木と鳥
見慣れた木に鳥が止まっていた。
見たことのない鳥で、なんだろう、と思って長いこと見ていた。
気にして調べて種類は分かった。
へえこの鳥、どこにいたの、ときかれ、あの木ですと答えた。
あの木?…ああ芽が出てない木だろ、あれ立ち枯れてるから近寄っちゃ駄目だよ
と返された。倒木の恐れがあるので、もう切り倒すのだという。
三日ほどで本当に切られ、切り株を抜かれ、地均しされてしまった。
普段気にしたこともなかった木だが、注意を引きたかったように見えてならない。
地元に帰りたい
1年に1回母方の父に逢いに行ってたんだけど、帰りぎわ地元に帰りたい。
一緒に連れてってくれお願いだ!って必死に言ってきた。
無理だったんで事わったけど。
それから1年たたずに亡くなっちゃった。
あの時連れて帰れたらなって、本当に残念だ。
友人
借りたものを返さないだらしない友人が、ある日貸していた本とかゲームとか、金まで(数千円だけど)きっちりと返してきた。
今返さないとまずい気がしてさ・・・・と意味不明なことを言っていたけど、心境が変化した照れ隠しなのかなと歓迎していた。
その友人は翌週、事故で亡くなった。
何か感じる
亡くなる前ってわけじゃないけど
1950年代に、コックス氏は10人以上の怪我人が出た列車事故について調べました。
彼は事故が起こった日の乗客数と、同じ列車での7日前の乗客数とを比較しました。
その結果は驚くべきものでした。
いずれの場合も、事故が起こった日の乗客数は著しく減っていたのです。
それはまるで、人々が未来に起こる事故を予知し、
他の電車や交通機関に乗ることを潜在意識で決めたかのようでした。
死が近づくとやっぱり何か感じるんだろうな
猫嫌い
六年前に死んだ親父は猫嫌い。でもうちには二匹の猫がいた。
胃癌をわずらって、胃全摘手術をうけたけど、死期が迫っていた。
死ぬ少し前に外泊許可もらって帰宅してきた時、あんなに嫌って追い払ってた猫を手招きして(なぜか猫も寄って行った)
ひざにチョコンと乗せて煙草をふかしていたから天地がひっくり返る位驚いた。
外泊を終えて病院帰って行った親父は、二日後の深夜三時頃誰にも看取られなかったけど、苦しむこともなく寝ている間に静かにあの世へ旅だって行ったよ。
死後、親父の携帯に猫の写メが一枚残されてるのをお袋が発見、号泣してた。
好きではなかったけど、家族として大切に思っていたんだねえ>猫
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