた2匹が腕や脚にそれぞれ噛み付いてきた。
こうなると、もう普段の可愛らしさなど微塵も感じない。
私は悲鳴を上げながらなんとか犬たちをはねのけ必死でリビングから逃げ出すと、追いつかれないように扉を閉めた。
犬達が閉ざされたドアの向こうで恐ろしいうなり声を上げながらドアを引っかく音が聞こえた…
後日、友人から訊いたところによるとあの犬達は以前は資産家の老婆に飼われていたらしい。
一人暮らしの老婆はさびしいのか彼等三匹を含む総勢15匹もの犬を飼っていた。
ある日老婆は階段から転落し死亡した。
お盆の季節で家政婦達は皆帰郷しており家を訪れる者はいなかった。
犬達もはじめのうちは老婆の死体のまわりにはべっていたが、やがて食料はつき彼らの飢えは限界を超えた…。
一週間後、やってきた家政婦によって発見された死体は白骨化していたという。
一度人の肉を食べた動物はもう元には戻れない、飼うのは難しい。
と警察から言われたにもかかわらず、友人に里親を探すよう頼んだ動物愛護団体は、その事実を友人にも話していなかった。
彼等がその後どうなったのか、私は知らない。

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