外来種とは
外来種は、他の地域から人為的に持ち込まれた生物のことです。この外来種は、生態系や経済に重大な影響を与えることがあり、環境問題のひとつとして扱われています。
日本の国外で外来種となる日本産の生物
日本では日本国外の動植物が外来種として意識されていますが、日本国外では逆に日本産の動植物が外来種として問題となっている事例もあります。
ここでは、外来種として日本から海外に侵出して定着した日本産の動植物のうち、生態系や経済に大きな影響を及ぼしている生物をしょうかいしていきます。
動物
海外で外来種とされる日本の生物 | |
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アカオビシマハゼ 被害が出ている地域:オーストラリア 船舶のバラスト水に混入して定着したのではないかと考えられており、アメリカやオーストラリアで外来種として扱われています。 | |
カブトムシ 被害が出ている地域:東南アジア、特に台湾 台湾では外来種に指定されています。 | |
キヒトデ 被害が出ている地域:オーストラリア ヨーロッパやオーストラリアなど天敵のいない地域では猛烈に増え、在来の二枚貝類を食い尽くすなど猛威をふるっている。 | |
キンギョ 被害が出ている地域:アメリカ 飼育放棄者による放流などが原因で、北米など世界各地で侵略的外来種となっている。繁殖力が旺盛であり、オタマジャクシなどを食い尽くすことがあると言われる。また寄生虫やコイヘルペスウイルスの宿主としても問題視されている。 | |
クロヨシノボリ 被害が出ている地域:ペルシャ湾 | |
コイ 被害が出ている地域:錦鯉 低温に対する耐性や、雑食性で何でも口する貪欲さ、さらに60センチ・メートルを超える大きさにまで育ち、大きくなると天敵がほとんどいなくなるといった特徴がある。実際国際自然保護連合では、コイを世界の侵略的外来種ワースト100のうちの1種に数えている。 | |
ゴマダラカミキリ 被害が出ている地域:北アメリカ 幼虫は広葉樹ならほぼ全ての樹種に穿孔し内部を食害する。穿孔された木は樹勢が弱まる、酷い場合は枯死するといった被害を受ける。 | |
タヌキ 被害が出ている地域:ヨーロッパ 毛皮用にロシアに持ち込まれたタヌキの一部が脱走してそのまま住みついた。その勢力は東欧を越え、フランスやイタリア等にも広がっている。 | |
ナミアゲハ 被害が出ている地域:ポリネシア、ハワイ諸島 幼虫が、野菜や果物の葉を食い荒らす厄介者。 | |
ニホンジカ 被害が出ている地域:アメリカ、ヨーロッパ 海外に持ち込まれて外来種になったニホンジカによる農作物や森林の食害被害が問題になっている。 | |
ヌマコダキガイ 被害が出ている地域:北アメリカ 汽水性の二枚貝。バラスト水を介してサンフランシスコ湾に侵入し、いまでは海底の単一優先種と化している。動物性プランクトンを大量に消費し、生態系が崩壊する。日本では希少種である。 | |
ヒトスジシマカ 被害が出ている地域:北アメリカ 冬眠できるので温帯や亜寒帯にまで分布を広げている。おそらくは東アジアから北米へ輸出された古タイヤの雨水に潜んでいたボウフラがアメリカ東部に定着し、そこから欧州、中南米、中東に分布を広げた。西ナイル、チクングニア熱、黄熱、デング熱などの熱病を媒介する。 | |
ホソウミニナ 被害が出ている地域:アメリカ 20世紀前半に日本から北米の西海岸に持ちこまれた養殖用のカキに紛れこんだものが大繁殖し、勢力を広げている。 | |
マイマイガ 被害が出ている地域:北アメリカ 幼虫は広葉樹、針葉樹、草本を区別なく食い尽くす森林害虫で、定期的に異常発生を繰り返すことで知られる。天敵のいない北アメリカに侵入した一群の異常発生が問題になっている。 | |
マハゼ 被害が出ている地域:オーストラリア 卵や稚魚が船のバラスト水と一緒に運ばれて定着したらしい。オーストラリアや米国で侵略的外来種。 | |
