中国の龍の種類一覧 40種類|神話・風水・伝承・山海経に登場する龍

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中国の龍の種類一覧 40種類|神話・風水・伝承・山海経に登場する龍 神話・伝説
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中国の龍には、応龍・蛟龍・螭龍、そして「龍生九子」をはじめとする多くの種類があり、それぞれに異なる意味や性質が込められています。
ここでは、40種類の龍を、由来・特徴・象徴性とともにわかりやすく整理しました。

創作・デザイン・ネーミングなどにも応用できる、“使える知識”としてまとめています。
気になる龍があれば、ぜひさらに深掘りし、あなた自身の世界づくりにも活かしてみてください。

出典:Wikipedia – 龙

 

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1. 古典に記録される“正統の龍”

古代中国の文献に登場するさまざまな龍の姿と特徴をまとめた内容です。龍の基本的なかたちをはじめ、蛟や螭との違い、蜃や蟒が示す意味などをわかりやすく整理しています。

 

1. 龍(りゅう)|龍 / Lóng|ロン

中国神話における最上位の霊獣。風・雨・雷を司り、権威と繁栄の象徴として崇拝された。古代では皇帝の象徴であり、天と地をつなぐ存在として信仰の中心に置かれてきた。

 

2. 虯龍(きゅうりゅう)|虯 / Qiú|チウ

若い龍を指し、巻いた角をもつのが特徴。「虯」は「角のある若い龍」を意味し、『説文解字』にも記録される。後世では青龍の若い姿と解釈されることもある。

 

3. 螭龍(ちりゅう)|螭 / Chī|チー

角のない龍を指す語で、形が整い静かな性質をもつとされた。螭は龍の中でも柔和な形として文献に登場し、建築・装飾にも使われる重要な龍種。

 

4. 蛟龍(こうりゅう・みずち)|蛟 / Jiāo|ジャオ

水に棲む龍で、まだ完全に龍へ成長していない存在。洪水・水害を起こす力を持つとされ、『山海経』『楚辞』など多数の古典に登場する。

 

5. 蟒(もう)|蟒 / Mǎng|マン

巨大な蛇で、龍へ進化する前段階の存在。龍と蛇が同一視された古代において重要な概念で、『本草綱目』などで龍との関係が語られている。

 

6. 蟠龍(はんりゅう)|蟠龙 / Pánlóng|パンロン

とぐろを巻いて伏す姿の龍。建築や装飾に多く使われ、荘厳さ・守護・安定を象徴する。漢代の瓦・玉器などにも写実的な蟠龍が多く残る。

 

7. 螭吻(ちいん・ちもう)|螭吻 / Chīwěn|チーウェン

建築屋根の端に置かれる龍形の神獣。火災除けの守護として扱われ、『宋史』にも記録が残る。龍の化身として寺院・宮殿に多用された。

 

8. 虹蜺(こうげい)|虹蜺 / Níngmí|ニンミー

「虹は二匹の龍が交わる姿」とされる古代中国の自然観を表す概念。『説文解字』に明確な記述があり、虹そのものを龍の現象として理解していた。

 

9. 蜃(しん)|蜃 / Shèn|シェン

蜃気楼を生む龍とされる。巨大な貝の姿で描かれることもあるが、『淮南子』では「蜃が気を吐くと楼閣が見える」と記され、龍の一種として扱われる。

 

10. 蟠螭(ばんち)|蟠螭 / Pánchī|パンチー

螭(角のない龍)が伏してとぐろを巻く姿を示す語。文献や装飾意匠に多く使われ、螭と蟠龍の性質を併せもつ伝統的な龍形表現。

 

2. 神話・伝説に登場する特異な龍の種類

『山海経』や『淮南子』に登場する、個性豊かな龍たちをまとめています。翼を広げて空を舞う応龍、光を操る燭龍など、それぞれがもつ神秘的な力や役割を通して、古代の人々が龍に託したイメージや世界観を感じられます。

 

1. 應龍(おうりゅう)|應龍 / Yìnglóng|インロン

翼をもつ神格化された龍。黄帝と蚩尤の戦いを助けた功績があり、『山海経』では水を司る存在として描かれる。大地を平らにし、河川を整える力を持つとされる最上位の神龍。

 

2. 燭龍(しょくりゅう・しょくいん)|燭龍・燭陰 / Zhúlóng|ジューロン

赤い体と巨大な目をもつ光の神龍。『山海経・大荒北経』に登場し、目を開くと昼になり閉じると夜になるとされる。季節や風を司る自然神として重要な位置を占める。

 

3. 驪龍(りりゅう)|騮龍 / Lílóng|リーロン

黒い色をもつ龍とされ、山海経に登場する古い龍種。深い湖や山間部に棲み、人々に瑞兆や高貴さをもたらす存在として語られる。

 

4. 禺強(ぐうきょう)|禺強 / Yúqiáng|ユー チアン

龍の頭と人間の体をもつ神。『山海経』では海を渡る神として描かれ、風を操り水上を自由に進む力を持つ。航海の守護神として信仰された記録もある。

 

3. 龍の状態や意味を示す概念(易経系)

易経に登場する「潜龍」「見龍」「飛龍」など、龍を通して物事の状態や段階を表す言葉をまとめています。発展の過程を龍になぞらえる独特の考え方に触れることで、四字熟語や占いに込められた背景やイメージもつかみやすくなります。

 

1. 潜龍(せんりゅう)|潜龙 / Qiánlóng|チエンロン

『易経』乾為天における象徴で、力を蓄えながら時を待つ段階の龍を示す。才能を隠し、慎重に準備を整えるという意味をもち、忍耐や静かな成熟を象徴する概念として使われる。

 

2. 見龍(けんりゅう)|见龙 / Jiànlóng|ジエンロン

姿を現し始めた龍を指し、『易経』で物事が動き出す段階を象徴する。才能が表面化し、周囲に認められはじめる状態を表し、行動と前進の兆しとして理解される。

 

3. 飛龍(ひりゅう)|飞龙 / Fēilóng|フェイロン

天に昇る龍の姿を表す象徴語で、『易経』では最盛期・成功・飛躍を意味する。行動力と勢いが揃った状態として、多くの占いや格言の基礎概念にも用いられる。

 

4. 亢龍(こうりゅう)|亢龙 / Kànglóng|カンロン

高みへ行き過ぎた龍を表し、『易経』では勢いの絶頂から衰退に向かう危険な状態とされる。過度の自信や油断を戒める象徴として、慎重さを促す意味合いが強い。

 

5. 逆鱗(げきりん)|逆鳞 / Nìlín|ニィーリン

「逆鱗に触れる」は『韓非子』の記述で、龍の触れてはならない一枚の鱗を指す。怒りの象徴として広く使われ、王や権威者の急所・禁忌を示す言葉として定着している。

 

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