5. 善良な守護竜・雨乞い・豊穣の竜
雨・水・作物・土地の安定をもたらす“善神的ドラゴン”をまとめたカテゴリー。アジアを中心に、水や天候を司る守護竜が多い。
- Tatsu(タツ)
日本の伝承で水・雨・天候を司る竜。人々に豊穣や雨をもたらす守護者として祀られ、山・川・湖の神格としても語られる。 - Ryū(竜/リュウ)
日本に広く登場する善神的な水竜。雨・川・湖を守護し、村落の豊穣や安全をもたらす存在として神社や祭礼でも信仰される。 - Ryūjin(龍神)
海や水源を守る日本の水神。潮の満ち引き、天候、豊穣を支配し、漁業と農耕の守護者として崇拝される。 - Azure Dragon(青龍)
中国の四象の一つで、東方と春を司る聖なる竜。季節の巡り、雨、農耕とも結びつき、幸福や繁栄の象徴とされる。 - Naga / Nogo(ナガ/ノゴ)
インド・東南アジア全域に広がる水・雨の守護竜。地底水脈・湖・湧水を司り、人々に豊穣と繁栄をもたらす神聖な蛇竜。 - Neak(ネアック)
クメール文化におけるナーガ。水の恵み、灌漑、土地の守護と強く結びつき、国家・王権の象徴としても重要視されている。 - Rồng / Long(ロン)
ベトナムの守護竜で雨・雲・水の力を持つ。農作物の成長や国家の繁栄に関わる存在として非常に尊ばれる。 - Dragon King(竜王)
中国の“四海龍王”として知られる雨の神々。海・川・湖を支配し、人々に雨と作物の恵みを与える最も重要な守護竜の一群。 - Yinglong(応龍)
古代中国の翼ある善龍。雨や河川の流れを整える神として語られ、英雄大禹の治水に力を貸したとされる伝説的守護竜。 - Kuzuryū(九頭竜)
日本の湖や渓谷に縁のある九つ頭の竜。水害を与える存在としての側面と、鎮められ豊穣神として祀られる守護面の二面性を持つ。 - Gozuryū(五頭竜)
日本の伝承に登場する五つ頭の竜。人間との縁を経て土地の守護者に変わる物語も多く、地域の豊穣と平安を象徴する。 - Masingi(マシンギ)
ツォンガ族に伝わる癒しの水竜。泉を浄化し、人々の病や心を癒す存在として語られる“恩恵の竜”。 - Taniwha(タニファ)
マオリ文化における守護竜。川・海・洞窟に棲み、災害から人々を守る存在として敬われる一方、怒りを買うと災厄をもたらす。 - Rainbow Serpent(レインボー・サーペント)
オーストラリア先住民が信仰する創造の大蛇。大地に水と生命を与え、雨や豊穣をもたらす国土そのものの守護者。 - Amarok / Amaru(※守護竜としての側面がある場合)
地域によっては雨・水・大地の循環を象徴し、守護的性質を持つとされることもある。 ※元ファイルに該当説明がある場合のみ採用。
6. 呪術・変身・妖魔タイプ(人間化・魔術的側面を持つ竜)
人に化ける・魔術を操る・魂や呪いと関わる“妖怪的ドラゴン”をまとめたカテゴリー。民間伝承・怪異譚に多く、神話竜よりも物語的・妖魔的な性質を持つ。
- Nure-onna(濡女)
日本の怪異に登場する女の姿を持つ蛇竜。人間の女性の顔と長い蛇体を持ち、溺死へ誘う妖的存在として描かれる。 - Ningyo-hime / Ningyo-ryū(人魚系竜)
地域によっては水の呪力を持つ蛇竜として扱われ、人の姿に近い形態を取ることがある。 ※ファイル内の妖怪カテゴリと竜カテゴリの境界に立つ存在。 - Nguruvilu(ングルヴィル)
チリの川に棲む狐と蛇の混成竜で、人を引きずり込む妖怪的存在。呪術者によって鎮められる儀式が伝えられ、人間との霊的関係が強い。 - Tatsu(化生竜としての側面)
日本では竜が人に化ける伝承が多く、美女・老人など姿を変え、人間社会に関わる存在として語られる例が多い。 (※水・守護竜とは別の“化生タイプ”として分類) - Ryūjo(龍女)