マイマイガ 被害が出ている地域:北アメリカ 幼虫は広葉樹、針葉樹、草本を区別なく食い尽くす森林害虫で、定期的に異常発生を繰り返すことで知られる。天敵のいない北アメリカに侵入した一群の異常発生は止むところがなく、問題になっている。 | |
マメコガネ 被害が出ている地域:北アメリカ マメコガネは天敵の少ない北アメリカで一気に分布を広げ、重大な農業害虫となってしまった。日本発の外来種であることから、現地では”Japanese beetle” |
植物
海外で外来種とされる日本の生物 | |
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アケビ 被害が出ている地域:北アメリカ 19世紀に鑑賞用として移入。米国、英国ではアケビが侵略的外来種になっている。 | |
イシミカワ 被害が出ている地域:北アメリカ 特に東アジアから移入されて近年その分布が広がりつつある北アメリカでは、その生育旺盛な様子からMile-a-minute weed(意:1分で1マイル草)、あるいは葉の形の連想からDevil’s tail tearthumb(意:悪魔の尻尾の tearthumb ・ tearthumb はミゾソバに近縁なタデ科の草)などと呼ばれ、危険な外来植物として警戒されている。 | |
イタドリ 被害が出ている地域:ヨーロッパ、北アメリカ 北海道西部以南の日本、台湾、朝鮮半島、中国に分布する東アジア原産種。世界の侵略的外来種ワースト100 選定種のひとつ。19世紀に観賞用としてイギリスに輸出され、旺盛な繁殖力から在来種の植生を脅かす外来種となり、コンクリートやアスファルトを突き破るなどの被害が出ている。 | |
クズ 被害が出ている地域:北アメリカ 世界の侵略的外来種ワースト100選定種のひとつ。蔓性で草地を這い回り、あちこちで根を下ろす。地上部の蔓を刈り取っても、地下に栄養を蓄えた太い根が残り、すぐに蔓が再生するので、駆除するのはほとんど不可能に近い。 | |
スイカズラ 被害が出ている地域:北アメリカ 日本と朝鮮半島が原産のつる性の植物。世界中に移植されていて、移入先で増殖。 | |
ススキ 被害が出ている地域:南北アメリカ 北米では侵略的外来種として猛威をふるっている。 | |
ワカメ 被害が出ている地域:ヨーロッパ、ニュージーランド、オーストラリア 世界の侵略的外来種ワースト100選定種のひとつ。 | |
チガヤ 被害が出ている地域:東南アジア 地下に頑丈な茎を張るので除去が困難で、世界最強の雑草という称号がある。東南アジアなどで森林を破壊すると「アランアラン」と呼ばれる草原になりやすく、そうなると遷移を妨害してなかなか森林が回復しないと言われる。 | |
フジ 被害が出ている地域:北アメリカ 米国の一部の州で、園芸用に持ち込まれたフジが野生化し、侵略的外来種として扱われています。
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菌類・寄生生物
海外で外来種とされる日本の生物 | |
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カエルツボカビ 被害が出ている地域:世界中 世界の侵略的外来種ワースト100選定種のひとつ。カエルツボカビ症は、ツボカビの一属一種の真菌カエルツボカビによって引き起こされる両生類の致死的な感染症である。野生の個体群でのこの疾病に対する効果的な対策は存在しない。日本ではカエルツボカビが昔から自然に存在し、日本の両生類は抵抗力を持っている可能性が高い。 | |
ミツバチヘギイタダニ 被害が出ている地域:全世界 肉食ダニで、ミツバチに寄生して吸血し、バロア病に感染させる。吸血すると幼虫は死滅、蛹は羽化時に翅肢の収縮奇形を起こす。1960年代、日本やロシアでトウヨウミツバチに接触したセイヨウミツバチから伝播し、全世界に被害が拡大した。 |
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