「大吟醸」「純米酒」など日本酒にもいろいろな種類がありますが、どういう違いがあるのでしょうか?ここでは、日本酒の種類を簡単に分類して、わかりやすくまとめてみました。
日本酒というのは、お米をこして造る「清酒」のことを指します。
日本酒(清酒)の種類一覧
1. 吟醸酒
精米歩合60%以下の白米、米こうじ及び水、又はこれらと醸造アルコールを原料とし、吟醸造りした酒で、固有の香味及び色沢が良好な清酒。特有な芳香(吟香)を有する日本酒です。
【飲み方】冷酒:◎ / 熱燗:△
2. 大吟醸酒
吟醸酒のうち、精米歩合が50%以下の白米を原料として製造し、固有の香味及び色沢が特に良好な清酒。芳醇な香りと淡麗な味はまさに日本酒の芸術品と言われています。
【飲み方】冷酒:◎ / 熱燗:△
3. 純米吟醸酒
吟醸酒のうち、精米歩合が60%以下の白米、米こうじ及び水だけを原料とした清酒。
【飲み方】冷酒:◎ / 熱燗:△
4. 純米大吟醸酒
吟醸酒のうち、精米歩合が50%以下の白米、米こうじ及び水だけを原料とした清酒で、香味及び色沢が特に良好な清酒。
【飲み方】冷酒:◎ / 熱燗:△
5. 純米酒
精米歩合70%以下の白米、、米こうじ及び水を原料として製造した清酒で、香味及び色沢が良好な清酒。醸造アルコールや糖類などを使用しない米だけの日本酒
です。使用されている米の旨みが特徴です。
【飲み方】冷酒:◎ / 熱燗:◎
6. 特別純米酒
純米酒のうち、精米歩合が60%以下の特別な方法(説明表示が必要)で製造した清酒。
【飲み方】冷酒:◎ / 熱燗:◎
7. 本醸造酒
精米歩合70%以下の白米、米こうじ、醸造アルコール(使用量は白米の重量の10%以下)及び水を原料として製造した清酒で、香味及び色沢が良好な清酒。昔ながらの造りで、燗酒としても美味しく頂けます。
【飲み方】冷酒:◎ / 熱燗:◎
8. 特別本醸造酒
本醸造酒のうち、精米歩合が60%以下の特別な方法(説明表示が必要)で製造した清酒。香味及び色沢が特に良好であり、かつ、その理由を消費者が安易に理解できる客観的事項で説明表示できるものをいいます。
【飲み方】冷酒:◎ / 熱燗:◎
9. 古酒
1年以上貯蔵した清酒。長期間経つと光沢のある黄金色を呈し、味はまろやかになるが、老ね香が強くなる。
【飲み方】冷酒:◎ / 熱燗:◎
10. 原酒
製成後、加水調整をしない清酒。 日本酒は加水調整といって、原酒に水を加えてアルコール分を調整してから商品として販売されますが、この加水調整をしないアルコール分の高いものが原酒です。
【飲み方】冷酒:◎ / 熱燗:×
11. 生酒
製成後、一切加熱処理をしない清酒。一般の日本酒は、貯蔵する前と、瓶詰めをして製品化する前の2回、火入れを行っています。「生酒」は、もろみを搾ってこしたままで一切火入れをしないもので、フレッシュな風味が特徴です。
【飲み方】冷酒:◎ / 熱燗:×
12. 生貯蔵酒
製成後、加熱処理をしないで貯蔵し、製造場から移出する際に加熱処理した清酒。生のまま貯蔵されるので、生のままの風味が生かされております。
【飲み方】冷酒:◎ / 熱燗:×
13. 生一本
自社の単一の製造場のみで醸造した純米酒。
【飲み方】冷酒: / 熱燗:△
14. 樽酒
木製の樽で貯蔵した清酒。
木製の樽(一般的には杉樽)で貯蔵し木の香(木香)のついた酒で、多くは樽に詰めた状態のまま(こもかぶり)、あるいは瓶に詰め替えて市販されています。
【飲み方】冷酒:◎ / 熱燗:○
特定名称の清酒の表示
特定名称の清酒とは、吟醸酒、純米酒、本醸造酒をいい、それぞれ所定の要件に該当するものにその名称を表示することができます。
なお、特定名称は、原料、製造方法等の違いによって8種類に分類されます。
特定名称 | 詳細 |
---|---|
吟醸酒 (ぎんじょうしゅ) | 使用原料:米、米こうじ、 醸造アルコール 精米歩合:60%以下 こうじ米 使用割合:15%以上 香味等の要件:吟醸造り、固有の香味、色沢が良好 |
大吟醸酒 (だいぎんじょうしゅ) | 使用原料:米、米こうじ、 醸造アルコール 精米歩合:50%以下 こうじ米 使用割合:15%以上 香味等の要件:吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好 |
純米酒 (じゅんまいしゅ) | 使用原料:米、米こうじ 精米歩合:- こうじ米 使用割合:15%以上 香味等の要件:香味、色沢が良好 |
純米吟醸酒 (じゅんまいぎんじょうしゅ) | 使用原料:米、米こうじ 精米歩合:60%以下 こうじ米 使用割合:15%以上 香味等の要件:吟醸造り、固有の香味、色沢が良好 |
