日本の歴史や神話には、魂を宿した“剣”が数多く登場します。
本記事では、実在する名刀と、伝説や神話に語り継がれる神剣を一覧で紹介します。
それぞれの刀剣の由来・逸話・象徴的な意味をわかりやすくまとめました。
刀剣や神話が好きな方はもちろん、創作・ネーミングの着想を得たい方にも役立つ内容です。
あなたの心に響く“ただ一振りの剣”を見つけてください。
日本刀一覧|実在する名刀・伝説の名剣の美と歴史
日本各地に伝わる名刀・名作刀を一覧で紹介。
平安・鎌倉・室町・戦国など、各時代を象徴する刀剣の由来・刀工・所蔵先・逸話をわかりやすく解説します。
出典: Wikipedia 日本刀一覧
- 愛染国俊(あいぜんくにとし)【短刀】
重要文化財。銘「国俊」。来派の刀工・国俊(二字銘「国俊」)の作。茎の上部に愛染明王の毛彫りがあることから「愛染国俊」と呼ばれる。 - 会津新藤五(あいづしんとうご)【短刀】
国宝。銘「国光」。鎌倉時代末期の相州伝の刀工・新藤五国光の作。会津藩主・蒲生氏郷が所蔵したことからこの名で呼ばれる。 - 会津正宗(あいづまさむね)【打刀】
御物。無銘ながら五郎入道正宗作と伝わる大磨上の刀。蒲生氏郷が所持し、のちに徳川将軍家に伝来した。 - 青木兼元(あおきかねもと)【打刀】
銘「兼元」。美濃国関の刀工・兼元による作。特徴的な刃文「三本杉」で知られ、「関の孫六」一派に属する。 - 明石国行(あかしくにゆき)【太刀】
国宝。銘「国行(来)」。来派の名工・国行による太刀。刃区のすぐ上、裏表の棒樋内に三鈷柄剣が彫り込まれている珍しい造りを持つ。現存品は刀剣博物館に所蔵されている。 - 秋田藤四郎(あきたとうしろう)【短刀】
重要文化財。銘「吉光」。鎌倉時代の粟田口吉光作。秋田藩佐竹家に伝来したことからこの名が付く。表には不動明王の梵字と利剣、裏には護摩箸が彫られている。京都国立博物館所蔵。 - 朝嵐(あさあらし)【打刀】
室町時代の刀工・右京亮勝光の作。重要美術品に指定されている。 - 痣丸(あざまる)【脇差】
愛知県指定文化財。大磨上無銘。名称の由来には諸説あり、景清がこの刀を通して自らの顔の痣を見たところ痣が消えたという説と、刀身の鎺付近にある黒い痣状の模様にちなむという説がある。 - 小豆長光(あずきながみつ)【太刀】
備前長船長光の作と伝わる太刀。小豆が刀に触れると真っ二つになったという逸話に由来してこの名が付いたとされる。 - 安宅切(あたきぎり)【打刀】
銘:表「備前長船祐定」/裏「大永二年八月日」。金象嵌銘「あたき切脇毛落」。福岡市博物館所蔵。黒田如水が豊臣秀吉の四国攻めの際、安宅河内守貴康をこの刀で討ち取ったことからこの名が付いた。 - 厚藤四郎(あつしとうしろう)【短刀】
国宝。銘「吉光」。粟田口吉光作。通常の短刀より刀身が厚く仕立てられており、元重ねが約4分(約11ミリメートル)あることから「厚藤四郎」と呼ばれる。 - 新身来国光(あらみらいくにみつ)【短刀】
重要文化財。銘「来国光」。来派の刀工・来国光による短刀。 - 石切丸(いしきりまる)【太刀】
重要美術品。銘「有成」(宗近と同一人物とされる説もある)。石切劔箭神社に伝わる名太刀。「石切丸」という名称の由来は明らかではないが、「石切」の語には、御祭神の神威によって岩すら断つほどの強さを示す意味があるとされる。 - 石田貞宗(いしださだむね)【脇差】
重要文化財。無銘ながら相州貞宗作と伝わる短刀。東京国立博物館に所蔵されている。 - 石田正宗(いしだまさむね)【打刀】
重要文化財。無銘の正宗作と伝わる刀。石田三成が所持したとされ、棟や鎬、茎棟に切り込み痕が残ることから「石田切込正宗」または「切込正宗」とも呼ばれる。 - 石灯籠切虎徹(いしどうろうぎりこてつ)【打刀】
銘「長曽祢興里入道乕徹」。旗本の注文で鍛えられたと伝わり、試斬の際に松の枝とともに石灯籠まで切ったという逸話から名付けられた。 - 和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)【打刀】
二代目兼定(通称「之定」)の作が著名。新選組副長・土方歳三の佩刀として知られ、現在は東京都日野市の土方歳三資料館に所蔵されている。 - 一庵正宗(いちあんまさむね)【短刀】
重要文化財。無銘の正宗作と伝わる短刀。『享保名物帳』には「横浜一庵法印所持」と記されており、現在は徳川美術館に所蔵されている。 - 一期一振(いちごひとふり)【太刀】
御物。銘「吉光(額銘)」。粟田口吉光が一生に一振のみ鍛えたと伝えられる名刀で、「一期一振藤四郎」とも呼ばれる。 - 一胴七度(いちのどうしちど)【打刀】
