『NO BADY』など短編3話【時空のおっさんシリーズ】洒落怖名作まとめ

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『NO BADY』など短編3話【時空のおっさんシリーズ】洒落怖名作まとめ 不思議な話
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h2>NO BADY

 

2ヶ月ぐらい前に体験したことです。
もしかしたら夢だったのかもしれませんが聞いて下さい。

朝、起きたのが10時だった。
『もう、10時か・・・』
現在、大学は9時半から始まるワケだが
いつも少し遅刻して行く自分は焦ることはなかった。
ちなみに
オレの家から大学まで3分ぐらい付く距離。

朝の朝食(前日の残り物)を食べダラダラと支度をしてたんで、結局大学についたのが10時24分。(携帯で確認)

大学の中にはヒトは全くいなかった。
というかゼロの状態。
自分は
『皆、授業にちゃんと出てて偉いな』
そんなことを思っていた。

 

 

それで、自分は教室に向かった。
教室に着き、中に入ってみると誰もいない。
『アレ?もしかして教室間違えた。』
と思い、紙で確認したら
やっぱし、今日の講義がある教室。

おかしいなと思い、部屋を出ようとした瞬間に携帯がなった。

ここからが、一番不思議なことなんだけど、その携帯の表示が
『NOBODY』
って英字でかかれてのよ。
こんな英字とかって絶対に表示されませんよね?

オレは、この時何を思ったか電話に出てしまった。

 

 

『はい、もしも・・・』
と言った瞬間に

「お前、何でここにいるんだ!!」

おっさんの声だった。

『あなた誰です?』

「そんなことはどうでも良い!!どうやってここに入ってきた!!」

『はい?あなた何を言ってるんですか?』

「外を見て見ろ!」

『いたずら電話は止めてください!!』
といい、オレは電話を切った。

『・・・』
しかし、少し気になり、教室のベランダ(2階)から外を見て見た。
すると、教室から大学のグランドが見える。
その中央にオッサンが立っているのが見えた。
よくよく見ると、携帯電話らしきものを耳に当てているのが見えた。

 

 

オレがマジマジとおっさんらしき人物を見ているとおっさんがオレの方にゆっくり顔を移動させた。
『ヤバイ!!』
オレはそう実感した。

すると、おっさんポケットに手を入れたんだ。
オレは何か分からないが危険と察知して、ベランダからダッシュで出て教室から出た。
その瞬間、体が伸びるような、初めての感覚に襲われた。

『な、なんだ!!』

と思っている時、目が覚めた。
自分の部屋でオレは寝ていた。
時刻は8時丁度だった。

 

 

不思議な夢を見たな。
そう考えながら大学の準備をしていると
ある異変に気づいた。

冷蔵庫を開けると
前日の夕飯の残り物がなかった。
台所にその食器だけが置いてあった。

オレは、今でも思う。
あの時見た、おっさんは時の番人ではないのか?
ちなみに、おっさんの声も、見たときの姿などは一切覚えていない。
でも、おっさんだという感覚だけは覚えている。
なぜかは分からないが・・・。

 

 

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NO BADY2

 

今でもあれが何だったのか判らないし、もしかしたら夢だったのかもしれないけど今まで生きてきて初めて体験した不思議な体験です。

一昨年の冬、丁度これからクリスマスって頃、12月10~31日位の間、主要駅に程近い場所にある某デパートの前で、最近めっきり売り上げを落としているインスタントカメラの街頭販売を任されていた。(当時派遣会社のバイトで直接はカメラ屋の店員ではなかったけど、街頭販売の人材として派遣されてた)最近はすっかりデジカメに需要を乗っ取られて、このままじゃインスタントカメラはいずれ滅びるなーなんて店長がぼやく中、責任感がそれなりに強かった私は、自分がこれに携わったからには売り上げ伸ばしてやらなくちゃ、なんて結構真面目に働いてた訳ですよ。

デパートは10時に開店なんで、朝9時半には中に入って、街頭販売用のセットを出して、10時開店と同時に仕事開始。夜8時までほぼ丸一日デパートの外に立って販売をやるわけですが、毎日丸一日それなりに栄えるデパートの前で販売やってるとまあ、色んな人がいるんですよね。全身ピンクのド派手で、いっつも誰かにつっかかってる50代くらいのおばはんとか、見た目はごく普通の中年のおっさんなんだけど、ほぼ毎日丸一日デパートの前をうろついていて、その手には常に火の点いてない煙草を持ってたりしてね、そんな人達は決してカメラは買いませんし、目合わせたらどうなるかわかりませんから無関心決め込んで仕事に従事してましたよ。

