「日本の侵略的外来種ワースト100」は、2003年に日本生態学会が、創立50周年を記念して出版した「外来種ハンドブック」の付録資料として選定したものです。
この年は、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」成立の前年にあたり、外来種対策に関する法体系が整えられていなかったことから、有効な外来種対策を実施するために「侵略的外来種」への社会的関心を喚起することを目的としました。候補は国内で影響が認められている種に限らず、海外で影響が知られている種、大きな影響が予測できる種を含め、「必ず選定すべきもの」と「選定することが望ましいもの」の二段階に分けていました。候補の合計は120種ほどになり、この候補から監修者(村上興正・鷲谷いづみ)の判断のもと、仮ワースト100を選定したそうです。
侵略的外来種は、外来種の中で、地域の自然環境に大きな影響を与え、生物多様性を脅かすおそれのあるものを指します。
日本の侵略的外来種ワースト100 一覧
哺乳類
アライグマ Procyon lotor
1970年代のペットブーム以降の遺棄が全国的に広がった原因とされる。 |
イノブタSus scrofa
1970年に食肉の改良を目的としてイノシシとブタを交雑させた。北海道では足寄町の畜舎から逸出した個体が道東に定着している。 |
カイウサギ Oryctolagus cuniculus
江戸時代に毛皮用としてオランダから輸入され、現代ではペットとして輸入されている。離島で遺棄・放棄されたペットや毛皮・食肉用家畜が野生化。渡島大島・七ツ島・沖ノ島・地内島・宇治群島などの離島で繁殖。 |
タイワンザル Macaca cyclopis
局地的に分布しており、伊豆大島で1940年(昭和15年)頃に野生化、和歌山県で1950年(昭和25年)頃に閉園した動物園から逸出、南伊豆町で1964年(昭和39年)に観光施設が購入した個体が逸出。 |
チョウセンイタチ Mustela sibirica
国内では対馬のみに自然分布していたが、1930(昭和5) – 1945年(昭和20年)頃に西日本で毛皮採集のため移入した個体が各地で逸出し、西日本全体に分布を拡大した。 |
ニホンイタチ Mustela itatsi
北海道や伊豆諸島・五島列島・佐渡島・沖縄諸島では侵略種となる。貨物に紛れてに北海道へ上陸、離島では毛皮採取やネズミ駆除などを目的とした人為的な移入がある。 |
ヌートリア Myocastor coypus
1939年(昭和14年)に毛皮採取のため導入されたものが、遺棄され定着した。 |
ノネコ Felis catus
ネズミ駆除と愛玩のために導入された。日本に渡来した最古の記録は884年(元慶8年)の遣唐使に遡る。全国で大量の遺棄が発生し、対応が追いつかないため駆除や処分が推進されても減少に至らない。 |
ジャワマングース Herpestes javanicus
1910年(明治43年)にハブ駆除のため沖縄本島に放たれ、本島全域に土着した。同様に奄美大島でも1979年(昭和54年)に放たれた。 |
ヤギ Capra aegagrus
1930年代以降に家畜として離島に移入されたものが過疎化や逸出などによる畜産放棄によって野生化した。 |
鳥類
ガビチョウ Garrulax canorus
江戸時代頃から愛玩鳥として輸入が始まった。1970年代に大量輸入されたが、遺棄された個体が野生化した。 |
コウライキジ Phasianus colchicus
対馬で江戸時代後期に移入された。狩猟対象として1919年に農林省鳥獣実験所で飼育され、全国に放たれた。 |
シロガシラ Pycnonotus sinensis
1976年に沖縄本島で確認されたが、流入ルートは判明していない。1990年代に久米島・渡嘉敷島・粟国島など沖縄群島に広がった。 |
ソウシチョウ Leiothrix lutea
愛玩用に珍重され、1980年代に爆発的に野生化した。茨城県以西の本土と山形県に定着した。 |
ドバト Columba livia
カワラバトを家禽化したものが再び野生化したもの。日本には奈良時代に移入されていたといわれる。 |
