妖怪かるたは、お化けや妖怪を題材にしたかるたのことで、「お化けかるた」とも呼ばれています。
江戸時代後期から大正時代中頃にかけて流行した「江戸妖怪かるた」が元になっている「いろはかるた」の一種です。
読み札には【よつやのおいわ=四谷のお岩】などと書かれており、遊んでいるうちに絵札に描かれた妖怪の容姿や特徴を覚えることが出来ます。
ここでは、この妖怪かるた(お化けかるた)48種類を一覧で紹介しています。
妖怪かるた(お化けかるた)一覧
いどから出るさらやしき
井戸から出る皿屋敷
皿屋敷(さらやしき)は、お菊の亡霊が井戸で夜な夜な「いちまーい、にまーい… 」と皿を数える情景が周知となっている怪談話の総称。
ろくろくびのあぶらなめ
轆轤首の油舐め
ろくろ首(ろくろくび、轆轤首)は、首が伸びるものと、首が抜け頭部が自由に飛行するものの2種が存在する。
はにふむらのかさね
羽生村の累
累ヶ淵(かさねがふち)は、茨城県常総市羽生町の法蔵寺裏手辺りの鬼怒川沿岸の地名。この地を舞台とした累(るい、かさね)という女性の怨霊とその除霊をめぐる物語がある。
にかいからでるももんじい
二階から出るももんじい
百々爺(ももんじい)は、鳥山石燕による江戸時代の妖怪画集『今昔画図続百鬼』にある日本の妖怪。
ほん所のおいてけぼり
本所の置いてけ堀
置行堀(おいてけぼり、おいてきぼり)は、本所(東京都墨田区)を舞台とした本所七不思議と呼ばれる奇談・怪談の1つ。
へいごしのゆうれい
塀越しの幽霊
幽霊は何かを告知したり要求するために出現するとされていたが次第に怨恨にもとづく復讐や執着のために出現していると考えられるようになった。
とさの海のようぐわい
土佐の海の妖怪
高知県(土佐)の海に出没したとされる妖怪。高知県の浦戸湾の民間伝承における怪異の一つに「孕のジャン(はらみのジャン)」という妖怪がいる。
ちやうちん小僧
提灯小僧
提灯小僧(ちょうちんこぞう)は、宮城県に伝わる妖怪。手に提灯を持った少年の姿の妖怪。
りよくのしんくわ
利欲の心火
利を貪る心が灯す火。
ぬへのばけ物
鵺の化物
『平家物語』などに登場し、猿の顔、狸の胴体、虎の手足を持ち、尾は蛇。
るすの間に出るばけ物
留守の間に出る化物
「青坊主」が描かれている札。青坊主は、何か大きな人影のようなもの、大きな坊主姿のものとして表わされてることが多い。
をかざきのねこでらのくわい
岡崎の猫寺の怪
化け猫(ばけねこ)は、日本の妖怪の一種。その名のとおりネコが妖怪に変化したもの。
わらいはんにや
笑い般若
笑い般若(わらいはんにゃ)は江戸時代の浮世絵、長野県の伝承にみられる日本の妖怪。人間の女性が邪心から鬼女に変化したものとされた。
かめやまのばけ物
亀山の化物
江戸時代から浅草で販売されている竹片のバネの仕込まれた玩具が由来。
よつやのおいわ
四谷のお岩
お岩が夫の伊右衛門に惨殺され、幽霊となって復讐を果たす物語。
たぬきのはらつゞみ
狸の腹鼓
狸の腹鼓=狸囃子(たぬきばやし)は、日本全国に伝わる音の怪異。深夜になるとどこからともなく、笛や太鼓などの囃子の音が聞こえてくるというもの。
れん木のばけもの
連木の化物
連木は西日本で、すりこぎをいう語。
そらをとぶ人玉
空を飛ぶ人玉
夜間に空中を浮遊する火の玉で、古来「死人のからだから離れた魂」と言われている。
つぢどうまへのたび人のしうねん
辻堂前の旅人の執念
人間に空腹感をもたらす憑き物で、行逢神または餓鬼憑きの一種。ヒダル神(ヒダルがみ)のこと。
ねどこへ出るかみひきねん
寝床へ出る髪引き念
寝ているときに髪を引っぱる怪異。
なすのが原せつしやう石のくわい
那須野が原 殺生石の怪
鳥羽上皇が寵愛したという伝説の女性・玉藻前が、正体が妖狐の化身であることを見破られ、逃げた先の那須の地で討伐されて石となったという逸話がある。その石は毒を発して人々や生き物の命を奪い続けたため「殺生石」と呼ばれるようになり、玄翁和尚によって打ち砕かれ、そのかけらが全国に飛散したという。
らいくわうつちぐものくわい
頼光 土蜘蛛の怪
日本を「魔界」にしようとし、源頼光に対抗する蜘蛛の妖怪。
むかし〱おもひつゞらのばけもの
昔々重い葛籠の化物
おとぎ話「舌切り雀」で、つづらから出てくる化け物。
うすい峠のしゆもくむすめ
碓氷峠の撞木娘
頭部が撞木のようにT字型をしていて、両端に目がついている怪異。
ゐなかむらから出る狐火
田舎村から出る狐火
火の気のないところに、提灯または松明のような怪火が一列になって現れ、ついたり消えたり、一度消えた火が別の場所に現れたりするもの。
のなかのばけ地ぞう
野中の化地蔵
