世界の剣の種類一覧|かっこいい名称106選 – 西洋・アジア・古代の武器

スポンサーリンク
世界の剣の種類一覧|かっこいい名称106選 - 西洋・アジア・古代の武器 伝統・文化
スポンサーリンク

2 中東・インド・中央アジアの剣(Middle Eastern, Indian & Central Asian Swords

曲刀文化が非常に豊かで、シャムシールやタルワールのように優雅な反りを持つ刀が多い地域。刺突よりも「斬り払う」動きに優れ、騎兵戦や高速の斬撃に適した設計が多い。装飾・工芸技術も発達し、王侯貴族の権威の象徴としても使われた。

  1. シャムシール|Shamshir / شمشیر‎
    ペルシアを代表する強い湾曲を持つサーベル。高速の斬撃を想定した形状で、イスラム圏の曲刀文化の象徴となった。
  2. シミター(総称)|Scimitar
    西洋側の呼称で、中東・中央アジアの湾曲剣全般を指す大分類語。シャムシール、キリジ、タルワールなどを含む。
  3. キリジ|Kilij / Kılıç
    オスマン帝国の代表的曲刀。刀身後半の“ヤルマン”が斬撃力を大きく高め、軍事的に広く使われた。
  4. タルワール|Talwar / तलवार
    インド亜大陸の伝統曲刀。ディスク形ポメルが特徴で、切る・払う動作に優れ、王侯や武士階級が佩用した。
  5. カンダ|Khanda / खड्ग
    幅広く重い両刃直剣。古代インド武術と深く結びつき、強力な叩き斬りを可能にする重厚な武器。
  6. パタ(籠手剣)|Pata / पट्ट
    篭手と刀身が一体化した独特の剣。腕の延長として扱え、マラーター戦士が用いた実戦武器。
  7. ウルミ(鞭剣)|Urumi / ഉരുമി
    柔軟な金属帯を束ねた特殊武器。南インド武術カラリパヤットで伝承され、広範囲を薙ぐように攻撃できる。
  8. カタール(パンチングダガー)|Katar / कटार
    水平グリップを持つ独自構造の短剣。強力な刺突に適し、豪華な装飾が施されることも多い。
  9. ジャンビーヤ|Jambiya / جنبية‎
    アラビア・イエメン地域の象徴的短剣。強い湾曲を持つ両刃で、成人男性の身分標識としても機能した。
  10. ククリ|Kukri / खुकुरी
    ネパールの山岳民族グルカ兵で有名な前重心刃。日用品から戦闘まで多用途で、強烈な斬撃力を持つ。
  11. ニムシャ|Nimcha / نيمشا
    モロッコの湾曲剣。独特の護拳を持ち、北アフリカの伝統武器として発展した。
  12. キョーバー・ナイフ|Khyber Knife / پَخَار
    アフガニスタン〜パキスタンの大型直刃短剣。厚い背と鋭い切先を持ち、短剣と長剣の中間的な実戦武器。
  13. サイフ|Saif / سيف
    アラビア語で「剣」を意味する一般語だが、イスラム騎兵文化の象徴的武器名としても歴史的に頻出する。
  14. パルティアンソード|Parthian Sword
    古代中央アジア・パルティア人が使用した直剣。刺突重視の形状で、騎射文化と併存した武器として知られる。
  15. ヤタガン|Yatagan オスマン帝国歩兵(イェニチェリ)に愛用された前重心の内湾曲剣。刃が前方に大きく曲がり、骨や装甲に対しても強烈な斬撃力を発揮する。
  16. プルワール|Pulwar アフガニスタンやペルシア東部で使われたサーベル型の曲刀。タルワールに似るが、柄の形状や鍔が独特で、騎兵・歩兵双方の武器として用いられた。
  17. キンジャル|Kindjal / Qama コーカサス地方に伝わる両刃の短剣〜短剣型ソード。幅広でまっすぐな刀身を持ち、刺突と斬撃の両方に優れたサイドアームとして携帯された。
  18. シャシュカ|Shashka ロシア帝国〜ソ連期にかけてコサック騎兵が使用した片刃サーベル。鍔がほとんどなく、柄と刀身が滑らかにつながる構造が特徴で、素早い騎兵戦に適している。
  19. ニムチャ|Nimcha モロッコや北アフリカで用いられた湾曲剣。片刃の曲刀に、独特の形状をした護拳とグリップが組み合わされ、商人・海賊・兵士の武器として広く使われた。
  20. カイバー・ナイフ|Khyber Knife アフガニスタン〜パキスタンの山岳地帯で用いられた大型短剣。厚い背と鋭い直刃を持ち、ほぼ短剣型ソードとして近接戦に使用された。

 

3 日本刀(Japanese Swords

美しい反りと鋭い切れ味を追求した独自の刀剣文化。太刀・打刀・脇差・大太刀など用途ごとの細やかな発達を見せ、「武器」であるだけでなく「精神性」や「美術性」も重んじられた。侍の武装、武術、礼法、工芸のすべてが深く関わる。

  1. 太刀|たち
    平安〜室町期に主に騎馬武者が用いた刀。刃を下にして佩くのが特徴で、深い反りを持つ優雅な形状。
  2. 打刀|うちがたな
    室町後期以降の武士の主武装。刃を上にして帯に差す形式が一般化し、素早い抜刀に適した構造を持つ。
  3. 脇差|わきざし
    打刀と対になる短めの刀。武士の必携品として「大小(だいしょう)」を構成し、接近戦にも用いられた。
  4. 小太刀|こだち
    太刀より短く、脇差より長い中間的な刀。古流武術では補助武器や護身用として扱われた。
  5. 大太刀/野太刀|おおだち/のだち
    非常に長大な刀。歩兵戦や対騎兵戦で用いられ、祭礼用として巨大なものが作られた例もある。
  6. 短刀|たんとう
    刃の短い刀で、平安〜江戸期を通じて護身用・実戦用として用いられた。拵えの美術的価値も高い。
  7. 薙刀直し|なぎなたなおし
    薙刀の刀身を短く加工し、打刀・脇差・短刀として再利用したもの。独特の反りと姿が魅力。
  8. 薙刀|なぎなた
    長柄武器だが、日本刀と同じ鍛造技術で作られる反り刃が特徴。僧兵や武家女性の武具としても著名。
  9. 鎧通し|よろいどおし
    鎧の隙間を突くための極厚短刀。三角断面など刺突に特化した構造を持つ。
  10. 剣(直刀)|けん
    古代日本で使われた両刃の直刀。奈良〜平安初期に見られ、のちの日本刀の源流とされる。
  11. 長巻|Nagamaki 鎌倉〜室町期に見られる長柄刀で、長い柄の中央付近を握って用いる。大太刀と薙刀の中間的な性格を持ち、歩兵の対騎兵戦などで活躍した。
  12. 軍刀|Guntō 明治〜昭和期にかけて日本軍将校が佩用した制式軍刀。日本刀の外観を持ちながら、工業的製造や西洋軍刀の意匠を取り入れた「近代型の刀」として位置づけられる。

コメント

タイトルとURLをコピーしました