爬虫類
カミツキガメ Chelydra serpentina
1960年代以降にペットとして流入し、投棄・逸出したと考えられ、印旛沼に定着、繁殖しているほか、北海道以外は目撃例がある。 |
グリーンアノール Anolis carolinensis
1960年代中期に米軍物資に紛れ込んでいた個体が父島に定着したといわれる。1980年代には母島や沖縄群島に拡大したが、ペットの逸出説もある。 |
タイワンスジオ Elaphe taeniura friesei
1970年代に皮採取・漢方薬として沖縄本島に持ち込まれたとされる。 |
ミシシッピアカミミガメ Trachemys scripta
幼体は「ミドリガメ」の商品名で1950年代から売買されている。投棄・逸出も大量で、1960年代以降、本土はもとよりほとんどの有人島で目撃されている。 |
両生類
ウシガエル Rana catesbeiana
1918年に食用ガエルとしてアメリカから輸入したものの、日本では食材として定着せずに投棄され、道南や離島を含む日本全体に拡散した。 |
オオヒキガエル Bufo marinus
サトウキビ畑の害虫駆除を目的に、大東諸島は戦前、父島に1949年、母島に1974年、石垣島に1978年、鳩間島に1984年と順次導入された。 |
シロアゴガエル Polypedates leucomystax
フィリピン発の米軍物資に紛れて沖縄本島に流入したことが1964年に確認された。 |
魚類
オオクチバス Micropterus salmoides
通称「ブラックバス」。1925年に食料化を目指して芦ノ湖に試験放流された。敗戦後、米軍によって拡散し、1970年代までに全国に達した。 |
カダヤシ Gambusia affinis
ボウフラ駆除のために台湾から1916年に奈良県へ移入し、1970年代に全国規模で放流された。沖縄・小笠原を含め、福島以南で定着した。水田など止水に住み着き、似た食性のメダカと競合している。 |
コクチバス Micropterus dolomieu
オオクチバスとともに通称「ブラックバス」と呼ばれる。1925年に芦ノ湖に放流されたが絶滅した。1992年に野尻湖で発見された。耐寒性があり、河川でも生息できるため、オオクチバスよりも拡散する危険が高い。 |
ソウギョ Ctenopharyngodon idellus
草食性で大量の水草を食べるため、内水面の除草を目的に1878年より導入した。定着している霞ヶ浦・北浦・利根川水系には、戦中から戦後にかけて食用として放流された。 |
タイリクバラタナゴ Rhodeus ocellatus ocellatus
1942年に食用ハクレンの輸入養殖が始まった際、稚魚に紛れて流入したと推測される。観賞魚としても取引され、投棄・逸出も発生している。 |
ニジマス Oncorhynchus mykiss
食用として1877年にカリフォルニア州から輸入したことを皮切りに、断続的に輸入された。北海道では摩周湖や知床半島を始めとして、在来種の陸封サケ類を駆逐して占有する傾向にある。 |
ブラウントラウト Myocastor coypus
北海道定着種は明治・大正期にアメリカからニジマスを移入していた頃に混入したと考えられている。ウグイ・ヒメマス・アメマスなど在来の陸封サケ類を中心に小型魚を食害する。 |
ブルーギル Lepomis macrochirus
1960年に訪米した上皇明仁がシカゴ市長から贈呈され、食料化研究のために水産庁淡水区水産研究所に下賜し、後に1969年、一碧湖に初放流された。その後、全国に拡散した。 |
昆虫
アメリカシロヒトリ Hyphantria cunea
終戦直後の1945年に初めて発見されたことから、進駐軍の貨物に紛れて侵入したと考えられる。1970年代までに、青森県と山口県を除く本州・愛媛県・福岡県に拡散し、1994年には小笠原でも観察された。 |
アリモドキゾウムシ Cylas formicarius
国内への侵入経路は不明。戦前に南西諸島から北上し、鹿児島県本土まで到達しているほか、1914年に小笠原、1995年には室戸市で発見された。 |
