神話と伝承に登場する『乗り物』 56選|空・海・冥界・時空を渡る移動手段一覧

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神話と伝承に登場する『乗り物』 56選|空・海・冥界・時空を渡る移動手段一覧 神話・伝説
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海と冥界を渡る伝説の船|神話に見る“死と再生”の旅

アルゴー船、カローンの渡し舟、ナグルファル、太陽の船など、海や冥界を渡る船を紹介。
それは“生と死”“再生と永遠”を結ぶ神話的モチーフ。
神々や英雄が航海する物語には、人類の祈りと希望が込められています。

 

  1. 天磐船(あまのいわふね)
    【日本神話】
    『日本書紀』に登場する、神々が高天原から地上へ降る際に使用した船。天と地を結ぶ神聖な乗り物であり、「天の川を渡る船」としても語られる。
  2. 速鳥(はやとり)
    【日本伝承】
    ひと楫で七つの波を越えるという、伝説の超高速船。仁徳天皇の時代、巨大なクスノキから造られたとされ、その速さから「速鳥」と名付けられた。日本最古の“神速の船”伝説のひとつ。
  3. 亀甲船(きっこうせん)
    【朝鮮伝承】
    李氏朝鮮時代、将軍・李舜臣が率いた水軍の軍艦。鉄板で覆われた甲羅状の外観を持ち、砲を備えていた。後世では、龍の頭を持つ伝説的な「空も飛ぶ船」として語られることもある。
  4. カルーチェ(Caleuche)
    【チロエ神話(南米チリ)】
    夜の海を航行する幽霊船。音楽と笑い声を響かせながら現れ、海で亡くなった者の魂を乗せてゆくという。「魔法船(Buque de Arte)」とも呼ばれる幻想的な伝承。
  5. アルゴー船(Argo)
    【ギリシア神話】
    英雄イアソンとアルゴナウタイの冒険に用いられた船。船首には神託を授かる喋る樫の木が取り付けられていた。人智と神の導きを象徴する船。
  6. オレルスの骨船
    【北欧神話】
    魔法の呪文が刻まれた骨で造られた船。漕ぐだけで風を呼び、荒海をも自在に渡ることができるとされる。死と魔術を象徴する不気味な乗り物。
  7. 枯野(かれの)
    【日本神話】
    淡路島の水を汲むために造られた船。朽ちたのち、その木は塩を焼く燃料となり、さらに遠くまで響く琴の材料にもなったとされる。命の循環と再生の象徴。
  8. カローンの渡し舟
    【ギリシア神話】
    冥界の川ステュクスを渡る死者の魂を運ぶ舟。渡し守カローンに銀貨を支払わなければ、永遠に河岸をさまようとされた。死後の旅路の象徴。
  9. パイエーケス人の船
    【ギリシア神話】
    『オデュッセウス』に登場する自動航行の船。ハヤブサのように速く、操舵手を必要とせず、霧や暗闇でも安全に進むことができる。古代の“魔法のテクノロジー”ともいえる存在。
  10. フライング・ダッチマン(Flying Dutchman)
    【ヨーロッパ伝承】
    永遠に海をさまよう呪われた幽霊船。罪を償うため、嵐の中を決して港に戻れず航行し続けるとされる。西洋では「死の前兆」としても語られる。
  11. フリングホルニ(Hringhorni)
    【北欧神話】
    神バルドルが所有したとされる大船。世界最大の船で、彼の葬儀の際に燃やされ、神々の悲嘆と再生を象徴する儀式の中心となった。
  12. プリドゥエン(Prydwen)
    【アーサー王伝説】
    アーサー王が所有する船。遠征や冥界への旅に使用されたとされる。後の作品では盾の名前としても登場し、王の守護と冒険の象徴となっている。
  13. ナグルファル(Naglfar)
    【北欧神話】
    死者の爪で作られたとされる巨大な船。終末の戦いラグナロクの際、巨人と死者の軍勢を乗せてアースガルズへ攻め込む。破滅と再生の境界を渡る不吉な舟。
  14. ノアの方舟(Noah’s Ark)
    【旧約聖書/キリスト教】
    神が地上の堕落を清めるために起こした大洪水から生き延びるため、ノアが命じられて建造した巨大な船。各動物のつがいと家族を乗せ、40日40夜の雨を耐え抜いた。新しい世界と契約の象徴。
