日本の古武器 83選||刀・槍・暗器・捕具などの武器一覧

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日本の古武器 83選||刀・槍・暗器・捕具などの武器一覧 伝統・文化
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古代武器|倭国・古代日本で使用された長柄武器

  1. 戈|か
    中国起源の横向きの刃を備えた古代長柄武器。弥生時代に倭国にも伝来し、当初は武器として想定されたが、次第に祭具としての性格も強まった。
  2. 矛|ほこ
    古来より存在する長柄武器。儀礼具として神社で目にするが、戦闘用武器としても用いられた。
  3. 手槍|てやり
    短い槍で、片手で扱える機動性が特徴。接近戦や護身用に使われた。

 

弓・投擲兵器|遠距離攻撃用武器

  1. 和弓|わきゅう
    長大で非対称な日本古来の弓。弓術・弓馬術など多様な武芸の中心武器で、射程と威力が高い。
  2. 長弓|ちょうきゅう
    背丈を超える長さの弓。古代から実戦で使われ、強い張力と貫通力を持つ。
  3. 流鏑馬用矢|やぶさめようや
    騎射(流鏑馬)で用いられる特別な矢。軽量・安定性に優れ、的中精度が求められた。
  4. 火矢|ひや
    先端に火薬や燃料を仕込んだ矢。城攻め・城防衛の火攻めに使用された。
  5. 撒菱|まきびし
    鉄製の四棘状武器。投げて地面に撒き、追撃の足を止めたり進路を封じるために使った。
  6. 石礫|いしつぶて
    投石による攻撃を指す兵器。古代〜中世において正式な戦法として利用された。

 

単純武器・攻城用武器|身近な物が武器となった実例

  1. 木刀(実戦用)|ぼくとう
    稽古用の印象が強いが、戦国期には実戦で使われた記録も残る。軽量で取り回しがよく、奇襲に適した。
  2. 大木槌|おおきづち
    建築や農作業用の大槌を戦闘に転用。門扉破壊や攻城戦で用いられた。
  3. 盾(戦闘用)|たて
    防具だが、押し込み・打撃・遮蔽など攻防両面に用いられた。古代から中世まで広く使用。

 

特殊武器|構造や用途が特異な実戦武具

  1. 兜割|かぶとわり
    刀ではなく、厚い鉄棒や金属製の刃を持つ打撃武器。兜を“割る”という名のとおり、強打を目的とした武具で、護身具としても携帯された。
  2. 角指|かくし
    棘の付いた指輪型の暗器。角手・万力とも呼ばれ、指にはめて握ることで、掴み・殴打の際に相手の肉に棘を食い込ませる。護身・捕物・暗殺用の特殊武具として伝わる。
  3. 鉄柱(武器)|てっちゅう
    鉄棒状の武器で、重く破砕力に優れる。打撃による制圧・破壊を目的に用いられた。

 

破砕武器|金属棒・重武器として使用

  1. 金砕棒|かなさいぼう
    八角形の木棒に金属を巻いた重打撃武器。重量があり、鎧越しにも大きなダメージを与える。鬼の棍棒のイメージの元にもなった。
  2. 金棒(鉄棒)|かなぼう
    全金属製の棍棒で、破壊力が極めて高い。主に戦場よりも護身用・力自慢の象徴として扱われたが、実在武具として資料が残る。
  3. 蛭巻|ひるまき
    鉄板をらせん状に巻き付けた棍棒。耐久性と打撃威力に優れ、古武具として実例がある。

 

僧兵・足軽系武器|山寺・城下で用いられた実戦武具

  1. 薙刀長巻(僧兵)|なぎなたながまき
    長巻の一種として用いられた長柄刀。史料上は薙刀と長巻が混同される例も多く、特に僧兵が用いた大振りの長柄刀は、その中間的な形態として扱われることがある。
  2. 棒(足軽武器)|ぼう
    足軽が装備した最も単純な武器のひとつ。安価・軽量で扱いやすく、槍の代用としても用いられた。
  3. 長柄槌|ながえづち
    大槌を長柄化した武器。攻城戦や門の破壊に使われた実戦武具。
  4. 手投げ火薬玉|てなげかやくだま
    火薬を仕込んだ手投げ爆薬。城攻め・防衛の火攻めに用いられ、戦国期の実戦記録が残る。

 

名物・特殊構造武器|固有の名称を持つ実在武器

  1. 日本号|にほんごう
    天下三名槍の一つ。福島正則など名だたる武将が所持した巨大な槍で、堂々たる槍身で知られる。
  2. 御手杵|おてぎね
    大柄な穂を持つ名槍。戦国武将の象徴として伝わり、名物槍として歴史に名を残す。
  3. 蜻蛉切|とんぼぎり
    本多忠勝の愛槍として有名。蜻蛉が飛んできて刃に触れた瞬間に切れたという伝説を持つ切れ味の象徴。
  4. 薙刀直し(刀)|なぎなたなおし
    薙刀を打刀や脇差・短刀として再成形した刀。薙刀が戦場で使われなくなったのに伴い、実戦向きの刀剣として仕立て直された実例が多く残る。

 

その他・補完武器|日本の戦闘文化に実在した武具

  1. 投石(武器化)|とうせき
    石を武器として戦術的に投げる戦法。古代〜中世において正式な戦闘手段のひとつとされる。
  2. 戦斧(鉞・まさかり)|せんぷ/まさかり
    木こり用の斧が戦闘にも転用され、特に城攻め・破壊作業で活躍した。

 

 それぞれの武器が語る物語

日本の武器は、単なる戦いの道具ではなく、その時代を生きた人々の知恵や工夫が凝縮された歴史そのものです。刀や槍の美しい造形、鎖鎌や十手の技巧、火縄銃の革新性──それぞれの武器に物語があります。
今回の一覧が、あなたの学習や創作、さらに深い探求のきっかけになれば幸いです。

FAQ よくある質問

日本の武器にはどんな種類がありますか?

日本の武器には、刀剣(日本刀・太刀・脇差)、槍・薙刀、棒・棍、鎖鎌・分銅などの暗器、十手や刺叉のような捕具、火縄銃などの火器、そして琉球武器(サイ・トンファー)などがあります。歴史ごとに役割と形が異なり、多様な武器体系が存在します。

日本刀と太刀の違いは何ですか?

日本刀は刃を上にして帯に差す武器で、徒歩戦を中心に使われました。太刀は刃を下にして吊るす武器で、主に騎馬戦に適した構造です。形状は似ていますが、用途・携帯方法・戦術が異なります。

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