アルゼンチンアリ Linepithema humile
経路は不明だが1993年頃から侵入。関東・東海・近畿・山陽に定着している。凶暴なアリとして知られる。 |
アルファルファタコゾウムシ Hypera postica
経路は不明だが1982年に福岡県と沖縄県で発見され、岐阜県までの西日本や東京に拡散した。幼虫はレンゲなどマメ科を主に食害するが、成虫はメロン・キュウリなどウリ科果実にも被害を及ぼす。 |
イエシロアリ Coptotermes formosanus
侵入時期・経路は不明。温暖な関東以南の太平洋側・四国・九州・小笠原・南西諸島に定着している。木造建造物や樹木を食害する。 |
イネミズゾウムシ Lissorhoptrus oryzophilus
1976年にカリフォルニアから輸入した干草に混入していたと考えられる。本土および沖縄に定着している。イネを食害する。 |
イモゾウムシ Euscepes postfaschiatus
1947年に沖縄で発見された。米軍貨物への混入や引揚者の持ち込み種芋が原因と考えられる。沖縄に定着している。サツマイモの食害が中心。 |
インゲンテントウ Epilachna varivestis
侵入経路は不明だが、1994年に長野県で採集され、1997年に同定された。幼虫・成虫ともインゲンを中心にマメ科植物を食害。 |
ウリミバエ Bactrocera cucurbitae
1919年に沖縄への侵入が確認された。幼虫がウリ科果実に潜り込んで食い荒らす。1972年より不妊化個体の放虫が始まり、21年かけて1993年に根絶宣言が発せられた。 |
オンシツコナジラミ Trialeurodes vaporariorum
1974年に侵入が確認され、温暖地や施設園芸農家を中心に本土全体に拡散している。あらゆる植物の葉から吸汁し、キュウリ黄化ウイルスを媒介する。 |
カンシャコバネオナガカメムシ Caverelius saccharivorus
1911年に台湾から移入したサトウキビ苗に付着していたと考えられる。沖縄諸島全域に定着している。サトウキビを始めイネ科植物の葉から吸汁し、葉の黄変を経て光合成不足による発育不良・枯死を誘発する。 |
カンショオサゾウムシ Rhabdoscelus obscurus
カンショはサツマイモ(甘藷)ではなくサトウキビ(甘蔗)。小笠原で異常発生し、固有ヤシで絶滅危惧II類のノヤシが食害を受けている。 |
シルバーリーフコナジラミ Bemisia argentifolii
1989年に侵入が確認され、全国に拡散した甘い分泌液をこぼし、それを培地としてスス病菌が増殖する。 |
セイヨウオオマルハナバチ Bombus tarrestris
1996年にハウストマトの受粉用にオランダから北海道に輸入されたが、温室から逸出した個体が道内で拡散し、定着している。 |
チャバネゴキブリ Blattella germanica
侵入時期は不明で、全国の暖房が完備された家屋に侵入している。 |
トマトハモグリバエ Liriomyza sativae
1999年に侵入が確認された。南関東から東海・甲信にかけて広く定着しているほか、京都府・山口県・沖縄県に局地的な分布が確認されている。ナス科全般を中心に、ウリ科・マメ科・キク科・アブラナ科の植物に産卵し、幼虫は葉に潜りこんで食害する。 |
ネッタイシマカ Aedes aergypti
1944年に天草群島で異常発生した。1952年までに駆除され、1970年以降は天草での採取例はなく、以後は国内での定着は確認されていない。デング熱・黄熱などの病原体を媒介する。 |
ヒロヘリアオイラガ Parasa lepida
1920年頃には定着が確認されている。近畿以西の西日本に広く分布する。他のイラガと同様に幼虫は毒毛を持ち、触れると激しい炎症を起こす。 |
マメハモグリバエ Liriomyza trifolii
1990年に愛知県と大阪府で侵入が確認された。マメ科全般を中心に、ウリ科・ナス科・キク科・アブラナ科の植物に産卵し、幼虫は葉に潜りこんで食害する。 |
ミカンキイロアザミウマ Frankliniella occidentalis