 

で、そんな色んな人がいる中で、一人だけどうしても気になってしまった人がいた。
背がひょろりと高くて(180ちょいあったんじゃないかな)痩せ型の中年のおっさん。
中年と言っても髪はボサボサ、髭がモジャモジャ生えてて、眼鏡をかけてるからあれ無くなったら意外と若いかもしれないし、じいさんかもしれない、って感じで年齢不詳。それで毎日気が付いたらそこかしこで現れては、気が付いたらいなくなってる神出鬼没な多分無職。一番奇妙なのは、その時期かなり寒いからね。

誰もがコート着込んでる中、その人はいつ見ても、薄い水色のシャツ一枚にジーパンて姿で、毎日同じ格好。浮浪者にしては全身目立った汚れもなく、本当に一際不思議な感じの男だった。

でも、それだけなら別に良かったのだけど、特にこの男を不思議に感じたのは、その「存在感の無さ」だった。

人の群れが一定の方向に向かう流れの中、彼だけはいつも「逆流」していた。
でも、かなりの人数が一方向に向かう中いつも「逆流」していたわけだが、不思議な事に、誰ともぶつかったりする事も無ければ、そもそも誰一人彼の存在に気付いてすらいない様子だったのだ。(彼は人の群れより少し頭が出ているのでどこにいるかは良く確認出来た)
でもまぁ、あれだけはっきりと見えてる人を「もしかして幽霊かも?」なんてその時は思いつきもしなかったけど。

 

仕事を始めて一週間ちょい過ぎた頃だったと思う。遅刻だけは絶対しないよう心がけてた私だったが、仕事が慣れ初めたちょっとした油断だったのか、朝少しばかり寝坊してしまった。仕事場まで原付で10分程度の所に住んでいて、最低でも9時前には起きていた私がその日は10時ちょっと前に起きてしまって、慌てて身なりも整えないでデパートに急行した。その時いつもの朝と違う奇妙な違和感があった。
原付で主要道を走って来るのだが、一台も車とすれ違わず、人も一人もいなかった。
片田舎で、元々通勤時間もそれ程混雑しない道だったが、一台も走っていないのは明らかに異常だった。でも、遅刻しそうな状況だったので、空いててラッキーぐらいに考えながら、デパートに着いた。到着した時刻は10時だった。

どっちにしても僅かにタイムオーバー、店長へ平謝りするシチュエーションを思い浮かべながら、職員通用口に入ろうとした。すると、職員通用口の扉は開くのだが、中には誰もいない。普段は警備員と、受付の人が必ずいるのだが、誰もいない。
この時には既に「無用心だなぁ」等と常識的に思うより「何かおかしい」と言う異常事態を察知していた。デパート内は照明も点いていて、音楽も流れている。
そこまではいつもと変わらない。けど…人が一人もいない。

 

急に不安になって、ここ(デパート内)から出なきゃ、と思って、慌てて走った。
デパートの正面口に向かって走る。いつも販売してるのは、この正面口の外だ。
ドアを開けて外に出る。すると、驚いた事に、街頭販売用のセットがちゃんとセッティングされていた。何が何だか判らず、そのセットの前でしばらく突っ立っていた私だったが、不意に携帯電話が鳴って、見てみると、発信番号が「非通知」でも「公衆」でも無く、「NOBODY」と表示された着信だった。勿論私の電話帳に「NOBODY」なんて人はいない。もう怖くて怖くて仕方無かったが、何となく出なきゃいけないような気がして、意を決して電話を取った。

「もしもし…?」そう言うと、相手は低くくぐもった男の声で「何でこんな所にいる?」
と聞かれた。私はそいつが何か知ってるのかと思って「こんな所って?仕事で来たんだけど誰もいなくて」と焦ってそのまんまの状況をまくしたてた。すると男は「繋がってしまったか」
と意味不明な事を言った。確かにそう言った。私は電話の男の反応を見ながらも、私がここにいる事を知ってるって事は近くにいて私の存在を確認してるんだと思って、辺りを見回した。

