植物・花木の縁起物
四季や成長の姿に、長寿・繁栄・厄除けなどの願いを託してきた植物です。正月飾りや年中行事、庭木・贈答とも結びついています。
- 松 — まつ
常緑で長命な姿から、長寿や不変の象徴とされます。 - 竹 — たけ
まっすぐに伸び節を重ねる姿に、成長と発展の願いを重ねます。 - 梅 — うめ
寒中に先駆けて咲くことから、忍耐と芽吹きの象徴とされます。 - 橙 — だいだい
実が木に残りやすい性質と「代々」に通じる名から、家運の継続を願います。 - 菊 — きく
長寿を願う花として節句とも結びつき、健やかな歳月の象徴とされます。 - 桜 — さくら
春の訪れと門出を感じさせ、祝いの意匠として用いられます。 - 椿 — つばき
常緑の美しさで好まれる一方、地域によっては縁起を気にする習慣もあります。 - 稲穂 — いなほ
実りの象徴。五穀豊穣と感謝の気持ちを表します。 - 柚子 — ゆず
香りで邪気を祓うとされ、冬至の健康祈願と結びつきます。 - 譲葉 — ゆずりは
新葉が出てから古葉が落ち、家の代が受け継がれる姿を映します。 - 裏白 — うらじろ
葉裏の白さに清浄の願いを重ね、正月飾りにも用いられます。 - 若松 — わかまつ
新年の生命力や若々しさを象徴し、晴れの場を清々しく飾ります。 - 千両 — せんりょう
赤い実が富を連想させ、正月の縁起木として親しまれます。 - 万両 — まんりょう
名の響きに繁栄を重ね、祝いの季節を彩る縁起木です。 - 榊 — さかき
神事や神棚に供えられる常緑樹。清浄と神聖の象徴とされます。 - 柊 — ひいらぎ
鋭い葉で邪気を防ぐとされ、節分の柊鰯にも用いられます。 - 葉牡丹 — はぼたん
正月飾りとして用いられ、門出や祝意を彩る花ものです。 - 福寿草 — ふくじゅそう
名に福と寿を含み、新年の慶びや長寿を願う花として親しまれます。 - 百両（唐橘） — ひゃくりょう（からたちばな）
冬に赤い実を付け、名の縁起から正月の縁起木とされます。 - 十両（藪柑子） — じゅうりょう（やぶこうじ）
常緑に赤い実を結ぶ姿が喜ばれ、縁起の良い実ものとして扱われます。 - 一両（蟻通し） — いちりょう（ありどおし）
「千両万両有り通し」の語呂にも結びつく縁起木として知られます。
吉祥文様・縁起柄
模様や形に願いを込め、衣食住の中で用いられてきた文様です。連続・循環・対称といった造形が特徴です。
- 青海波 — せいがいは
穏やかな波が続く様子に、平穏と末永い幸せを願います。 - 七宝 — しっぽう
円の連なりに、縁や調和、円満を表します。 - 麻の葉 — あさのは
成長の早さから健やかな成長を願う文様。魔除けの意味も。 - 市松 — いちまつ
規則正しい連続に、途切れない繁栄を重ねます。 - 亀甲 — きっこう
亀の甲羅に由来し、長寿と吉兆を象徴。 - 鱗 — うろこ
三角形の連なりで、厄を断つ意味を持つ文様。 - 紗綾形 — さやがた
卍を連ね、物事が長く続く願いを表します。 - 唐草 — からくさ
蔓が広がる姿に、生命力と子孫繁栄を託します。 - 立涌 — たてわく
湧き上がる形に、運気上昇の兆しを重ねます。 - 巴 — ともえ
渦の形に、循環と守護の意味を見いだします。 - 雲文 — うんもん
瑞雲に通じ、吉事の前触れを表す文様。 - 分銅繋ぎ — ふんどうつなぎ
富の安定と結びつきを象徴する幾何学文様。 - 毘沙門亀甲 — びしゃもんきっこう
毘沙門天の甲冑文様に由来し、武運や守護を象徴します。亀甲文様の系譜として、長寿や吉兆の意味も重ねられます。 - 矢絣 — やがすり
矢が戻らないことから、前進や決意の象徴。 - 雪輪 — ゆきわ
清浄さと豊作を連想させる意匠。 - 松竹梅 — しょうちくばい
松の常緑、竹のまっすぐな成長、梅の厳寒に咲く姿を重ね、慶びと長寿を象徴します。 - 宝尽くし — たからづくし
さまざまな宝物を並べた吉祥文様で、福徳や繁栄を願う意匠です。 - 籠目 — かごめ
籠の編み目を図案化した幾何学文様。古くから魔除け・厄除けの意味が語られます。 - 檜垣 — ひがき
檜の薄板を斜めに組んだ垣を文様化したもので、整然とした美しさが特徴です。 - 菱文 — ひしもん
菱形を基本にした連続文様。古くから織物などの地紋に見られます。 - 花菱 — はなびし
菱形に花意匠を組み合わせた文様で、繁栄や子孫繁栄などの意味が語られます。 - 松皮菱 — まつかわびし
松の樹皮の重なりを思わせる割付文様として知られ、格調ある意匠に用いられます。 - 宝相華 — ほうそうげ
仏教美術に由来する想像上の花の文様で、格調高い古典柄として扱われます。 - 波千鳥 — なみちどり
波と千鳥を配した文様で、「荒波をともに越える」イメージから家内安全や夫婦円満の意味が語られます。 - 梅文 — うめもん
梅を図案化した文様。万葉以来の「春を告げる花」として、晴れの意匠に用いられてきました。
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