雷を表す言葉は、言語ごとに響きやイメージが少しずつ違い、その違いに触れるだけで小さな発見があります。ここでは、西欧から中東、アジアまで幅広い言語の「雷」をまとめて紹介します。音の雰囲気から受け取れる印象は創作や名前づくりにも役立ち、読み比べるだけでも楽しい一覧です。
『雷』の外国語 一覧|かっこいい・美しい・おしゃれな言葉
西欧語
- 英語
thunder(サンダー)重く響く音を思わせる語で、「lightning(稲妻)」と対で使われることも多い。強さや迫力を表現したい創作向き。 - フランス語
tonnerre(トネール)丸みのある響きで、劇場的な雷鳴を思わせる語。類語に éclair(稲妻)があり、情景描写でもよく使われる。 - イタリア語
tuono(トゥオノ)短く硬めの音が特徴で、空に響く一撃のような雰囲気。類語として fulmine(稲妻)がある。 - スペイン語
trueno(トゥルエノ)巻き舌の力強い響きが魅力。嵐の迫力を表す語として使われ、類語には relámpago(稲妻)がある。 - ポルトガル語
trovão(トロヴァン)鼻音が残る独特の響きが印象的。大きな雷鳴のイメージが強く、relâmpago(稲妻)と対になる語。 - ドイツ語
Donner(ドンナー)硬質で重々しい響きが特徴。北欧神トールの名「Donar」とも関係があり、神話的な強さを感じる語。 - オランダ語
donder(ドンダー)ドイツ語に近い力強い音が魅力。短く鋭い響きで、嵐の場面を描く創作に向いている。 - 現代ギリシャ語
βροντή(ヴロンディ)響きの連なりが特徴的で、雷が空を渡るような印象を与える語。類語に αστραπή(稲妻)がある。
北欧語
- スウェーデン語
åska(オースカ)やわらかい母音が続く響きで、空全体が響くような雷鳴の雰囲気。blixt(稲妻)とも組み合わせて使われる。 - デンマーク語
torden(トーアデン)「Thor(トール)の怒り」に由来する説もあり、北欧神話らしい力強さがある。lyn(稲妻)と対になる語。 - ノルウェー語
torden(トールデン)デンマーク語と同形で、深く響く雷鳴の印象を持つ語。短いが存在感のある音で、創作でも使いやすい。 - アイスランド語
þrumа(スルーマ)独特の子音が印象的で、古代的な雷の力を感じさせる語。elding(稲妻)と併用されることも多い。 - フィンランド語
ukkonen(ウッコネン)雷神ウッコ(Ukko)と関係がある語で、神話的な重みがある。salama(稲妻)と対になる言葉。
東欧・中欧語
- ポーランド語
grzmot(グジモト)ざらりとした子音が力強く、遠くで轟く雷鳴を思わせる語。piorun(稲妻)も近い意味で使われる。 - チェコ語
hrom(フロム)短いが硬い音が特徴で、空気を切り裂くような雷の響きを持つ語。blesk(稲妻)と対比して使われる。 - スロバキア語
hrom(フロム)チェコ語と同形で、同じく硬質な響きをもつ。雷鳴の重みを感じさせる語で、blesk(稲妻)と関連。 - ハンガリー語
mennydörgés(メンニドルゲーシュ)長い語形が特徴で、うねるような雷鳴を表す。villám(稲妻)と併用され、情景描写でよく使われる。 - ラトビア語
pērkons(ペールコンス)雷神ペルコンスに由来し、神話的な力を帯びた語。zibens(稲妻)も関連語として知られている。 - ロシア語
гром(グロム)重く低い響きが特徴で、大地を震わせる雷鳴を表す語。молния(稲妻)と並んでよく使われる。 - ウクライナ語
грім(フリーム)柔らかさと力強さが混じった響きで、空を渡る雷鳴を思い起こさせる語。блискавка(稲妻)と対になる。

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