すると、正面口から左に伸びる道の向こうから誰かが歩いて来るのが見えた。私は咄嗟に、そいつは私を助けてくれる常人では無いと思った。
何故ならそいつは向こうを向きながら後ろ歩きでこちらに向かって来ていたからだった。

 

近付くにつれ、そいつは「あの男」だと判った。後姿だけしか見ていないが、薄い水色のシャツにジーパン、ボサボサの髪をした、あの男。どうやら携帯を握っている。電話の男もこの男だった!私は何が起こっているのか判らないまま、お互いが無言の携帯を握ったまま後ろ歩きの男の背を見つめていた。しばらくして、その男の動きがいきなり早くなった。
まるで早送りしているような動きで急速にこちらに向かって来た。
もう急激な恐怖のピークで、携帯を落としてその場で尻餅をついて、ぎゅっと目を瞑る事しか出来なかった。

…いつの間にか気絶?眠ってしまっていた?
気が付いたら自分の家のベッドで目を覚ましていた。何か酷く気分の悪い夢を見たな…と思って、時間を確認しようと携帯を見た。すると、携帯の時刻は10時8分を指していた。
「ぎゃあああ遅刻だ!!」大慌てで仕事場へ急行。その時、やはりあれは夢だったのだろう、と気付いた。車通りも人もいつも通りそれなりにいた。勿論職員通用口には警備員も受付もいつも通りにいた。

私は大慌てで街頭販売用セットの所に向かった。既にセットは出されていて、そこには店長が私の代わりに販売を行っていた。私は平謝りに平謝りを重ねた。店長は初老で温厚な人だったから「いいよいいよ」と笑って許してくれたが、私はどうしようもなく申し訳ない気持ちでずっと下を向いていた。そしてあるものを見つけた。

 

足元に何かプラスチックのカバーのようなものが落ちている。何か見覚えがあった。
何となく「もしや」と思って自分の携帯を取り出して、裏を見ると、私の携帯のバッテリーのカバーが剥がれているのに気付いた。落ちていたカバーを被せると…ぴったりだった。
「いつ落とした?夢の中でなら落としたけど…まさか?!」
そして携帯を開くと時刻は10時8分のまま。嫌な予感がして、携帯を操作するが、動かない。…壊れてる。

ちくしょう!と思いながら何となく辺りを見渡すと、人ごみの中をいつものように逆流して去って行くあの男の姿が見えた。彼はこちらを振り向く事も無く人ごみに消えていった。彼を見たのはこれが最後だった。

あれが本当に起こった事なのかどうか確認するには、着信履歴でも見ればいいのだが何せ壊れて操作不能だし、電話会社の明細を見れば判るのだろうけど、私の元に届く明細は「合計通話時間」しか書かれてなくて確認出来なかった。わざわざ電話会社に問い合わせるのもはばかられて結局調べていないが、この一件のお陰で携帯を替えなきゃいけなくなった事や、友達とかに話しても信じてもらえないむず痒さが残った出来事でした。

 

 

NO BADY3

 

一昨年の夏、私は、海の家にいた。
夏休みの大半を海で過ごそうと20日間バイトをすることにしたのだ。
勿論、泊まる所は海の家の家族の家。
家族の家は、海から30?b程の近い距離。

バイトを始めてから5日、10日と経ち、
特に変わったこともなく
充実した日々が過ぎて行った。

しかし、バイトを始めてから16日目、不可解なことが起こった。

 

その日のバイトが終わった16日目の夜。
夕飯を食べ終えた後、
海の家の子供達が

子供達「海で花火をしよう」

と言ったので花火をすることになった。
海の家の主人は

主人「すまないが、子供達を頼んだよ」

といわれたので私が子供達の保護者となった。
午後9時ぐらいに海に行き花火を始めた。

私は波の音を聞きながら、
傍らで海の家の子供達が花火をしているのを見ていた。

『風が気持ち良い。』

次第に心地よくなり、横になりながら空を見上げていました。
その日は、星が満面に輝いていた。

 

だんだん周りの音が小さくなっていった。
子供達の声も遠退いて行くのが分かった。
私はいつの間にか、星を見ながら寝入ってしまった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ハッ!?
ふっと目が覚めました。

