日本と世界の神話に登場する『風を司る神』を一覧で紹介します。
日本の風神
風を司る神。風邪を流行らせる日本の疫病神を指す場合もある。
『古事記』や『日本書紀』に記された神話の中では、シナツヒコが風神とされている。
『太平記』には、元寇の際、伊勢神宮の風宮に青い鬼神が現れ、風袋から大風を起こしたとある。
風神雷神図屏風
鬼神としての風神/俵屋宗達 風神雷神図屏風の右隻より、風神図
風の又三郎(かぜのまたさぶろう)
東北地方各地で信仰されてきた半ば妖怪ともいえる風の神であり、古来神社で祀られてきた。
疫病神としての風の神
空気の流動が農作物や漁業への害をもたらし、人の体内に入ったときは病気を引き起こすという、中世の信仰から生まれたもの。「かぜをひく」の「かぜ」を「風邪」と書くのはこのことに由来すると考えられている。
黄色い息を吐いて厄害をもたらす、邪神・疫病神としての風神
奇談集『絵本百物語』巻第5 第39「風の神」
天保12年(1841年)刊。絵は竹原春泉による。
仏教の風神 風天(ふうてん)
風天(ふうてん)は、仏教における天部の一尊で、十二天の一。インド神話の風神であるヴァーユとヴァータを起源とする風の神。
【十二天像風天図(江戸時代、英一蝶・画)】
日本の風の神
志那都比古神(しなつひこのかみ)
『古事記』では志那都比古神(しなつひこのかみ)、『日本書紀』では級長津彦命(しなつひこのみこと)と表記される。
『古事記』では、イザナギとイザナミの間に生まれた風の神であるとしている。『日本書紀』では、イザナミが朝霧を吹き払った息から級長戸辺命(しなとべのみこと)またの名を級長津彦命という神が生まれ、これは風の神であると記述している。
伊勢神宮には内宮の別宮に風日祈宮(かざひのみのみや)、外宮の別宮に風宮があり、どちらも級長津彦命と級長戸辺命を祀っている。風日祈宮は元々「風神社」と呼ばれていたが、元寇の際に神風を吹かせたのは風神社の神であるとされたことから、「風日祈宮」の宮号が宣下された。
素戔男尊(すさのおのみこと)
神名の「スサ」は、荒れすさぶの意として嵐の神、暴風雨の神とする説がある。
『古事記』では建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)、速須佐之男命、須佐之男命、『日本書紀』では素戔男尊、素戔嗚尊等、須佐乃袁尊、『出雲国風土記』では神須佐能袁命(かむすさのおのみこと)、須佐能乎命と表記される。【『本朝英雄傳』より「牛頭天王 稲田姫」 歌川国輝 画】
【須佐之男命 歌川国芳作】
日本の風の女神
級長戸辺命(しなとべのみこと)
『日本書紀』のシナトベは女神とされることもあり、神社によってはシナツヒコの姉または妻とされている。
『日本書紀』では、イザナミが朝霧を吹き払った息から級長戸辺命(しなとべのみこと)またの名を級長津彦命という神が生まれ、これは風の神であると記述している。
世界の風の女神
- アオス・シ (Aos Sí)
【ケルト神話】 - アウラ (Aura)
【ギリシア神話】 - アウライ (Aurai)
【ギリシア神話】 - カルデア (Cardea)
【ローマ神話】 - 封姨 (Feng Yi)
【中国神話】 - ニンリル (Ninlil)
【メソポタミア神話】
シュメール神話の最高神エンリルの配偶者である風の女神。
世界の風の男神
- エエカトル (Ehecatl)
【アステカ神話】
風にまつわる神。創造神・文化英雄神であるケツァルコアトルの風神としての一面ともされる。 - エヘカトトンリ (Ehecatotontli)
【アステカ神話】 - ミクトランパチェカトル (Mictlanpachecatl)
【アステカ神話】 - トラロカヨトル (Tlalocayotl)
【アステカ神話】 - セト (Set)
【エジプト神話】
る保護と恵みと破壊と渾沌の神。守護神であると同時に砂嵐を起こす怖ろしい神。 - シュー (Shu)
【エジプト神話】
エジプト九柱の神々の一柱。エジプト神話の天地創造に関わる大気の神。 - アイオロス (Aeolus)
【ギリシア神話】
アネモイ(風の神)たちの主とされる。風を支配する力を有する。 - アパルクティアス (Aparctias)
【ギリシア神話】 - アフェリオテス (Apheliotes)
【ギリシア神話】 - アネモイ
【ギリシア神話】
ギリシア神話における風の神たちのこと。 - アルゲステス (Argestes)
【ギリシア神話】 - ボレアース (Boreas)
【ギリシア神話】
北風を司る神。 - カイキアス (Caicias)
【ギリシア神話】 - エウロノトゥス (Euronotus)
【ギリシア神話】 - エウロス (Eurus)
【ギリシア神話】
東風を司る神。 - リプス (Lips)
【ギリシア神話】 - ノトス (Notus)
【ギリシア神話】
西風を司る神。 - スケイロン (Skeiron)
【ギリシア神話】 - ゼピュロス (Zephyrus)
【ギリシア神話】
南風を司る神。 - ストリボーグ (Stribog)
【スラヴ神話】
風・大気・天候を司る神。 - マルト神群 (Maruts)
【ヒンドゥー教】
暴風雨を司る極めて古い神々。 - ルドラ (Rudra)
【ヒンドゥー教】
暴風神。破壊的な暴風雨と、それが過ぎ去ったあとに訪れるすべてを生まれ変わらせるような爽快感を司る。 - ルドラス (Rudras)
【ヒンドゥー教】 - ヴァーユ (Vayu)
【ヒンドゥー教・インド神話】
日常の風を司る神。仏教にも採り入れられ、風天の起源となった。 - ヴァータ
【ヒンドゥー教・インド神話】
日常の風を司る神。仏教にも採り入れられ、風天の起源となった。ヴァーユとほとんど違いの無い存在。 - ターウィリマーテア (Tāwhirimātea)
【マオリ】 - フラカン (Huracan)
【マヤ神話】
風・嵐・火などを司る神。世界を3度に亘って創造したマヤ神話の神の一柱。 - パウアフトゥンス (Pauahtuns)
【マヤ神話】 - バアル
【ウガリット神話】
メソポタミア各地で崇められた嵐の神で、慈雨をもたらす豊穣神(農業神)でもある。 - エンリル (Enlil)フラカン
【メソポタミア神話】
シュメール神話に登場する風と暴風雨の神。 - パズズ (Pazuzu)
【メソポタミア神話】
アッカド神話に登場する風と熱風の悪霊あるいは魔神。メソポタミアの「風の魔王」とされている。 - タテ (Tate)
【ラコタ】 - ヴェンティ (Venti)
【ローマ神話】 - 飛廉 (Fei Lian)
【中国神話】 - 風神 (Fūjin)
【日本神話】 - シナツヒコ (Shinatsuhiko)
【日本神話】 - スサノオ (Susanoo)
【日本神話】 - アウストリ (Austri)
【北欧神話】 - ノルズリ (Norðri)
【北欧神話】 - スズリ (Suðri)
【北欧神話】 - ヴェストリ (Vestri)
【北欧神話】
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