古代神話の象徴的な竜、災厄をもたらす怪物級の竜、国家を守護する神聖な竜、さらには創作用に人気の混成ドラゴンまで、世界中に伝わる“特別な名を持つドラゴン”を整理しました。
れぞれの竜の背景・象徴・文化的意味付きなので、創作アイデアの強化にも役立ちます。
あなたが求めていた「理想のドラゴン名」がきっと見つかります。
世界のかっこいいドラゴンの名前一覧
出典・参考:Wikipedia – List of dragons in mythology and folklore
1. 伝説級ドラゴン(神話の中心に登場する象徴的存在)
世界創造・神々との戦い・英雄譚の核に登場する“看板ドラゴン”
- Tiamat(ティアマト)
バビロニア神話の原初の海の女神で、巨大な海竜として描かれることが多い。混沌の象徴で、マルドゥクに討たれ、その身体が天地創造に使われたとされる。 - Leviathan(リヴァイアサン)
レバント〜ユダヤ伝承に登場する巨大な海竜。多頭の海蛇として語られ、混沌・深海の象徴となった存在。後世の“海竜像”に強い影響を与えた。 - Lotan(ロタン)
ウガリット神話の七つの頭を持つ海竜。海神ヤムに仕えるが、嵐の神バアルに打ち倒される“混沌竜”の代表格で、レヴィアサンの原型とされる。 - Yam(ヤム)
レバント神話の海の神であり、荒ぶる海そのものとして“怪物的側面”を持つ。バアルと対立し、海竜的な力の象徴として語られた。 - Mušḫuššu(ムシュフシュ)
イシュタル門に描かれる神獣。猫科の脚、鷲の後肢、蛇の鱗と舌を持つ合成竜で、マルドゥクに従う“神の竜”として古代バビロニアで崇められた。 - Apep / Apophis(アペプ/アポピス)
エジプト神話で太陽神ラーの敵として語られる巨大な暗黒の蛇。毎晩太陽船を襲う“混沌と闇の化身”として恐れられた。 - Yinglong(応龍)
中国の古い伝承に登場する翼を持つ竜。雨を司り、戦功を立てた“神の竜”として記録され、後の竜信仰に大きな影響を残した。 - Azure Dragon(青龍)
中国神話の四象のひとつで、東方と春を司る神聖な竜。天文・陰陽思想とも深く結びつく、アジア圏で最も象徴性の強い竜の一つ。 - Dragon King(竜王)
中国神話の水と天候を司る“海の王”たち。四海龍王として知られ、雨・洪水・豊穣を支配する強大な神格的ドラゴン。 - Ryūjin(龍神)
日本の海の竜王で、海底宮殿を持つ水神。天候や潮流を支配し、航海や雨乞いと深く関わる“日本を代表する神格竜”。 - Druk(ドルク)
チベット〜ブータン地域の“雷の竜”。嵐・雨・繁栄と結びつき、ブータン王国の象徴として国旗に描かれるほど重要な存在。 - Quetzalcoatl(ケツァルコアトル)
アステカの羽毛ある蛇の神。文化英雄であり創造神。飛翔する蛇(ドラゴン)的存在として神話・儀式・天文と密接に結びつく。 - Kukulkan(ククルカン)
マヤ神話の羽毛ある蛇の神で、ケツァルコアトルと対応する神格。文明・秩序・雨をもたらす守護神的ドラゴン。 - Q’uq’umatz(ククマツ)
キチェ・マヤ神話の羽毛の蛇。水と空気の力を合わせ持ち、世界創造に関わる霊的な“創造竜”。 - Rainbow Serpent(レインボー・サーペント)
オーストラリア先住民が信仰する“生命と創造の大蛇”。大地の形成、水、雨、繁栄をもたらす創造神的ドラゴンで、オセアニア文化の中心的象徴。
2. 多頭竜・世界蛇(圧倒的スケールの怪物竜)
複数の頭を持つヒュドラ系や、世界を覆う“大蛇・海蛇”など圧倒的スケールを持つ竜をまとめました。神話世界の混沌・災厄・宇宙観と深く結びつく。
- Hydra(ヒュドラ/レルネーのヒュドラ)
ギリシャ神話の多頭の水竜。毒の血と息を持ち、斬られた首が再生・増殖する災厄的存在。英雄ヘラクレスによって討たれる。 - Ladon(ラドン)
黄金の林檎を守る多頭の竜。ギリシャ神話の守護竜で、数多くの頭を持ち、巨木を巻き付く姿が象徴的。 - Python(ピュトン)
デルポイを守護していた巨大な地竜・蛇。アポロンに撃退され、後にその地がデルポイの神託の場となった。 - Typhon(テュポーン)
翼と無数の蛇のような下半身を持つ巨大怪物。ギリシャ神話最強格の“破壊の権化”で、しばしばドラゴン的姿で描かれる。 - Jörmungandr(ヨルムンガンド/世界蛇)
北欧神話で世界を取り巻くほど巨大な海竜。終末ラグナロクではトールと相打ちになる“世界規模の怪物”。 - Níðhöggr(ニーズヘッグ)
世界樹ユグドラシルの根をかじる竜・大蛇。死者や罪をむさぼる象徴として語られ、冥界と深い関わりを持つ。 - Vishap(ヴィシャプ)
アルメニア伝承の竜で、複数の動物特徴を併せ持つ。しばしば翼ある蛇や多頭の姿で描かれ、災厄の象徴ともされる。 - Dragon of Hayk(ハイクの竜)
アルメニア王家に関連する七つの頭を持つ巨蛇。祖ハイクにまつわる伝承で象徴的な多頭竜として登場する。 - Zmey / Żmij / Zmaj(ズメイ系ドラゴン)
スラヴ圏の多頭・火吹きドラゴン名称群。地域によって3~複数の頭を持ち、炎の尾を引いて飛ぶ存在として恐れられた。 - Zmey Gorynych(ズメイ・ゴリニチ)
ロシア民話の代表的多頭竜。3つの頭と翼を持ち、火を吐く。英雄と戦う“典型的なスラヴの怪物竜”。 - Chudo-Yudo(チュド・ユド)
3〜90の頭を持つこともある怪物的ドラゴン。首が再生・増殖する点でヒュドラと類似し、物語によって姫をさらう悪役として登場する。 - Kulshedra(クルシェドラ)
アルバニア伝承の“進化した多頭竜”。ボラが年月を経て変じた姿とされ、九つの舌・角・棘・大きな翼を持つ災厄の竜。 - Slibinas(スリビナス)
リトアニアの多頭ドラゴン。ヒュドラ型で複数の頭を持つが、物語によっては一頭で描かれることもある。 - Teju Jagua(テフ・ジャグア)
パラグアイの七つの犬の頭を持つトカゲ型ドラゴン。果実・財宝の守護者として語られ、ヨーロッパのドラゴン像に近い性質を持つ。 - Amaru(アマル)
インカ神話のキメラ的多頭竜。複数の動物の頭部が組み合わされることがあり、アンデス地域の装飾や地名に広く残る。 - Con Rit(コン・リット)
ベトナム伝承の巨大海竜。身体が節で分かれた甲冑型の海の怪物として描かれることが多く、海の脅威と結びつけられる。 - Boitatá(ボイタタ)
ブラジルの「燃える蛇」。災厄の炎の竜としても扱われることがあり、巨大な火の目を持つ大蛇が夜を照らすとされる。

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