『あれ、いつの間にか寝てたか・・・あ、子供達!?』

花火をしている所を見ると子供がいない。

『ヤバイ!!』

子供達を頼んだよ。
そう言われたのに、自分は寝入ってしまった。
しかも子供達の姿が無い。
嫌な汗が垂れた。
瞬時に

『まさか、海に攫われた!?』

嫌な風が吹いていた。

 

海の方を見てみると不気味に静まり返っている。
いつも見ている海だが、心底不気味な感じがした。

足跡は無いかと思い、
懐中電灯片手に砂浜を良く見てみる。
しかし、昼間のお客さんの足跡が混ざっていて識別は困難。

主人に知らせねば。
私は携帯電話を取り出し主人に電話する・・・が出ない。
携帯の時計は10時43分を指していた。

えっ?こんなに寝てたのか!!
改めて驚いた。

すぐさま、携帯片手に家族の家の元に走った。
電話をしながら走っている間、主人は携帯に出なかった。

『くそっ、こんな時に・・・』

そう思いながら、家の前に着いた。
玄関の電気が青白く光っている。

 

すぐさま、玄関の戸を開けて中に入る。
中を見ると子供達の靴があった。

『あ・・・なんだ先に帰ってたのか。』

一気に不安と恐怖が消えた。
同時に自分に帰る事を告げなかったことに頭に来た。

携帯のボタンをブッっと押した。
とりあえず、主人はお怒りだろうと思い。
主部屋に行った。
・・・誰もいない。

『まだこの時間なら起きてるはずだが・・・』

正直、自分は少し混乱していた。
他の部屋も回ってみる。
誰もいない・・・。
恐怖感が襲ってきた。
靴はあるのに家族の姿がない。
気が狂いそうになった。

 

2階の子供部屋も回ってみる。
やはり誰もいない・・・

『どうなってるんだ・・・』

そう思い部屋の中で、気が狂いそうになりながら
ふっと外を見た。
!?
人だ!?
海に誰か人が立っている。

『誰だ??』

混乱しながらも見ていると
月明かりがその姿を照らした。
おっさん・・・
おっさんらしき人物が立っている。
さっき自分達が花火をしていた所だ。

 

おっさん、何やらごそごそし始めた。
何かをポケットから取り出した。
それを耳に当てた。

【ブルルルルッルルルルル!!!!(本当は着メロだが)】

自分の携帯がなった。
すかさず、電話をとった。

「おまえ・・・ここの人間じゃないな・・・」

おっさんの声だ。

自分は怖くなり携帯電話を床に落としてしまった。
ふっと、窓を見る。
おっさんが、こっちを睨み付けている。
瞬時に分かった。
あいつ、自分に電話したんだ・・・と。

 

自分は金縛りにでもあったかのように
そこを動くことが出来なかった。
再びおっさんはポケットに手を突っ込んだ。
ゴソゴソと何かやっている。
今度は何を出すんだ・・・。
そう思っていると、おっさんの姿がふっと消えた。

『えっ!!』

そう思った瞬間。

「さようなら・・・」

耳元で声が聞こえた。
背筋にむしずが走った。
明らかに、背後におっさんがいる。
自分は悲鳴を上げた。

『うわぁああああぁあぁぁあぁああ!!!!!!』

・・・目が覚めた。
寝てた・・・寝てたのか・・・

 

キャハハキャハハ

子供たちの姿があった。

『ゆ。夢か・・・』

自分は悪夢を見たんだなと思い込んだ。
今何時だ・・・携帯電話を取り出す。
あれ?携帯電話がない。
家に置いて来ちまったようだ。

腕時計を見ると時刻は9時15分を指していた。

花火が終わり、家に帰り、携帯電話を探すした。
なぜか子供部屋に落ちていた。

ヒョイ、と拾い上げて中をみた。
メールが一件来ていた。

私は絶句した・・・。

送り主:Error
タイトル:【NOBODY】
メール内容:さようなら・・・

 

一昨年の夏の悪夢は今でも忘れない。

次の日からは特に変わったこともなくバイトを始めました。
でも、そのバイトの最中誤って自分の携帯電話を砂浜で落としてしまいなくしてしまいました。
必死に探したんですが結局見つからずにバイトも終わってしまいました。

【時の番人】を書いた人も言ってましたが、あの出来事は、夢だったのかもしれません。

今となってはあの携帯電話もありませんので分からずじまいです・・・

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