天皇家には姓、苗字といったものがありません。古代において、天皇は、身分を定める称号として、苗字(姓)を人々に与え、彼らがどのような存在であるかを明らかにしていました。
天皇家に姓・苗字がない理由
朝廷では、天皇が最上位であるため、天皇へ姓を与えることは誰もできませんでした。
姓は、上位の者が下位の者に与えるので、天皇が姓を持つには、より上位の存在が必要になります。そのため、最上位である天皇は姓を持たないということになったようです。
称号
天皇家の方々には苗字は存在しませんが、苗字の代わりに「称号」が存在します。
皇統譜の人名は、苗字(姓)を持たず、「称号+名+身位」で構成されます。例えば、第126代天皇徳仁と皇后雅子の皇女子の敬宮愛子内親王の「敬宮」(としのみや)は、「称号」であり、内親王は身位となります。
また、日本の皇族男子が独立して生計を立てる際に天皇陛下から賜る称号として、「宮号(みやごう)」というものもあります。これは、宮家の皇族男子が世襲していくもので、現在存在する宮号は以下の4つです。
宮家(読み) | 現当主 | 創設 | 創設者 |
---|---|---|---|
秋篠宮 あきしののみや | 文仁親王 | 1990年6月29日 | 上皇(第125代天皇明仁) 第二皇男子文仁親王 |
常陸宮 ひたちのみや | 正仁親王 | 1964年9月30日 | 昭和天皇 第二皇男子正仁親王 |
三笠宮 みかさのみや | 崇仁親王妃百合子 | 1935年12月2日 | 大正天皇 第四皇男子崇仁親王 |
高円宮 たかまどのみや | 憲仁親王妃久子 | 1984年12月6日 | 崇仁親王 第三男子憲仁親王 |
宮家のうち天皇の子女や兄弟が創設した宮家を直宮家といい、天皇との血統の遠近にかかわらず、代々親王宣下を受けることで親王の身位を保持し続けた宮家を世襲親王家という。
天皇家の称号一覧
天皇家の人名は、称号+名+身位 で構成されています。
天皇・皇后・皇子女
身位 | 御名 | 御称号 | 敬称 | 性別 |
---|---|---|---|---|
天皇 (第126代天皇) | 徳仁 なるひと | 浩宮 ひろのみや | 陛下 | 男性 |
皇后 (第126代天皇后) | 雅子 まさこ | 陛下 | 女性 | |
内親王 | 愛子 あいこ | 敬宮 としのみや | 殿下 | 女性 |
上皇・上皇后
身位 | 御名 | 御称号 | 敬称 | 性別 |
---|---|---|---|---|
上皇(第125代天皇) | 明仁 あきひと | 継宮 つぐのみや | 陛下 | 男性 |
上皇后 (第125代天皇后) | 美智子 みちこ | 陛下 | 女性 |
秋篠宮家(あきしののみや)
秋篠宮(あきしののみや)は、上皇所生の直宮家、筆頭宮家。天皇の弟宮である当主の秋篠宮文仁親王は、皇嗣(こうし=皇位継承順位第1位の皇族を指す呼称)。
宮邸は、東京都港区元赤坂二丁目の赤坂御用地内に所在。1997年(平成9年)3月からは、旧秩父宮邸を使用している。
御名 | 御称号 | 身位 | 敬称 | 性別 |
---|---|---|---|---|
文仁 ふみひと | 礼宮 あやのみや | 親王 | 殿下 | 男性 |
紀子 きこ | 親王妃 (秋篠宮妃) | 殿下 | 女性 | |
眞子 まこ | 内親王 | 殿下 | 女性 | |
佳子 かこ | 内親王 | 殿下 | 女性 | |
悠仁 ひさひと | 親王 | 殿下 | 男性 |
常陸宮家(ひたちのみや)
常陸宮(ひたちのみや)は、昭和天皇所生の直宮家、上皇の弟宮。
宮邸は、東京都渋谷区東(旧・常磐松町)の常盤松御用邸。
御名 | 御称号 | 身位 | 敬称 | 性別 |
---|---|---|---|---|
正仁 まさひと | 義宮 よしのみや | 親王 | 殿下 | 男性 |
華子 はなこ | 親王妃 (常陸宮妃) | 殿下 | 女性 |
三笠宮家(みかさのみや)
三笠宮(みかさのみや)は、大正天皇所生の直宮家、昭和天皇の弟宮。