  15. マヌの船(Manu’s Boat)
    【インド神話】
    最初の人間マヌが魚神ヴィシュヌの助言で造った船。洪水が世界を覆う中、神の化身マツヤ(魚)が船を牽き、ヒマラヤの頂へと導いた。生命の再生とカルマの浄化を象徴する物語。
  16. デウカリオーンの船(Deucalion’s Ark)
    【ギリシア神話】
    ゼウスの怒りによって世界が洪水に沈む際、プロメテウスの子デウカリオーンと妻ピュラーが木造の箱舟に乗って救われた。漂着後、石を投げて新たな人類を生んだという創世伝説。
  17. ウトナピシュティムの船(Utnapishtim’s Ark)
    【メソポタミア神話/ギルガメシュ叙事詩】
    神エアの啓示を受けたウトナピシュティムが、大洪水を避けるために作った巨大な船。6層7階の構造で、あらゆる生物を乗せて生き延びた。最古の洪水神話とされ、ノアの方舟の原型と考えられる。
  18. ベルゲルミルの箱舟(Bergelmir’s Ark)
    【北欧神話】
    巨人族の始祖ベルゲルミルが、原初の神ユミルの血潮による大洪水から逃れるため、木の箱に乗って助かった。以後の巨人族の祖となり、北欧における「人類再生」の象徴とされる。
  19. セスルームニル(Sessrúmnir)
    【北欧神話】
    女神フレイヤの宮殿の名であり、同名の船も存在する。広く優雅な船として知られ、戦士たちの魂をヴァルハラへ導く役割を担うともいわれる。愛と死を司る女神の象徴的乗り物。
  20. スキーズブラズニル(Skíðblaðnir)
    【北欧神話】
    豊穣神フレイが所有する魔法の帆船。帆を張れば常に順風を受け、どんな海でも航行できる。巨大な船だが折りたたむと小袋に入るほどになり、北欧神話における究極の技術の象徴。
  21. スクワバ・トゥインネ(Sguaba Tuinne)
    【アイルランド神話(トゥレンの子らの最期)】
    光の神ルーが所有した魔法の船。海を静かに、しかし速く進むことができる。日本語訳では「静波号」とも呼ばれ、戦いと知恵の神の品格を象徴する。
  22. 太陽の船(Solar Barque)
    【エジプト神話】
    太陽神ラーが日々天空と冥界を渡るために乗る船。昼は「マアトの船(Matet)」、夜は「セクテトの船(Seqtet)」と呼ばれ、太陽の再生と循環を象徴する神聖な存在。 古代の壁画やピラミッド遺跡にも描かれている。
  23. 鳥之石楠船神(とりのいわくすふねのかみ)
    【日本神話】
    イザナギとイザナミの間に生まれた神で、鳥のように空を飛ぶことができる。「天鳥船神(あめのとりふねのかみ)」とも呼ばれ、神々の移動を助ける“生きた船”として崇敬される。
  24. 天乃羅摩船(あめのかがみのふね)
    【日本神話】
    ガガイモの実を船に見立て、スクナビコナ神が海を渡る際に使用したとされる小舟。小さな神の偉大な旅を象徴する神話的エピソード。
  25. 虚舟(うつろぶね/うつぼぶね)
    【日本の民話】
    各地の伝承に登場する謎の舟。異国の女性が乗って漂着したとされ、外見や装飾が当時の技術を超えていたことから「UFO伝説」の起源ともいわれる。科学未満の神秘を象徴する舟。
  26. 宝船(たからぶね)
    【日本・中国伝承】
    七福神や八仙が乗り、富と幸福を運ぶとされる船。正月にはこの船の絵を枕の下に敷くと良い夢を見ると伝えられる。繁栄・開運の象徴として長く親しまれている。
  27. カウニトニ(Kaunitoni)
    【フィジー神話】
    祖先たちが南太平洋の島々へ渡る際に乗ってきたとされる伝説の船。移住・開拓の象徴であり、航海術と祖先信仰の中心的存在として語り継がれている。
  28. カルーチェ(Caleuche)
    【チリ・チロエ神話】
    濃霧の日にだけ姿を現す幽霊船。他の船の乗員を救ったり、海の霊を乗せたりする善なる側面も持つ。高速で移動し、魔法と自然の境界を象徴する幻想的な船。

 

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