中国拳法には、少林・武当・南拳・八卦掌・螳螂拳など、地域や思想の違いから生まれた多彩な流派が存在します。
ここでは、代表的な拳法を内家拳・南派拳・動物拳・螳螂拳といった体系の特徴に触れながら、読み方や基本的な性質とともに紹介していきます。
中国拳法の名称一覧
出典・参考：Wikipedia – List of Chinese martial arts
ここで紹介している名前は、創作・文章表現のヒントとして気軽に楽しんでいただくことを目的としています。意味や由来には複数説があるため、興味があればご自身でも調べてみてください。背景を知るほど名前選びはもっと楽しくなります。
※正しい発音・意味等は辞書などでご確認ください。
※ 掲載されている情報の正確さにはできる限り留意していますが、誤り等がありましたらお知らせください。
1. 内家拳（意・気・身法を重視する体系）
- 太極拳｜たいきょくけん｜Tàijíquán｜タイジーチュエン
ゆっくりとした動作の中に発勁・推手の技術を含む代表的内家拳。呼吸・意念・全身連動を重視する。 - 陳式太極拳｜ちんしきたいきょくけん｜Chénshì Tàijíquán｜チェンシー タイジーチュエン
太極拳最古の流派で、纏絲勁と爆発的な発勁を多用するダイナミックなスタイルが特徴。 - 楊式太極拳｜ようしきたいきょくけん｜Yángshì Tàijíquán｜ヤンシー タイジーチュエン
世界で最も普及する太極拳。大きく安定した動作で構成され、健康法としても広く知られる。 - 呉式太極拳｜ごしきたいきょくけん｜Wúshì Tàijíquán｜ウーシー タイジーチュエン
小さく繊細な身法と省スペースでの練習に適した姿勢が特徴。推手に優れた流派。 - 孫式太極拳｜そんしきたいきょくけん｜Sūnshì Tàijíquán｜スンシー タイジーチュエン
太極・形意・八卦の要素を融合した内家拳。軽快なステップと開合を重視する。 - 形意拳｜けいいけん｜Xíngyìquán｜シンイーチュエン
直線的攻撃と五行理論を基礎にする内家拳。強烈な発勁による速攻型武術。 - 心意六合拳｜しんいりくごうけん｜Xīnyì Liùhéquán｜シンイー リウフーチュエン
動物の力学を取り入れた剛猛な内家拳。内三合・外三合による身体統一を重視する。 - 意拳（大成拳）｜いけん｜Yìquán｜イーチュエン
站椿功（立禅）を中心とし、型を用いず意念の鍛錬によって力を養う20世紀発展の内家拳。 - 太極螳螂拳（内家＋螳螂の複合）｜たいきょくとうろうけん｜Tàijí Tánglángquán｜タイジー タンランチュエン
太極の円転動作と螳螂拳の絡め技を融合した特殊系統。
2. 少林系拳法（北派・寺院系の伝統体系）
- 少林拳｜しょうりんけん｜Shàolínquán｜シャオリンチュエン
中国武術を象徴する体系。長拳・短打・器械・気功を含む膨大な伝統拳法の総称。 - 羅漢拳（少林羅漢）｜らかんけん｜Luóhànquán｜ルオハンチュエン
仏門の羅漢を象徴する技が多く、少林拳の基礎と象徴性を兼ねた套路群。 - 少林梅花拳｜しょうりんばいかけん｜Shàolín Méihuāquán｜シャオリン メイフワチュエン
梅花の五方位身法を強調した伝統套路。少林拳の古典的流派の一つ。
3. 南派拳法（福建・広東・香港系の実戦武術）
- 南拳｜なんけん｜Nánquán｜ナンチュエン
南方武術の総称。低い馬歩・強い橋手・短距離の爆発力を特徴とし、実戦性が高い。 - 洪家拳（洪拳）｜こうかけん｜Hóngjiāquán｜ホンジアチュエン
五形拳（龍虎豹蛇鶴）を用い、強固な馬歩と重い橋手で接近戦を制する南派の代表門派。 - 白眉拳｜はくびけん｜Báiméi quán｜バイメイチュエン
僧・白眉道人が伝えたとされる南派拳。短橋手・細かい体重移動による強烈な連撃が特徴。 - 白鶴拳｜はっかくけん｜Bái Hèquán｜バイフーチュエン
女性拳士の方七娘が創始したと伝わる。鶴の刺突・跳躍を模した実戦重視の南拳で、空手への影響も大きい。 - 永春白鶴拳｜えいしゅんはっかくけん｜Yǒngchūn Bái Hèquán｜ヨンチュン バイフーチュエン
福建省永春県発祥の白鶴拳本流。軽快かつ鋭い手技を特色とする。 - 詠春拳｜えいしゅんけん｜Yǒngchūnquán｜ヨンチュンチュエン
中心線理論と“連打”で有名な実戦拳。葉問→ブルース・リーで世界的に普及した接近格闘拳法。 - 虎鶴双形拳｜こかくそうけいけん｜Hǔhè Shuāngxíngquán｜フーヘー シュアンシンチュエン
虎の剛と鶴の柔を併せ持つ福建系混成拳。南派武術の中でも均整の取れた構成を持つ。
4. 動物拳（象形・象意を用いる伝統武術）
- 虎拳｜こけん｜Hǔquán｜フーチュエン
虎の力強さを象徴する象形拳。重い当身、強い踏み込み、捕え技が特徴。 - 黒虎拳｜こくこけん｜Hēihǔquán｜ヘイフーチュエン
虎拳の派生で、より攻撃的で剛猛な動作を主体とする。南北どちらにも伝承がある。 - 白虎拳｜びゃっこけん｜Báihǔquán｜バイフーチュエン
敏捷性の高い虎拳の流派。鋭い手刀・連撃・跳躍を得意とする。 - 龍拳｜りゅうけん｜Lóngquán｜ロンチュエン
龍のねじれ・旋回・強靭さを模した象形拳。攻守が円転し、優雅さと力強さを兼ねる。 - 蛇拳｜じゃけん｜Shéquán｜シーチュエン
蛇のうねり動作や刺突攻撃を模倣した拳法。細かい体重移動と速い指法が特徴。 - 豹拳｜ひょうけん｜Bàoquán｜バオチュエン
豹のスピード・跳躍を象徴。短距離からの爆発的攻撃を得意とする。 - 猴拳（猿拳）｜こうけん｜Hóuquán｜ホウチュエン
猿の敏捷さとトリッキーな動きを模した象形拳。跳躍・転身・奇襲技に優れる。 - 鷹爪拳｜ようそうけん｜Yīngzhǎoquán｜インヂャオチュエン
鷹の爪を模した抓技（つかみ）を主体とする拳法。関節技や捕捉技術で有名。 - 蝴蝶拳｜こちょうけん｜Húdiéquán｜フーディエチュエン
蝶の優雅で軽やかな動きを模した拳。回転・滑るような身法が特徴。
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