世界のさまざまな言語で「竜」をどう表すのかをまとめました。似た意味でも響きや雰囲気には少しずつ違いがあり、その違いが名前づくりや創作にそっと彩りを添えてくれます。ふだん耳にしない単語に触れることで、小さな発見を楽しんでもらえると嬉しいです。
『竜』の外国語 一覧|かっこいい・美しい・おしゃれな言葉
西欧語
- 英語
Dragon(ドラゴン)
力強く響く語で、火や翼を連想させる定番の単語。類語に wyrm や drake もあり、作品の雰囲気づくりに幅を持たせられる。 - フランス語
Dragon(ドラゴン)
柔らかな発音が特徴で、どこか優雅な印象を持つ語。類語に vouivre(蛇竜)などがあり、幻想的な表現にも向く。 - イタリア語
Drago(ドラゴ)
歯切れのよい響きが魅力で、勇猛さを感じる語。関連語に dragone(大きな竜)などがあり、壮大な雰囲気を添えられる。 - スペイン語
Dragón(ドラゴン)
語尾の “ン” が力を宿し、雄々しい印象を与える語。ドラゴナ(雌竜)など性別で変化させる表現も使われる。 - ポルトガル語
Dragão(ドラガォン)
鼻音を含む響きが独特で、重厚な雰囲気をもつ語。類語に serpente mítica(伝説の蛇)などの比喩表現もある。 - ドイツ語
Drache(ドラッヘ)
硬質な音が特徴で、威厳や古代的な力を連想させる。Drachen(複数形)も力強い響きを持ち、作品名にもよく使われる。 - オランダ語
Draak(ドラーク)
短く太い音で、素朴な力強さを感じる語。関連語に draakachtig(竜のような)があり、形容にも使いやすい。 - 現代ギリシャ語
Δράκος(ドラコス)
古代神話の名残を思わせる響きで、神秘性が強い語。類語に δράκοντας(竜)などがあり、叙事詩的な表現にも合う。
北欧語
- スウェーデン語
Drake(ドラーケ)
軽やかで端正な響きが特徴の語。複数形は drakar。北欧特有の素朴さと神話的な雰囲気を自然に含んでいる。 - デンマーク語
Drage(ドラウ)
柔らかく伸びる発音で、落ち着いた印象を与える語。類語に lindorm(竜蛇)もあり、北欧らしい神秘性を添えられる。 - ノルウェー語
Drage(ドラゲ)
丸みのある音が心地よく、物語に溶け込みやすい語。lindorm と並び、伝承的な竜を表す表現として使われる。 - アイスランド語
Dreki(ドレキ)
古語の雰囲気が色濃く残る語。鋭さと古代感があり、北欧神話の竜ファフニールのイメージにも重なる。 - フィンランド語
Lohikäärme(ロヒカールメ)
独特の長い音が印象的な語。直訳すると「サーモンの蛇」とされ、文化的な比喩も含むユニークな表現。
東欧・中欧語
- ポーランド語
Smok(スモック)
短く強い音が特徴で、語感の個性が際立つ語。dragon に近い意味で使われ、伝承の竜の象徴として親しまれている。 - チェコ語
Drak(ドラク)
鋭い音が印象的で、簡潔な形が使いやすい語。物語や創作でよく登場し、力強いイメージを添えてくれる。 - スロバキア語
Drak(ドラク)
チェコ語と同形で、軽快な響きを持つ。童話から民話まで幅広く使われ、素朴な強さを感じさせる語。 - ハンガリー語
Sárkány(シャールカーニュ)
長い母音が特徴的で、どこか魔術的な雰囲気をまとう語。関連語の sárkánykígyó(竜蛇)も幻想的。 - ラトビア語
Pūķis(プーキス)
丸く響く音がかわいらしく、竜を柔らかく表す語。民話との結びつきも強く、小さな守護者のような印象もある。 - ロシア語
Дракон(ドラコン)
力強く重厚な音を持つ語で、威厳ある竜像を想起させる。類語の змей(ズメイ/蛇竜)は神話的な色合いが濃い。 - ウクライナ語
Дракон(ドラコン)
ロシア語と近く、響きにやわらかさが加わった語。змій(ズミイ)も伝承でよく使われ、蛇竜的な姿を表現する。

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