日本・中国伝承に現れる人の姿を取る竜の女性。人間と婚姻したり助力したり、妖魔というより霊的存在に近いが“変身竜”として重要。 - Kuzuryū(九頭竜:呪術的側面)
水神である一方、怒りにより災厄をもたらす“祟り神的側面”も強く、鎮魂や祈祷と関わる呪術的竜として扱われる地域がある。 - Gozuryū(五頭竜:変身・信仰との交わり)
伝承では人間の女性との関係を描く例も多く、竜が罪を悔い改めるなど、人間社会や霊性に深く関わる“物語性の強い竜”。 - Olimaw(オリマウ)
フィリピンの亡霊竜。死者の魂と結びつく呪術的側面を持ち、月食・死霊と関連する“魔的ドラゴン”として恐れられる。 - Samal Naga(サマル・ナガ)
天の川に幽閉された竜で、人間の行いに応じて姿を現す霊的存在。神罰・魂の浄化など呪術的イメージが強い。 - Monyohe(モニョヘ:変身する蛇竜)
アフリカのソト族に伝わる竜で、人間に化けて関わる伝承が多い“化生型竜”。精霊・妖魔的役割を担い、呪術や儀式と深い関係がある。 - Piasa Bird(パイアサ・バード:妖怪的側面)
北米の壁画に見られる翼ある怪鳥。水辺の死と霊を司ることから、地域では“呪いを運ぶ妖魔竜”として扱われることがある。
7. ワーム/ワイバーン/蛇竜系(細長い体・二足・蛇型ドラゴン)
脚の少ない細長い竜、翼だけを持つ二足竜、蛇そのものの姿に近い竜など“シルエットで特徴が出るタイプ”のドラゴンをまとめたカテゴリー。
- Ikuchi(イクチ)
日本の海を漂う非常に長い海蛇型の竜。船にまとわりついて沈ませるとされ、細長いワーム型ドラゴンの典型的存在。 - Nure-onna(濡女)
女性の顔を持つ巨大な蛇体の怪物。妖怪寄りだが“蛇竜”として扱われることも多く、典型的なサーペント型の姿を持つ。 - Kihawahine(キハワヒネ)
ハワイの湖を守護する蛇竜で、水中を泳ぐ巨大なサーペントとして描かれる。女性形を取ることもあり両義性が特徴。 - Nguma-monene(ングマ・モネネ)
中央アフリカの巨大な陸生サーペント。太い胴と長い尾を持つ大蛇型の竜で、ワーム/地竜として語られる。 - Grootslang(グルーツスラング)
象のような巨体を持つ大蛇の姿で語られ、大洞窟に棲む原初的ワーム型の竜。ドラゴンとサーペントの中間に位置する存在。 - Monyohe(モニョヘ)
水辺や地底に棲む蛇竜。変身・霊性の側面も強いが、通常は長い蛇体を持つサーペント型ドラゴンとして描かれる。 - Yurlungur(ユルングル)
オーストラリア先住民の巨大な虹蛇の竜。細長いサーペント型の体で、地底と空をつなぐ霊的存在として語られる。 (※ファイルに記載ある場合のみ) - Yawkyawk Serpent(ヨウキョウク・サーペント)
洞窟と地底の水脈を守る蛇女神。魚尾の女性として描かれることもあるが、根本はサーペント型の“地下水竜”。 - Taniwha(タニファ:蛇竜形態の場合)
マオリ伝承で、巨大な鰐型・魚型・蛇型など多様な姿を取る水竜。地域によっては完全な巨大サーペントとして描かれる。 - Piasa Bird(パイアサ・バード:蛇体との混合形態)
翼を持つ怪物だが、描写によっては蛇体の混成竜とされる場合があり、ワイバーン/サーペントの境界に位置する存在。 - Kulshedra(クルシェドラ:ワーム形態)
アルバニア伝承で、ボラが変化した巨大蛇竜。翼を持つ場合もあるが、長い蛇体によるワーム型の姿で語られることが最も多い。

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