1980年頃に侵入が確認されたが、分布は千葉・埼玉に留まる。野菜や花卉を吸汁する。ウィルスを媒介して作物に被害を及ぼす。 |
ミナミキイロアザミウマ Thrips palmi
1978年に侵入が確認され、九州全域・四国全域・和歌山県〜茨城県の太平洋岸に分布する。野菜や花卉を吸汁する。 |
ヤノネカイガラムシ Unaspis yanonensis
1920年頃に侵入が確認された。本土全土で定着している。主に柑橘類に寄生し、部位を選ばず孵化後数時間で張り付いて吸汁する。 |
昆虫以外の節足動物
アメリカザリガニ Procambarus clarkii
淡水性ザリガニ。1927年に食用蛙の餌として輸入したが、食用蛙養殖の破綻とともに全国に拡散した。 |
ウチダザリガニ Pacifastacus leniusculus
淡水性ザリガニ。1926年より農水省が食用としてコロンビア川産の個体を輸入し、淡海湖に放流した。摩周湖・阿寒湖と釧路川・支笏湖・天塩川・桧原湖など裏磐梯・淡海湖に分布し、利根川水系でも発見されている。魚類の食害は激しい。 |
セアカゴケグモ Latrodectus hasselti
造網性クモ。1995年に関西国際空港周辺で発見されたことを契機に全国で調査され、近畿・東海を中心に各地で発見された。雌は強力な神経毒を持ち、数日にわたる痛みや腫れを起こす。 |
チチュウカイミドリガニ Carcinus aestuarii
海産カニ。1984年に東京湾で確認された。以後、大阪湾・洞海湾・伊勢湾・浜名湖でも発見されている。バラスト水への混入が原因と考えられる。 |
トマトサビダニ Aculops lycopersici
亜熱帯原産。1986年に沖縄のハウストマトで確認された。本土上陸は1991年で、1999年までに東海から関東・甲信越に列島を横断しながら広まった。トマトを中心に葉裏に付着して吸汁し、落葉に至らしめる。 |
軟体動物
アフリカマイマイ Achatina fulica
陸生巻貝。1932年に食用としてシンガポールから台湾経由で沖縄に持ち込まれた。南西諸島全域や小笠原諸島に拡散し、雑食性のため農作物や固有カタツムリの食害が相次いだ。 |
カワヒバリガイ Limnoperna spp.
淡水二枚貝。1990年代に中国・韓国から輸入したシジミに混入していたと考えられ、2000年代には関東にも定着した。利根川・天竜川・木曽川・淀川を始め、琵琶湖や大塩ダムでも発見される。 |
コウロエンカワヒバリガイ Xenostrobus securis
汽水二枚貝。1972年に児島湾で発見。バラスト水に混入したと思われ、富山・千葉以西の西日本全域の汽水域で定着している。船舶の船底にも付着するため、拡散の恐れが高い。 |
サカマキガイ Physa acuta
淡水巻貝。1935〜40年頃に日本で定着が観測された。水質汚濁に強く、汚れた水の指標生物として知られる。 |
シナハマグリ Meretrix petechialis
海水性二枚貝。1960年代から、代用として輸入されていた。1969年には三重県で養殖が始まっている。潮干狩用に散布された個体や養殖場からの逸出が野生化している。 |
スクミリンゴガイ Pomacea canaliculata
淡水巻貝。水田の雑草駆除のために1981年より導入されたが、イネやイグサを食害することが判明した。 |
チャコウラナメクジ Lehmannia valentiana
陸生巻貝。1950年代に定着が確認された。連合軍の物資に紛れていたと推定されている。 |
ムラサキイガイ Mytilus galloprovincialis
海産二枚貝。1932年に神戸港で侵入が確認された。ほぼ全国の海岸で定着。成長が早く、カキやアコヤガイ、固有種のフジツボを制圧して潮間帯を占領する。 |
ヤマヒタチオビ Euglandina rosea
陸生巻貝。肉食のため、全世界の離島にアフリカマイマイ駆除を目的に放たれた。しかしアフリカマイマイ以上に固有カタツムリを食害し、壊滅に追いやった。 |
その他の無脊椎動物
カサネカンザシ Hydroides elegans