村正作の打刀。豊臣秀次が所持したとされ、「一の胴」と呼ばれる難しい部位を七度の試斬で切り抜いたことからこの名が付いた。 - 一国兼光(いっこくかねみつ)【太刀】
重要文化財。銘「備前国長船兼光」。南北朝時代の刀工・兼光による作。高知県立高知城歴史博物館に所蔵されている。 - 一国長吉(いっこくながよし)【槍】
阿波国の刀工・長吉による穂の長い槍。福岡市博物館に所蔵されている。 - 稲葉江(いなばごう)【打刀】
国宝。金象嵌銘「天正十三年十二月日 江 本阿弥磨上之(花押) 所持稲葉勘右衛門尉」。名匠・江義弘の作。岩国美術館所蔵。西美濃三人衆の一人・稲葉良通の子、重通の所持に由来してこの名が付いた。 - 稲葉志津(いなばしづ)【短刀】
重要文化財。朱銘「志津」、本阿弥花押。相州志津三郎兼氏の作と伝わる。個人蔵。稲葉良通の孫・道通の所持に由来して「稲葉志津」と呼ばれる。 - 鶯丸(うぐいすまる)【太刀】
御物。銘「備前国友成」。平安時代後期の作と伝わる古備前の名品で、刀工・友成によるとされる。平安期(10世紀末〜11世紀初頭)の作とされ、皇室の私有財産(御物)として宮内庁侍従職が管理している。 - 薄緑(うすみどり)【太刀】
大覚寺所蔵。作者は□忠(古備前近忠の可能性あり)。源氏伝説に登場する名刀「膝丸」と同一とされ、のちに「薄緑」と改名されたと伝わる。 - 浦島虎徹(うらしまこてつ)【脇差】
銘「長曽祢興里 万治三年十二月日」。同作彫之。江戸時代の名工・虎徹の代表作の一つ。指表には、若竹を担ぎ腰蓑と藁沓をはいた人物が岩上に立つ姿が彫られ、古くから浦島太郎と見なされていることから「浦島虎徹」と呼ばれる。 - 江戸長銘正宗(えどちょうめいまさむね)【刀】
銘「相模国住人正宗 正和三年十一月日」。正宗作としては銘文が長く記されていることから「江戸長銘正宗」と呼ばれる。大坂長銘正宗とは別の作品。 - 大包平(おおかねひら)【太刀】
国宝。銘「備前国包平作」。平安時代の名工・包平による古備前の傑作。「日本刀の最高傑作」と称されることもあり、東京国立博物館に所蔵されている。 - 大兼光(おおかねみつ)【打刀】
重要文化財。金象嵌銘「備前国兼光 本阿弥(花押)」。南北朝時代の刀工・兼光による備前伝の代表作。佐野美術館に所蔵されている。 - 大倶利伽羅広光(おおくりからひろみつ)【打刀】
重要美術品。大磨上無銘の広光(相州伝)の作。刀身には倶利伽羅竜が彫られており、その彫技の見事さから「大倶利伽羅」と称される。個人蔵。倶利伽羅龍は不動明王の化身とされ、悪を祓い煩悩を鎮める象徴とされる。 - 大坂長義(おおさかちょうぎ)【短刀】
銘「備州長船住長義/正平十五年五月日」。南北朝時代の名工・長義による短刀。 - 大保昌(おおほうしょう)【短刀】
鎌倉末期の刀工・貞吉による短刀。前田家伝来。東京国立博物館所蔵の重要文化財。 - 岡田切吉房(おかだぎりよしふさ)【太刀】
国宝。銘「吉房」。織田信雄が家臣・岡田重孝をこの刀で斬った逸話に由来する。事件は小牧・長久手の戦いの発端となったとされる。東京国立博物館所蔵。 - 鬼切安綱(おにきりやすつな)【太刀】
安綱作と伝わる伝説の太刀。妖鬼を斬った逸話から「鬼切」と呼ばれる。北野天満宮に伝わる「鬼切丸」と同一とされ、『太平記』にも登場する。伯耆国の鍛冶・安綱が鍛え、坂上田村麻呂に奉じたと伝わる。 - 鬼切丸(おにきりまる・北野天満宮)【太刀】
重要文化財。伝 安綱作。北野天満宮所蔵。刃長約84cm、反り約3.7cm。近年は「鬼切丸(別名:髭切)」として展示されることが多い。 - 鬼切丸(おにきりまる・多田神社)【太刀】
多田神社所蔵。源満仲の佩刀と伝わる。鬼切伝説に関連する別伝があり、源頼光が酒呑童子退治に使用した安綱銘の太刀として伝えられる。 - 鬼丸国綱(おにまるくにつな)【太刀】
御物。銘「国綱」。鎌倉時代の刀工・粟田口国綱による作。「天下五剣」の一つで、怨霊を祓う霊剣として知られる。『太平記』によれば、北条時頼(または時政)が夢に現れる鬼に悩まされていた際、この太刀が夢の中で鬼を斬り祓ったと伝わる。その逸話から「鬼丸」と命名された。 - 火車切広光(かしゃきりひろみつ)【脇差】
重要美術品。佐野美術館所蔵。南北朝時代の相州伝刀工・広光の作。地鉄と刃文の冴えが見事で、妖怪「火車」を斬ったという逸話からこの名が付いた。「火車」とは、葬送の際に雷雨や暴風を伴って現れ、死者の遺体を奪うとされた妖怪であり、仏教説話の「火の車」に由来する。 - 戒杖刀(かいじょうとう)【仕込み杖】
重要美術品。上杉謙信が上洛の際、高野山で清胤の教えを受けたときに携えたと伝わる。杖の内部に備前三郎国宗の在銘刀が収められている。個人蔵(上杉神社寄託)。

コメント