宮邸は、東京都港区元赤坂二丁目の赤坂御用地内の三笠宮・宮邸。
御名 | 身位 | 敬称 | 性別 |
---|---|---|---|
百合子 ゆりこ | 親王妃(三笠宮妃) | 殿下 | 女性 |
信子 のぶこ | 親王妃(寛仁親王妃) | 殿下 | 女性 |
彬子 あきこ | 女王 | 殿下 | 女性 |
瑤子 ようこ | 女王 | 殿下 | 女性 |
高円宮家(たかまどのみや)
高円宮(たかまどのみや)は、三笠宮崇仁親王の第三王子(三男二女のうち第五子)の高円宮憲仁親王が創設した宮家。
宮邸は、東京都港区元赤坂二丁目の赤坂御用地内の高円宮・宮邸。
御名 | 身位 | 敬称 | 性別 |
---|---|---|---|
久子 ひさこ | 親王妃(高円宮妃) | 殿下 | 女性 |
承子 つぐこ | 女王 | 殿下 | 女性 |
第二次世界大戦後に断絶した宮家
戦後の連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)による占領下で、大正天皇の男系(父系)子孫とその家族のみが皇族として皇室に残留したが、このうち、秩父宮、高松宮、桂宮の三宮家は、宮家成員の全皇族が薨去したことにより断絶し消滅した。
秩父宮家(ちちぶのみや)
伏見宮系皇族の臣籍降下後に存続した宮家のひとつ。
当主 | 創設 | 断絶 |
---|---|---|
秩父宮雍仁親王 ↓ 雍仁親王妃勢津子 | 1922年(大正11年) 6月25日 | 1995年(平成7年) 8月25日 |
高松宮家(たかまつのみや)
伏見宮系皇族の臣籍降下後に存続した宮家のひとつ。
当主 | 創設 | 断絶 |
---|---|---|
高松宮宣仁親王 ↓ 宣仁親王妃喜久子 | 1913年(大正2年) 7月6日 | 2004年(平成16年) 12月18日 |
桂宮家(かつらのみや)
桂宮宜仁親王が未婚独身で創設した宮家。
当主 | 創設 | 断絶 |
---|---|---|
桂宮宜仁親王 | 1988年(昭和63年) 1月1日 | 2014年(平成26年) 6月8日 |
離脱した旧皇族51名の一覧
伏見宮(ふしみのみや)
名 | 身位 | 年齢 | 備考 |
---|---|---|---|
博明 ひろあき | 王 | 16 | 当主 博義王第1男子 |
朝子 ときこ | 王妃 | 46 | 博義王妃 |
光子 みつこ | 女王 | 19 | 博義王第1女子 |
章子 あやこ | 女王 | 14 | 博義王第2女子 |
閑院宮(かんいんのみや)
名 | 身位 | 年齢 | 備考 |
---|---|---|---|
春仁 はるひと | 王 | 46 | 当主 載仁親王第2男子 |
直子 なおこ | 王妃 | 40 | 春仁王妃 |
山階宮(やましなのみや)
名 | 身位 | 年齢 | 備考 |
---|---|---|---|
武彦 たけひこ | 王 | 50 | 当主 菊麿王第1男子 |
北白川宮(きたしらかわのみや)
名 | 身位 | 年齢 | 備考 |
---|---|---|---|
道久 みちひさ | 王 | 11 | 第5代当主 永久王第1男子 |
房子 ふさこ | 内親王 王妃 | 58 | 3代当主の成久王妃 明治天皇第7皇女 |
祥子 さちこ | 王妃 | 32 | 4代当主の永久王妃 |
肇子 はつこ | 女王 | 9 | 永久王第1女子 |
梨本宮(なしもとのみや)
名 | 身位 | 年齢 | 備考 |
---|---|---|---|
守正 もりまさ | 王 | 74 | 当主 久邇宮朝彦親王第4男子 |
伊都子 いつこ | 王妃 | 66 | 守正王妃 |
久邇宮(くにのみや)
名 | 身位 | 年齢 | 備考 |
---|---|---|---|
朝融 あさあきら | 王 | 47 | 当主 邦彦王第1男子 |
俔子 ちかこ | 王妃 | 69 | 邦彦王妃 |
静子 しずこ | 王妃 | 64 | 多嘉王妃 |