静岡県湖西市に伝わる、人を化かしたという地蔵。
おきに見へる舟ゆうれい
沖に見える舟幽霊
海上の幽霊が怨霊となったもの。ひしゃくで水を汲みいれて船を沈没させるなどと信じられた幽霊。
くすのきのぼうこん
楠木の亡魂
鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての武将である楠木 正成(くすのき まさしげ)の怨霊。
やなぎの下のうぶめ
柳の下の姑獲鳥
産女、姑獲鳥(うぶめ)は妊婦の妖怪。
まつやまむらのくわい
松山村の怪
愛媛県松山市に伝わる化け狸。
げたのばけもの
下駄の化物
化け古下駄(ばけふるげた)または化けた古下駄(ばけたふるげた)。下駄が古くなって変化した妖怪。
ふるでらのばけほんぞん
古寺の化本尊
古寺の仏像に化けた怪異。
こはだ小平治のしうねん
小幡小平次の執念
小幡 小平次(こはだ こへいじ)は、江戸時代の伝奇小説や歌舞伎の怪談物に登場する歌舞伎役者。幽霊の役で名をあげた後に殺害され、自分を殺した者のもとへ幽霊となって舞い戻ったという。
えんの下から出るたたみあげのくわい
縁の下から出る畳上げの怪
家や家具が理由もなく揺れ出す現象。小さな鬼のような妖怪がいたずらをしているという。
てん神下のけせうやしき
天神下の化生屋敷
菅原道真を祭神とする神社を天満宮といい、「天神」(てんじん)、「天神さま」「天神さん」とも呼ばれる。化生の者とは化け物のこと。
あおさぎのばけもの
青鷺の化物
化け柳と呼ばれる柳の大木に毎晩のように青い火が見えて人々が恐れており、ある雨の晩、1人の男が「雨の夜なら火は燃えないだろう」と近づいたところ、木全体が青く光り出し、男が恐怖のあまり気を失ったとあり、この怪光現象がアオサギの仕業とされている。
さよの中山よなき石のくわい
小夜の中山 夜啼石の怪
静岡県(旧遠江国)掛川市佐夜鹿の小夜の中山(さよのなかやま)峠にある石。夜になると泣くという伝説があり、遠州七不思議のひとつに数えられる。
きよもり福原のくわい
清盛 福原の怪
福原(現・神戸市兵庫区)の都で、清盛が中庭を見ると、そこには死人の髑髏が無数に転がっていた。しかもそれらの髑髏は動き回っていた。清盛は大声で人を呼んだが、誰も来ることはなかった。その内に無数の髑髏が一つに合体し、14~15丈(約42~45メートル)もの巨大な髑髏となり、生きているかのように無数の目で清盛を睨みつけた。清盛は意を決し、髑髏の目を思い切り睨み返した。するとやがて、大髑髏は日の光に溶けるかのように、跡形もなく消え去ってしまったという。
ゆきふりに出るゆき女郎
雪降りに出る雪女郎
白装束を身にまとい男に冷たい息を吹きかけて凍死させたり、男の精を吸いつくす「雪の妖怪」。
めぐまむらのばけごぜ
めぐま村の化瞽女
瞽女(ごぜ)とは、三味線(しゃみせん)をひき歌をうたったりして、銭を乞(こ)い歩いた、盲目の女。瞽女の怪異のこと。
みこしがたけみこし入道
御輿が嶽 見越入道
夜道や坂道の突き当たりを歩いていると、僧の姿で突然現れ、見上げれば見上げるほど大きくなる。そのまま見ていると、死ぬこともあるが、「見こした」と言えば消えるらしい。
しただし小僧のとうふなめ
舌出し小僧の豆腐舐め
岡山県久米郡久米南町上籾今井谷に一口坂という坂道があり、かつて夜にそこを歩くと青白い光とともに一つ目小僧が現れ、腰を抜かした者を長い舌で一口嘗めたという。
ゑのくまのくび
ゑのくまの首
大江山に住む怪力の大きな化物。口に鎧の一部をくわえている。
ひだか川しつとのねん
日高川 嫉妬の念
和歌山県日高川町にある天台宗の寺院である道成寺にまつわる平安時代の伝承。思いを寄せた僧の安珍に裏切られた少女の清姫が激怒のあまり蛇に変化し、道成寺で鐘ごと安珍を焼き殺す。
もりん寺のぶんぶく茶がま
茂林寺の分福茶釜
タヌキが化けた茶釜の昔話。茂林寺は群馬県館林市に実在する寺。
せん中のくわい海坊主
船中の怪 海坊主
海に住む妖怪。「海法師(うみほうし)」、「海入道(うみにゅうどう)」と呼ばれる。海に出没し、多くは夜間に現れ、それまでは穏やかだった海面が突然盛り上がり黒い坊主頭の巨人が現れて、船を破壊するとされる。
するがの北はま鬼火のくわい
駿河の北浜 鬼火の怪
駿河湾に現れる鬼火。鬼火は、人間や動物の死体から生じた霊、もしくは人間の怨念が火となって現れた姿と言われている。
京の町へ出るかたわ車
京の町へ出る片輪車
片輪車は、炎に包まれた片輪のみの牛車が美女または恐ろしい男を乗せて走り、姿を見たものを祟るとされる。
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