『見惑』とは…
上記のように欲界・色界・無色界の三界のそれぞれの四諦における煩悩が断ち切れた修行段階を見道(けんどう)と呼び、これらの断ち切るべき煩悩、仏教の真理に迷うものを『見惑』という。
『修惑』とは…
見道の位に達した後、具体的現象に対して繰り返し修行を続ける段階を修道と呼び、この段階で絶つべき煩悩、現象的な事物にとらわれ迷うのを『修惑』という
『三界』とは…
「欲界」「色界」「無色界」を合わせて「三界」といい、いずれも迷いの世界
『四諦』とは…
四つの聖なる真理で「苦諦」「集諦」「滅諦」「道諦」の四つ
「集諦」が原因で「苦諦」の結果となり、「道諦」が原因で「滅諦」の結果が得られる
根本煩悩とは…
根本煩悩(こんぽんぼんのう)の柱は10種類に大まかに分かれます。
- 貪(とん) 必要以上に欲しい、手に入れたいという欲。
- 瞋(しん) 腹が立つ、イライラするなどの許せない怒り。
- 痴 (ち) 愚痴や愚行。物事の道理が分からな。
- 慢(まん) 他人に誇りたがる傲慢な態度
- 疑(ぎ) 物事を信じる事が出来ず疑ってしまう
- 有身見(うしんけん) 自分の身体は自分の思い通りになると思っている
- 辺執見(へんじっけん) 善か悪か、白か黒かにしか分けることができない極端な思考
- 邪見(じゃけん) 自分の行いが自分に返ってくることを知らない身勝手さ
- 見取見(けんしゅけん) 他人は自分よりも劣っていると思ってしまう偏見
- 戒禁取見(がいごんしゅけん) 誤った考えを信じ、正しい事と勘違いしてしまう
『十纏』とは…
根本煩悩にまとわり付く10の心の働きのことです。
- 無漸(むざん)内面的に恥じないこと
- 無愧(むき)人に恥じないこと
- 嫉(しつ)ねたみ
- 慳(けん)ものおしみ
- 悪作(あくさ)後悔
- 睡眠(すいめん)眠りに陥らせる精神作用
- 掉挙(じょうこ)精神的な躁状態のこと
- 惘沈(こんじん)精神的な鬱状態のこと
- 忿(ふん)いきどおり
- 覆(ふく)罪をおおい隠すこと
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