海産固着生物。1970年代に太平洋・瀬戸内沿岸各地で確認され、80年代には玄界灘・隠岐にも侵入している。貨物船のバラスト水に混入していたと推定される。カキやアコヤガイなど養殖貝に取り付けば、貝より早く成長して貝殻を固定してしまい、斃死に追い込んでしまう。 |
維管束植物
アカギ Bischofia javanica
トウダイグサ科アカギ属の常緑高木。1905年に沖縄より小笠原に移植され、製糖用の薪炭材として活用された。製糖業の機械化により放棄され、野生化した。 |
アレチウリ Sicyos angulatus
ウリ科アレチウリ属の一年生つる草。1952年に清水港で発見された。北米からの飼料に混入していたといわれる。本土全域に蔓延し、日当たりがよく腐葉土の多い土壌を覆い尽くす |
イタチハギ Amorpha fruticosa
マメ科イタチハギ属の落葉低木。朝鮮経由で1912年に砂防・治水緑化のために導入した。1940年以後に導入が激化し、本土全域に定着した。 |
イチビ Abutilon avicennae
アオイ科イチビ属の一年生草本。1905年に定着が確認された。本土全体に進出している。 |
オオアレチノギク Conyza sumatrensis
キク科イズハハコ属の二年生草本。1920年に東京で定着が確認された。本州・四国・九州全土に定着している。 |
オオアワダチソウ Solidago gigantea var. leiophylla
キク科アキノキリンソウ属の多年生草本。明治中期に園芸花卉として輸入されたが、逸出して野生化した。本土全体に定着。 |
オオオナモミ Xanthium occidentale
キク科オナモミ属の一年生草本。1929年に岡山県で定着が確認され、本土全域に定着している。非意図的な流入と考えられている。 |
オオカナダモ Egeria densa
トチカガミ科オオカナダモ属の多年生水中草本。1910年代に実験植物として導入され、「アナカリス」の商品名でアクアリウムに取り入れられた。1940年代から野生化し、関東以西で定着している。 |
オオキンケイギク Coreopsis lanceolata
キク科ハルシャギク属の多年生草本。1880年代に園芸花卉として輸入され、ガーデニングやワイルドフラワー緑化に用いられていた。沖縄を含む全国で定着している。 |
オオフサモ Myriophyllum aquaticum
アリノトウグサ科フサモ属の多年生水中草本。1920年にドイツ人が観賞用に須磨寺の池に持ち込んだものが最初とされる。アクアリウムで親しまれたほか、水質浄化効果を謳ってビオトープに導入された。関東以西・東北中部・北海道・沖縄に定着。 |
オオブタクサ Ambrosia trifida
キク科ブタクサ属の一年生草本。1952年に清水港で侵入が確認された。輸入飼料に混入していたと推定される。沖縄を含む全国で定着している。 |
オニウシノケグサ Festuca arundinacea
イネ科ウシノケグサ属の多年生草本。本来は牧草で、根茎で増殖するため、砂防緑化・法面緑化に応用され、沖縄を含む全土で定着する。1905年には侵入が観測された。 |
外来種タンポポ種群 Taraxacum
日本固有のタンポポ属20種の脅威。日本に自生するタンポポの8割はセイヨウタンポポと固有タンポポの交雑種といわれている。 |
カモガヤ Dactylis glomerata
イネ科カモガヤ属の多年生草本。明治維新期に牧草としてアメリカから北海道に導入され、沖縄を含む全土で定着する。ほぼ牧草として利用され、恒常的な輸入によって全国に広まった。 |
キショウブ Iris pseudacorus
アヤメ科アヤメ属の多年生草本。青系が主流のアヤメ属の中で例外的な黄色の花が珍重され、1980年代後半から観賞花卉として輸入された。 |
コカナダモ Elodea nuttalli
トチカガミ科コカナダモ属の多年生草本。1961年に琵琶湖で定着が確認された。沖縄を含む全国に定着している。 |
シナダレスズメガヤ Eragrostis curvula