純米大吟醸酒 (じゅんまいだいぎんじょうしゅ) | 使用原料:米、米こうじ 精米歩合:50%以下 こうじ米 使用割合:15%以上 香味等の要件:吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好 |
特別純米酒 (とくべつじゅんまいしゅ) | 使用原料:米、米こうじ 精米歩合:60%以下又は特別な製造方法(要説明表示) こうじ米 使用割合:15%以上 香味等の要件:香味、色沢が特に良好 |
本醸造酒 (ほんじょうぞうしゅ) | 使用原料:米、米こうじ、 醸造アルコール 精米歩合:70%以下 こうじ米 使用割合:15%以上 香味等の要件:香味、色沢が良好 |
特別本醸造酒 (とくべつほんじょうぞうしゅ) | 使用原料:米、米こうじ、 醸造アルコール 精米歩合:60%以下又は特別な製造方法(要説明表示) こうじ米 使用割合:15%以上 香味等の要件:香味、色沢が特に良好 |
甘口と辛口
日本酒の「甘・辛」の基準は、「日本酒度」で決まるもので、実は、日本酒に含まれるエキス量が多いか少ないかをしめしています。エキスとは糖分やアミノ酸などです。
日本酒度をはかるには、日本酒に「日本酒度計」という比重計浮かべてはかるそうです。
日本酒時計は、水の比重と同じところをゼロとするので、酒のエキスが多いと水より重くなるので、浮いてマイナスを示し、酒のエキスが少ないと水より軽くなるので、沈んでプラスを示します。
つまり、プラスの目盛りが大きいほど辛口で、マイナスになるほど甘口を意味します。
でも、これって、絶対的な判断基準になるのかなぁって思います。
なぜなら、プラス10を超えるような超辛口とされる日本酒でも、実際に飲んでみると、ややこってりして甘く感じたり、逆に、日本酒度が低いのに、飲むと切れがあって辛口と感じる日本酒が
たくさんあるからです。
これらは、日本酒度の違い以上に「酸味」の違いで、甘口・辛口の味わいが大きく皮ってしまうからです。
酸が多いとコッテリして辛く感じ、酸が少ないとスッキリして甘く感じます。
お酒に関する言葉
【秋あがり】
四~五月頃に火入れをし、貯蔵したお酒が秋になって熟成し、香味が整い、味も丸くなって酒質がよくなってくることを「秋あがり」といいます。また、「秋晴れする」ともいいます。
【男酒】
硬質の水から造られる、すっきりとした辛口のお酒をそう呼びます。
【女酒】
軟質の水から造られる、ふっくらとしたお酒のことをいいます。
【角うち】
升酒を飲むこと。升は角から飲むことから、そういいます。
【寒造り】
寒の入りから立春までに造られた日本酒をそう呼びます。
【下り酒】
京が都の頃、関西から江戸へ運ばれてきたお酒のこと。
【献杯】
目下から目上へ盃をささげること。「お流れ頂戴」は、その逆をいいます。
【小半ら(こなから)】
半らは一升の半分(五合)。小半らはその半分で二合五酌。
江戸っ子や粋でいなせな人たちは、「こなからで丁度よい」などと使っていたそうです。
ちなみに、昔、大阪では二号さん(おめかけさん)のことを「こなからさん」と言ったそうです。
こなからさん→二合半→二号はん
【肴(さかな)】
酒の菜から、酒の添え物としてのツマミをいうようになりました。
【酒粕】
日本酒を絞った後の粕。酒の搾りかすには、タンパク質やビタミン類が含まれ、甘酒、粕汁、粕漬けなどに広く利用されています。酒の花、板おみきなどの呼び名もあります。
【上戸・下戸(じょうご・げこ)】
秦の始皇帝が、万里の長城の門を守る兵士にはお酒を、平地の門を守る兵士には甘い酒を支給したことから、酒を飲める人を上戸、飲めない人を下戸というようになりました。
【杉玉】
杉の葉を束ねて丸く刈った門飾りで、造り酒屋の軒下につり下げて、新酒ができたことを知らせます。酒林(さかばやし)ともいいます。
【角樽(つのだる)】
婚礼用の酒升で、朱塗りのものは嫁取りに、黒塗りは婿入りの時に使われました。
語呂合わせから一升(一生)入り、商家では半升(繁盛)入りが用いられました。
【呑口(のみくち)】
樽や酒の容器の下に酒の出し入れのための穴があいています。この穴を呑み穴といい、これをふさぐ栓のことを「呑口」といいます。
【可杯(べくはい)】
そこに穴が開いていたり、底が平らではない変わり猪口で、飲み干さないとおけません。
【升】
もともとは計量用の升が、お酒を飲む器となりました。杉、桧などで作られます。
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