朝子 あさこ | 女王 | 21 | 朝融王第2女子 |
邦昭 くにあき | 王 | 19 | 朝融王第1男子 |
通子 みちこ | 女王 | 15 | 朝融王第3女子 |
英子 ひでこ | 女王 | 11 | 朝融王第4女子 |
朝建 あさたけ | 王 | 8 | 朝融王第2男子 |
典子 のりこ | 女王 | 7 | 朝融王第5女子 |
朝宏 あさひろ | 王 | 4 | 朝融王第3男子 |
賀陽宮(かやのみや)
名 | 身位 | 年齢 | 備考 |
---|---|---|---|
恒憲 つねのり | 王 | 48 | 当主 邦憲王第1王子 |
敏子 としこ | 王妃 | 45 | 恒憲王の妃 |
邦寿 くになが | 王 | 26 | 恒憲王第1男子 |
治憲 はるのり | 王 | 22 | 恒憲王第2男子 |
章憲 あきのり | 王 | 19 | 恒憲王第3男子 |
文憲 ふみのり | 王 | 17 | 恒憲王第4男子 |
宗憲 むねのり | 王 | 16 | 恒憲王第5男子 |
健憲 たけのり | 王 | 6 | 恒憲王第6男子 |
東伏見宮(ひがしふしみのみや)
名 | 身位 | 年齢 | 備考 |
---|---|---|---|
周子 かねこ | 親王妃 | 72 | 初代当主依仁親王妃 |
竹田宮(たけだのみや)
名 | 身位 | 年齢 | 備考 |
---|---|---|---|
恒徳 つねよし | 王 | 39 | 当主 恒久王第1男子 |
光子 みつこ | 王妃 | 33 | 恒徳王妃 |
恒正 つねただ | 王 | 8 | 恒徳王第1男子 |
恒治 つねはる | 王 | 4 | 恒徳王第2男子 |
素子 もとこ | 女王 | 6 | 恒徳王第1女子 |
紀子 のりこ | 女王 | 5 | 恒徳王第2女子 |
朝香宮(あさかのみや)
名 | 身位 | 年齢 | 備考 |
---|---|---|---|
鳩彦 やすひこ | 王 | 61 | 初代当主 久邇宮朝彦親王第8男子 |
孚彦 たかひこ | 王 | 36 | 鳩彦王第1男子 |
千賀子 ちかこ | 王妃 | 27 | 孚彦王妃 |
富久子 ふくこ | 女王 | 7 | 孚彦王第1女子 |
誠彦 ともひこ | 王 | 5 | 孚彦王第1男子 |
美乃子 みのこ | 女王 | 3 | 孚彦王第2女子 |
東久邇宮(ひがしくにのみや)
名 | 身位 | 年齢 | 備考 |
---|---|---|---|
稔彦 なるひこ | 王 | 61 | 初代当主 久邇宮朝彦親王第9男子 |
聡子 としこ | 内親王 王妃 | 52 | 稔彦王妃 明治天皇第9皇女 |
盛厚 もりひろ | 王 | 32 | 稔彦王第1男子 |
成子 しげこ | 内親王 王妃 | 23 | 盛厚王妃 昭和天皇第1皇女 |
信彦 のぶひこ | 王 | 3 | 盛厚王第1男子 |
文子 ふみこ | 女王 | 2 | 盛厚王第1女子 |
俊彦 としひこ | 王 | 19 | 稔彦王第4男子 |
天皇家 23の「称号」一覧
- 浩宮(ひろのみや)
- 敬宮(としのみや)
- 継宮(つぐのみや)
- 礼宮(あやのみや)
- 秋篠宮(あきしののみや)
- 常陸宮(ひたちのみや)
- 義宮(よしのみや)
- 三笠宮(みかさのみや)
- 高円宮(たかまどのみや)
- 秩父宮(ちちぶのみや)断絶
- 高松宮(たかまつのみや)断絶
- 桂宮(かつらのみや)断絶
- 伏見宮(ふしみのみや)離脱
- 閑院宮(かんいんのみや)離脱
- 山階宮(やましなのみや)離脱
- 北白川宮(きたしらかわのみや)離脱
- 梨本宮(なしもとのみや)離脱
- 久邇宮(くにのみや)離脱
- 賀陽宮(かやのみや)離脱
- 東伏見宮(ひがしふしみのみや)離脱
- 竹田宮(たけだのみや)離脱
- 朝香宮(あさかのみや)離脱
- 東久邇宮(ひがしくにのみや)離脱
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