イネ科スズメガヤ属の多年生草本。砂防緑化・法面緑化を目的として1959年に四国農業試験場がアメリカから取り寄せた。沖縄を含む全国に定着している。太田川や鬼怒川ではカワラノギクやカワナラニガナなど絶滅危惧種への圧迫が問題視されている。 |
セイタカアワダチソウ Solidago canadensis var. scabra
キク科アキノキリンソウ属の多年生草本。1897年に観賞花卉として輸入されたといわれる。1940年代に爆発的に増殖し、本土全域に広まった。 |
タチアワユキセンダングサ Bidens pilosa var. radiata
キク科センダングサ属の多年生草本。幕末の弘化年間に観賞花卉として輸入され、園芸種として栽培されている。沖縄ではサトウキビ畑に侵入し、サトウキビに絡んで刈り取りの障害となる。 |
ネバリノギク Aster novae-angliae
キク科シオン属の多年生草本。大正時代に観賞花卉として輸入された。全国的に散発的に野生化している。 |
ハリエンジュ Robinia pseudoacacia
マメ科ハリエンジュ属の落葉木本。1873年に多用途樹木として輸入した。沖縄を含む全国に定着する。街路樹や庭木としてなじみ深い「ニセアカシア」の別名を持つ。 |
ハルザキヤマガラシ Barbarea vulgaris
アブラナ科ヤマガラシ属の二年生草本。1910年頃から植物園に移入され、本土全域に定着した。 |
ハルジオン Erigeron philadelphicus
キク科ムカシヨモギ属の多年生草本。近縁のヒメジョオンよりかなり遅く、1920年頃に観賞花卉として輸入された。全国に拡大を始めたのは1950年代で、本土全域に定着した。 |
ヒメジョオン Erigeron annuus
キク科ムカシヨモギ属の二年生草本。観賞花卉として幕末の1865年に輸入されたが、鑑賞目的では普及せずに野生化した。本土全域に定着している。 |
ボタンウキクサ Pistia stratiotes
サトイモ科ボタンウキクサ属の多年生草本。1920年代から観賞花卉として輸入された。「ウォーターレタス」の英語名でガーデニングやビオトープに導入された。 |
ホテイアオイ Eichhornia crassipes
ミズアオイ科ホテイアオイ属の多年生草本。明治中期には観賞花卉としてのみならず、家畜飼料としても導入された。「ウォーターヒヤシンス」の別名でガーデニングやビオトープに導入された。 |
維管束植物以外の植物
イチイヅタ Caulerpa taxifolia
サンゴ礁に自生する海藻。本土には水族館展示・アクアリウムを目的に輸入された。 |
寄生生物
アライグマ回虫 Baylisascaris procyoni
線形動物回虫目回虫科。アライグマと同時に侵入した後、1981年にアメリカで発見された。虫卵をヒトが経口摂取すると、幼虫のまま腸壁から循環器を経由して主に脳や神経系を迷走する。 |
エキノコックス Echinococcus
扁形動物円葉目テニア科エキノコックス属の総称。イヌ科肉食獣を最終宿主とする。虫卵をヒトが経口摂取すると、幼虫が腸壁から循環器を経由して主に肝臓に移って病巣を形成する。 |
ジャガイモシスト線虫 Globodera rostochiensis
線形動物葉線虫目ヘテロデラ科の線虫。1972年にペルーから北海道に輸入した肥料に混入していたといわれる。国内有数のジャガイモ産地である北海道と長崎県で確認される。 |
ネコ免疫不全ウイルス FIV=feline immunodeficiency virus
猫後天性免疫不全症候群を発症するレトロウイルス。HIVと同じくレンチウイルス属。ネコ科以外に感染・発症することはない。 |
マツノザイ線虫 Bursaphelenchus xylophilus
線形動物葉線虫目アフェレンクス科の線虫。1905年に長崎県で侵入が確認された。北海道・青森を除く本土全域や沖縄で定着している。 |
ミツバチヘギイタダニ Varroa jacobsoni
他のワースト100とは逆に、日本が発生源となった肉食ダニで、ミツバチに寄生して吸血し、バロア病に感染させる。 |
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